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米Snap、上場後初の四半期決算 次の一手は?

カメラアプリ「Snapchat」やカメラ付きサングラス「Spectacles」を展開する米Snap,Incの2017年第一四半期決算が2017年5月10日に発表となりました。2017年2月2日の新規株式公開(IPO)直後の決算とのことで注目が集まっています。


発表によれば収益は前年同期比の286%増加の1億4964万ドル。米投資家の予測を下回ったため、発表直後からSnap(NYSE: SNAP)の株価は下落しています。

日ごとのアクティブユーザー(DAU)は1億6600万ですが、IPO時にSECに提出された申請書では(新たな成長ストーリー=米Snapが上場へ、申請書で解ったこと @maskin)、2016年12月時点のDAUは1億6100万であるため、前四半期からの成長は5%程度とみられています。2016年Q3に投入した「instagramストーリーズ」以降DAUが伸び悩んでいると明記されており、その払拭には至っていないと思われます。

ユーザー毎の収益の平均(ARPU)は、前年同期比181%増の0.90ドル。但し、前四半期(2016 Q4)は1.05ドルで14%減少しています。研究開発費用が、前年同期比のおよそ29倍の8億0584万ドルに、また、販売&マーケティング費用が15倍の2億1973万ドルとなっているなど、新たな成長の源泉探しに躍起なっていることがうかがえます。

Snapの次の一手は?

Snapは、ユニークなカメラアプリで成長したというよりは、さまざまなソフトウェア&ハードウェア分野の企業を買収することでチーム全体を成長させてきたといえます。

有名なところ時系列で並べただけでも、いかにSnapが外部のチームを取り込むのがうまいのかが理解できます。

カメラ付きサングラスSpectablesの元を開発した「Vergence Labs」(2014年12月買収)
顔写真にいたずらするレンズ「Looksery」(2015年9月買収)
アバターツール「Bitstrips」(2016年3月買収)
モバイル検索「Vurb」(2016年8月買収)
広告CMS「Flite」(2016年12月買収)
ARプラットフォーム「Cimagine Media」(2016年12月買収)

【関連URL】
・Snap Inc. Reports First Quarter 2017 Results
https://investor.snap.com/news-releases/2017/05-10-2017-210059250
・新たな成長ストーリー=米Snapが上場へ、申請書で解ったこと @maskin
http://techwave.jp/archives/snap-inc-registration-s-1-form-24891.html

蛇足:僕はこう思ったッス
 現時点では次の一手が見えていない状態、ということにはなるが、今後も企業買収によるチーム再編が行われるのは間違いなさそう。ただ、IPOして情報開示が義務づけられるということは、Snap社が得意とする「人々を驚かせる」手腕が発揮できる領域が限定されてしまうのではないか?という懸念がある。そこをどう乗り越えられるのか、また、現時点ではDAUのほとんどをアメリカとヨーロッパだけが締めている状態をどう拡大できるかという点が今後の成長に関係してくるだろう。
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