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ソフトバンクグループはサウジアラビアの公的投資資金「PIF」などの支援を受け世界最大のプライベートエクイティファンド(Private Equity Fund)「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を設立しました(米報道)。総額は930億ドル、日本円(1ドル=111.4円)換算で10.3兆円、世界最大規模のエクイティファンドです。
投資分野は人工知能やロボットを中心に、モバイル・コンピューティング、通信インフラストラクチャー、コンピューター生物学、消費者向けインターネットビジネス、FinTechなどを対象としています。
ソフトバンクグループの孫正義氏は、サウジアラビアの公的投資資金「PIF」と共に昨年2016年10月にファンドの計画を発表。ソフトバンクが280億ドルを出資、サウジアラビアPIFは450億ドルを支出すると報じられていました。ファンドには、両者以外に、米アップル、クアルコム、台湾Foxcomm、日本からはシャープなどが出資しています。同ファンドでは、新興技術企業の未公開・公開株を取得し(マイノリティ・メジャー問わず)、経営に関与して企業価値を高めた後に売却する狙いがあります。
サウジアラビアの投資家や、欧米からの出資を取り付けたソフトバンクグループ 孫正義氏の手腕に注目が集まっています。大方の見方は「スプリントとアーム・ホールディングス(ARM)の買収で現金が不足しているから」と論じています。実際に、ソフトバンクグループの出資280億ドルのうち82億ドルはARMの株を現物出資という形で、株式の25%をソフトバンクビジョンファンドに移管する計画です。
ただ、ソフトバンクグループは今後の100億以上の新規投資は原則ビジョンファンド経由にすると発表(2017年5月10日の決算会見)しており、人工知能やロボットなど、人類がかつて経験したことのな無いほどの急成長が予見されている状態の中で、この変容に大きく賭けたいという意欲が介在したのは間違いなさそうです。
米Wall Street Journalは、サウジアラビアのモハメド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)副首相が石油依存を超えて金融から技術まで多様な成長産業を取り入れたいという野心があることを報じています。実際に彼はPIFから米Uberに35億ドルの投資を主導しています。こうした二人の野心がソフトバンク・ビジョン・ファンド、ひいては世界の技術産業全体に影響を及ぼすのは間違いなさそうです。
【関連URL】
・Softbank-Saudi tech fund becomes world’s biggest with $93 billion of capital
http://www.reuters.com/article/us-softbank-visionfund-launch-idUSKCN18G0NP