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モナコインで莫大なプロセッサパワーをつかった重大な攻撃


日本発の暗号通貨であるモナコインに対し、Block withholding attackと呼ばれる攻撃が行われたとして取引所が入金受付の一次停止などの対応を取っています。

この攻撃は、モナコインの取引の信用を担保するブロックチェーンのマイニング(採掘)そのものに対して行われた攻撃で、相当な規模のプロセッサパワーが使われたとみられています。

これによりモナコインでは巻き戻し(Re-Org)が実施されています。現時点では国内の取引所で損失などが出たことは明らかになっていません。

Block withholding attack

モナコインは、ブロックチェーンという非中央集権型のネットワークの仕組みを使い、大量のプロセッサパワーを必要とするマイニング(採掘=演算による承認)に参加する大量のマイナーの承認を受けることでその取引の信頼性を担保しています。

しかし、今回、行われた「Block withholding attack」は、膨大な規模のプロセッサパワーを使い、マイニングの信頼性担保の仕組みそのものを乗っ取ることに成功したと考えられます。

「Block withholding attack」は、ブロックチェーンの承認プロセスを悪用するものと考えられます。以下、マイニングの仕組みなどを踏まえたスライドを参考にしていただければと思います。

モナコインのみならず、暗号通貨の多くはプルーフ・オブ・ワーク(PoW)という大量のプロセッサパワーによる演算が不可欠で、それを乗っ取ることは計算上難しいという理論を採用しています。

この事件の発覚により、PoWまたはそれ以外の方法、対処策などの議論が沸騰すると考えられます。

【関連URL】
・[公式] モナコイン入金の一時停止について

蛇足:僕はこう思ったッス
 暗号通貨の世界は、まるで別次元の現実のように思える。「信用できる」という人こそが信用できず、「安全だ」という評判は真実への道筋をベールで覆ってしまう。その点、今回のPoWへの攻撃は、リアリティがある。ブロックチェーンの非中央集権への挑戦に真っ向から対峙しているからだ。これこそ暗号通貨およびブロックチェーンの乗り越えるべき課題なのだと思う。

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