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Snapmart(スナップマート)はスマホ写真を売買可能にするアプリ 【@maskin】

 「あれ、その写真いいね、どこのデジタル一眼レフ?」という質問は愚問だ。スマートフォンのカメラは想像を絶する進化を遂げ、誰もが片手で美しい映像を撮影することができるようになっている。写真や動画は、もはや高級カメラオーナーのものではない。行動力とセンス、そして偶然がオンリーワンの映像を生み出す要素となっている。

 ただ、そんなスマホ写真の行き場が多様かというとそうでもない。InstagramやFacebook、LINEなどのソーシャルメディア上のコミュニケーションの媒介として写真を共有することはあっても、自分の力作が予想外の価値を帯びるという機会がほぼゼロといってもいいだろう。その何気ないスナップが多大な価値を帯びるのだとしてもだ。

 友達とふざけあっている写真を買う人がいるのだろうか?ブレた建物の写真を欲しがる人がいるのだろうか?そんな当然の疑問も「Snapmart(スナップマート)」を使えば払拭されるかもしれない。

スマホ写真を出品することで個人や企業の買い手がつく

  オプトグループのオプトインキュベートが提供を開始した「Snapmart(スナップマート)」は、スマホに保存された写真を100円から2000円で販売できるというアプリ。個人認証や有料プラン使用かによって設定できる価格に差がでる仕組み。

 仮に商標などが含まれた写真であっても、その商標権利保有企業が直接買い取れるような仕組みも準備中だ。

 発案者である江藤美帆 氏はその可能性をこのように話す。

 「今の時代にフィットした “クリックされやすいクリエイティブ” を作るために、ネットに落ちているようなスナップ写真を広告などに使用したいというケースはたくさんあると思うんです。しかし、一般のユーザーが投稿した写真を使用するための手段が存在しませんでした」

 スマホ写真を出品して売れた場合、設定した販売代金の50~70%が出品者の収入となる。企業がお題を決めて写真をコンテスト形式で募集することも可能で、その場合は入賞賞金は全額出品者のものになる。

 スマホ上で手軽に出品できる分、第三者の作品がコピーされてしまう可能性も考えられるが、エントリー時に「本人確認済み」や「モデルリリースあり」という確認を行うほか、利用者による通報や運営側によるチェックも行う。

 また、キャラクターやロゴなどの知的所有権が含まれている写真については、画像解析により自動で当該所有者だけに販売オファーをする仕組みもある。権利侵害の回避につながるだけでなく、「自社のアイテムを所有するユーザーさんの写真を集めて広告に使用する」というったことが可能になる。この画像解析は、表情や文字の認識、不正画像の判別などにも応用されるとのこと。

 「Snapmart(スナップマート)」はこうした「個人のスマホ写真」を企業が広告素材として利用できるような市場形成を目指す。3年後、一般ユーザーの写真投稿数3億枚、売上25億円を目標としている。

【関連URL】
・Snapmart(スナップマート)
https://snapmart.jp/
・APP Store
https://itunes.apple.com/jp/app/id1087206878?mt=8
・株式会社オプトインキュベート
http://www.opt-incubate.com/

蛇足:僕はこう思ったッス
 フォトストックサービスの「ピクスタ」が10周年を迎え、ソーシャルプリクラの「Snapeee」の運営会社マインドパレットが清算することなったこのタイミングで「スナップマート」が正式にリリースなった。商用フォトストックと個人のスマホ写真のはざまにあるのがスナップマート。個の時代と言われつつも足かせがはめられたすべてのスマホユーザーおよびクリエイティブのボーダーが今、解き放たれようとしているのかもしれない。
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