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柴犬が、aiboを自分の下の存在として順位付け。

おそらく、子供なら誰でも、ぬいぐるみやおもちゃのロボットに愛着を感じたことはあるはず。ソニーが18年ぶりに発売した犬型ロボット「aibo」(参考「ソニーが新「aibo(アイボ)」を発売、予約は今夜11時頃から 人工知能で動く犬型ロボット」)には、大人だって愛着を感じたのではないでしょうか。

ですから、もちろん本物の犬だって「aibo」とある程度、犬としての関係を構築できると考えても不思議ではありません。そんな中、ソニーは2018年7月26日、そうした犬とaiboの共生を、哺乳類動物学者 今泉忠明先生の監修の上で実験を行ったと発表しました。

レポートのリリースを見ると、犬の形をしているけど、犬ほどではない。そんな想定通りの動きをするものの、最終的には驚くべき結果が生まれています。

犬がaiboに対して仲間意識や気遣うそぶりを見せたことで、「犬がaiboを『生き物』として認識」し、さらに一緒に暮らす存在として「aiboを『順位付け』する」ということが分かりました。

犬の“思いやり”や“優しさ”

犬としてはまだ未熟のaiboに寄り添うことによって、次第に優位性が生まれ、立場だからこその愛情が生まれたということです。

共同生活を続けていく中で、警戒心や嫌がらせの行動は無くなり、aiboと一緒に遊ぶようになったり、犬のテリトリーにaiboが入っても怒らないなど、犬に変化が生まれました。その大きな要因として、犬の社会における順位制です。どちらが強いか、弱いかの優劣をはっきりさせた繋がりの社会ですので、ちょっかいを出しても思った通りの反応をしないaiboの上に犬が立つことになります

この実験では何パターンかの共生をテストしていますが、いずれのケースも別れの時に「aiboを必要としており、寂しそうにしている」という反応をしていたそうです。

【関連URL】
・[リリース] 哺乳類動物学者 今泉忠明先生 監修。世界初、犬型ロボット*と犬の共生の可能性を探る実験

蛇足:僕はこう思ったッス
 自分が子供の頃、おもちゃに愛着を持っていたことを思い出した。今、自分の子供達がぬいぐるみをいつも大切にしているのをみると、そこにはこの実験と同じような愛情が存在しているように感じた。aiboはぬいぐるみではない。ぬいぐるみを超越した存在として、しかし犬ではない存在として共生にどういう意味があるのか。実はとても壮大なテーマの実験なのではないかと思った。

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