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今年はすごい Innovation Award 2018 結果速報

oznor

Microsoftが2007年から開催している「Microsoft Innovation Award」の最終プレゼンテーションが2018年4月16日、東京で開催されました。

評価ポイントは「イノベーション (独自性、新規性)」「社会的価値 (Value Proposition)」「インパクト (産業・社会)」「技術的難易度 (ただし完成度は問わず)」の4つ。

日本マイクロソフトのスタートアップ支援プログラムと連動した形で展開されるイベントで、同日行われた学生技術コンテスト「Imagine Cup 2018」とは違ったパワフルなプロジェクトがノミネートされました。

12社のファイナリスト

12社のファイナリストは5分間のプレゼンテーションに挑みます。以下、簡単なレビューをしながら紹介していきます。

株式会社UsideU
人・AI協働サービスシステム「コラボロイド」
マルチデバイスビッグバン、コマースビッグバンの課程の中でインパクトを出せるマルチモーダル(視覚聴覚など複数要素を使った)コミュニケーションアバナーシステム。半教師データをもった完全自動でアバター接客ができるモードと人が介在するハイブリッドモードを展開。すでに導入事例もあるとのこと。

株式会社EmbodyMe
Xpression
表情をトラッキングして写真に反映したモーションを作成できるアプリ。有名人やアニメキャラクターをバーチャルYouTuberのように演じることができる。静止画だけでなく動画でも加工が可能。

Origin Wireless Japan 株式会社
Time Reversal Machine
センサーを使わないIoTを実現。無線の電波を検知し、どこで何が起こっているか、動きや呼吸を検知するという技術。モノの位置は事前学習なしで50cm単位で検知可能。5Gのトレンドを踏まえ、AIでさらに精緻化(2-3cmまで)していく。米国で開発し日本でビジネス展開をしているとのこと。

ストックマーク株式会社
Anews
情報に埋もれている、探すのも難しい。AIがニュースを届けてくれるツール。キーワードを入力、個人やチームに適したニュース30万記事/日からサマライズして届ける。ニュースを分析してビジュアライズ化するなど活用方法も提供。

株式会社エイシング(AISing)
エッジライトコンピューティングを実現する機械学習AI「DeepBinaryTree」
機械制御とAI、両方のエキスパートによるIoTエッジデバイス向け機械学習AI。パラメータ調整が不要で、エッジ側とクラウド側を統合した動的な追加学習が可能。軽量実装ができるためRaspberry Pi3などでもリアルタイム学習か可能。1000億から2兆弱の市場を狙う。

株式会社アラヤ
ニューラルネットワークの演算量削減・高速化技術
映像の分析などは高価なワークステーションなどで行われることが多い一方で、スマホや車、家電などに搭載するニーズが高まっており、こうしたエッジデバイスでの処理が課題になっています。アラヤの技術は情報量を落とさずに深層学習に用いるフィルタを圧縮する方法を採用することで、制度を落とさず演算量を削減することに成功。1/10から1/50で対応可能にする。

メタルテック
SongsLink
協調フィルタリングのリコメンドが多く使われている現在、音楽などは人気の曲などばかりが取り上げられてしまう。この音楽プレイヤーは音楽的特徴だけを評価してリコメンドする。再生中のフレーズ単位でレコメンドされる曲がどんどん変わっていく。

株式会社データビークル
Data Diver
ベストセラー「統計学は最強の学問である」の著者西内啓がデザインした「データサイエンス」ソフトウェアツール。業務データから分析用データを自動生成し、「意味ある要因(変数)」を自動探索、分析結果を提供し、分析から行動指針策定、データ整備機能などをワンストップで提供する。

株式会社コージェントラボ
「Kaidoku」
仕事効率化ツールの導入による必要な情報検索がしづらくなる傾向にある。そこでNLU(Natural Language Understanding)という新技術を使い複雑な自然言語情報を解析し検索しやすくするというもの。多様なクラウドサービスに収められた情報は内容や意味で検索するだけでなく、情報間の関係性分析を行うことができるようになる。

MDR株式会社
wildcat
量子コンピュータの実行環境をSaaS型で提要。Python SDKから量子・古典ハイブリッド環境が構築できる。

DVERSE Inc.
SYMMETRY
3DCAD データを読み込ませるだけで簡単にVR空間が作成出来るツール。すでに105か国で利用されているソフトウェア。空間内に入り込むことができるため空間・建築デザインの世界で多く使われている。現在、3DモデルをAIによって自動認識して自動処理をしたりする機能を開発中。

株式会社Liberaware
LAPIS (Liberated Activation Platform for Information Strategy)
GPSが使えない環境で小型産業用ドローンを活用するための環境データを作成するAI解析システム。屋内施設やインフラなどのメンテナンスなどに利用可能。クラウドとエッジコンピューティングのシステムを活用。

白熱の2018年、優勝チームは?

まずスポンサー賞から。Orange Fab Asia賞は「株式会社Liberaware」。サムライインキュベート賞も「株式会社Liberaware」。PR Times賞は「DVERSE Inc.」。プロトスター賞は「MDR株式会社」。弥生賞は「株式会社データビークル」。G’s ACADEMY賞は「株式会社コージェントラボ」。Softbank Technology賞は「株式会社アラヤ」。東京エレクトロンデバイス賞は「株式会社Liberaware」。三井不動産賞は「株式会社Liberaware」になりました。

会場参加者からの投票によるオーディエンス賞は「メタルテック」。

・・・・

優秀賞は?

「株式会社エイシング(AISing)」

最優秀賞は・・・・・?

「株式会社アラヤ」

でした。おめでとうございます。

【関連URL】
・[公式] Innovation Award 2018 – Microsoft

蛇足:僕はこう思ったッス
 人工知能から統計、量子コンピュータ、ドローン、VR、エッジコンピューティングまで先端技術のさらに先を行こうとするプロジェクトのオンパレード。正直あまりにも深い話でついていけないこともあったっす。「イノベーション」。そんな言葉を超えたものが出たか?簡単には答えられないくらい幅のあるコンテスト内容だったように思う。

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