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ラングリッチが米EnglishCentralと合併、ヒトメディア代表 森田氏がボードメンバーに 【@maskin】

 ヒトメディアグループは2015年9月3日、子会社でSkype英会話事業を展開する「ラングリッチ」(Langrich Holdings Pte. Ltd. 拠点シンガポール)が米のオンライン教育ベンチャー「イングリッシュセントラル(English Central)」(拠点マサチューセッツ州アーリントン)と合併することを明らかにした

 事業統合により、イングリッシュセントラルのインプット型学習から、ラングリッチが得意とするアウトプット型学習まで、英語学習の一通りの流れを抑えることができるようになる。両者の会員をあわせると系200万人超となり、世界有数の英語学習プラットフォームが誕生することとなる。


 「ラングリッチ」は2010年に創業。Skypeオンライン英会話事業の先がけでフィリピンのセブ島に講師陣を雇用し高品質なサービスを提供。ヒトメディアグループおよびKlab Ventures、そして個人投資家らが資本参加していた。


 一方の「イングリッシュセントラル」は、ほぼ同時期の2009年9月創業。TEDやオバマ大統領のスピーチなどの演説動画、ディズニー・ピクサーなどのアニメ動画、テイラー・スウィフトやレディ・ガガなどのハリウッドセレブのインタビューまで1万本を超える動画素材を中心に、自己学習を主体に世界4万人の教師がサポートするというもの。音声認識などの技術も積極的に取り入れるEdTechらしい事業モデルで、Google VentureやNTTインベストメント・パートナーズといった国内外著名ベンチャーキャピタルからも資金調達を実施している。

ヒトメディア森田氏は米EnglishCentralボードメンバーに

 「イングリッシュセントラル」には、Android OSをGoogleに売却したRich Miner 氏がGoogle Ventureとして投資のみならずボードメンバーに経営に参画しているが、ここに、ラングリッチの親会社であるヒトメディア 代表取締役社長兼CEO 森田正康 氏もボードメンバーに加わることになる。森田氏は、アルクの役員としてエデュケーション領域の事業を成長させた実績があり、また教育分野の研究者としても活動を意欲的に続けている人物。まさに、単なる株式取得の事業合併ではなく、両者はパートナーシップを締結することで世界一位の英語学習サービスになろうとしていると言えるだろう。

 では、なぜラングリッチとイングリッシュセントラルは合併に至ったのか、その目論見についてヒトメディア代表取締役社長兼CEO 森田正康 氏に聞いた。

「国内オンライン教育の市場でDMM、レアジョブがリードしている中、ラングリッチはずっと3番手でした。しかし、安さではなくクオリティを重視する運営を続けていたため、拡大する上でもクオリティが下がるような拡大をしたいとは思っていなかったんです。しかし、世界中のユーザーにハイクオリティなサービスを提供しているイングリッシュセントラルであれば、ラングリッチの既存ユーザーにとってもプラスになる。

 さらに結果として合併により200万人を超えるユーザーを抱える国内筆頭の語学サービスになることができるわけですが、世界最大級のサービスへと加速することができる。そう考えました。

 2サービスの今後ですが、単純に2つのサービスを並べるのではなく、両社のユーザーのプラスになる座組を検討したいと考えています。今後2つのサービスが統合することで、イングリッシュセントラルの予習・復習や学習管理の要素をラングリッチに組み込むようなことができれば、よりユーザーの語学習得スピード早めることができると信じています」(森田氏)

オンライン語学学習市場に挑む

 そもそも、森田氏は経営者としてではなく、純粋な投資家としてラングリッチに参画しており、今回の買収についてもボードメンバー就任の打診について「最初は断ろうと思っていました」という。

 「オンライン語学学習の市場は、どんな投資家も可能性を感じているというのに、どこを見ても1000億円のバリューの企業がまだ存在していないんです。

 ところが、イングリッシュセントラルのボードメンバーにAndroid OSをgoogleへ売却した経験があり、Google Ventureの設立パートナーになったマイナー氏など非常に面白い経営陣が就任しており、このメンバーの一員として、世界に通用するオンライン語学学習サービスを作っていければと感じたんですね。

 オンライン語学学習の市場は、ある意味、可能性があるのに誰もたどり着いていない市場とも言えます。なので、ぜひこのメンバーで、そこを目指したいと思っていますし、このメンバーであれば不可能ではないと信じているんです」(森田氏)



【関連URL】
・ヒトメディア
http://hitomedia.jp
・ラングリッチ
http://www.langrich.com/
・EnglishCentral
http://ja.englishcentral.com/

蛇足:僕はこう思ったッス
 オンライン教育市場に寄与し、教育について多様な角度から研究を続けてきた森田氏。マイナー氏とのコラボレーションにより、どんな創造性が発揮されるか注目したい。日本初のグローバルベンチャーであるラングリッチと、米国のみならず世界に注目されるイングリッシュセントラルの合併。これほどワクワクすることはない。
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