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国土交通省が全国初の自動運転サービス実証実験、市道1.5キロを全面通行止め

国土交通省は全国で初めての自動運転サービスの実証実験を栃木県栃木市西方町で開始しました。実験期間の2017年9月3日から9月9日にかけて。午前と午後のそれぞれ約2時間に渡り、道の駅「にしかた」を拠点とした市道約1.5キロに渡り歩行者を含め全面通行止めとするなど大がかりな内容になっています。

この取り組みは、国交省が、高齢化が進行する中山間地域における人流・物流の確保のため、2020年までに社会実装を目的としたもので、今回を皮切りに全国13か所で同様の実証実験を行う計画です。

なお、中山間地域(平野の外縁から山間地までのエリア)は、日本の国土面積の約7割を占めており総農家の約4割を占めているとのこと(農林水産省)。

道の駅を拠点とした自動運転サービス

自動運転サービスの走行ルートは中山間地域に多い「道の駅」をハブに、市役所などを結ぶルート設定。今回の実験では道の駅「にしかた」と栃木市役所西方総合支所を結ぶ市道を約1.5キロを往復するモデルで、起点を含めルート内に3カ所の停車場所を設けているとのことです。

2017年4月、横浜市の金沢動物園での実証実験で用いられたDeNAのロボシャトル

実験で使われているのは、DeNA(ディー・エヌ・エー)社が提供するフランス製のバス型車両で定員は6人。事前に取得した地形データやカメラなどセンサーの情報を元に、GPS(衛星利用測位システム)で位置を特定しながら自動で走行します。

この車両は、横浜市で実験を行った(参考「DeNA、坂道の多い横浜市でロボットバスの可能性を探る」)車両と同じもので、車椅子などへの対応など安全策が施されており、時速は約10キロに制限されています。

実際乗客モニターを乗せるのは9月7日から9日で、当該区間には警備員を配置するほか緊急対応のためオペレーター1品が常時乗車するとのこと。

車両は今回DeNA提供のものを使用していますが、小型バスや乗用車タイプを使った実証実験も今後行う予定だということです。

【関連URL】
・中山間地域における道の駅等を拠点とした自動運転サービス 道の駅「にしかた」において実証実験をスタート
http://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000877.html
・DeNA、坂道の多い横浜市でロボットバスの可能性を探る
http://techwave.jp/archives/dena-will-be-testing-roboshuttle-at-kanazawa-zoo.html

蛇足:僕はこう思ったッス
 地方都市の交通はすでに危機的状況。筆者が住んでいる栃木県宇都宮市は車に依存した郊外型都市であり、運転が不安な高齢者ドライバーの救援策が長年おざなりにされてきた。さらに中山間部となるともはや車がないと生活は無理(免許を返還した高齢ドライバーにはタクシー代を割り引く制度があるが、割引率はたかがしれている)。2020年を前に、やっときたかという印象。将来的に配車ができるバスも計画されているようで、これが実現するのであればかなり多くの人が恩恵を受けることになるのではないだろうか。
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