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ファッションの未来はどうなるか?…デジタル化の先を見るソニーの展示会「eBoutique 2020」 【@maskin】

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 “人” という軸で時代の変遷を追う上で、著しい変化を確認できるのはファッションではないだろうか。“未来のファッション”をイメージすると、必ずといっていいほど登場するのは、最小限の装飾で構成された極限までシンプルなデザイン。実際、近代においてファッションはゴテゴテしたものからシンプルになっていくのをリアルタイムで感じられる。着ていることすら感じさせないものや、IT業界のコスチュームともいえるTシャツといジーンズなど、未来的なファッション象徴ともいっても過言ではないだろう。

 一方で、大きく変化したのは、ファッションに込められた意味に価値を求めるようになったということ。Tシャツにプリントされたデザイン、カラーパターンをカスタマイズできるスニーカー、極限まで記号化されたバッグ、スマホ連動の時計、そのアイテムを着用するスタイルそのものが価値を帯びる現象。ファッションの背後にある価値に注目が集まっている。

 よくよく考えてみると、近年のファッションに欠かせないのはデザインと素材のように思えてくる。デザインTシャツやカスタマイズ可能なスニーカーのヒットなどはその象徴だ。ソニーの新規事業創出プログラムとクラウドファンディングから生まれた「柄が変わる時計FES Watch」などもその際たる例だろう。

 ソニーはこの「FES Watch」を単一のプロダクトと考えていない。そもそもFESはFashion Entertainmentsの略語で、未来のファッションをテクノロジーで変容させようというスタートアッププロジェクトなのだ。

ソニーFESのコンセプト展示「eBoutique 2020」

そんなFESプロジェクトは、2016年7月30日から、東京・銀座でコンセプト展示会 「eBoutique 2020」を開催する。概要を見る限り、ファッション素材としての電子ペーパーの可能性を追求する、そんな内容だ。

例えば冒頭の写真は、ハンガーにかけられたシャツ型の電子ペーパーで、色・柄・形・質感の4つのテーマに基づいて加工されたもの。これらがどのようにファッションデザインに影響を与えるか体験できる展示となっている。

この展示会では、これ以外にも、FES Watchを筆頭に眼鏡、チョーカー、バッグ形状といった電子ペーパーのデザイン応用例を多数展示する。

■eBoutique 2020 概要
・特設サイト :http://fashion-entertainments.com/event/eBoutique2020/
・開催期間 : 2016年7月30日(土)~9月30日(金)予定
       ※9月5日(月)のソニービル休館日を除く
・営業時間 : 11:00~19:00
・住所   : 東京・銀座 ソニービル 5F「ソニーイノベーションラウンジ」5Cフロア
       〒104-0061 東京都中央区銀座5-3-1  http://www.sonybuilding.jp/access/
・フロア案内 : http://www.sonybuilding.jp/sr/sony_il/index.html



【関連URL】
・コンセプト展示「eBoutique 2020」
http://fashion-entertainments.com/event/eBoutique2020/

蛇足:僕はこう思ったッス
 たかがファッション一つで人生なんてものは大きく変容してしまうもの。ファションはアートでありながら人間を舞台とした壮大な実験場だと思う。配色やカラーパターン、ちょっとしたモチーフ、それらすべてが雄弁に語るのがファッション。昔、パンクロッカーが新聞の切り抜きを安全ピンで洋服に留めているのを見た時、ちょっとした衝撃を受けた。そこの書かれている記事はスクラップになっており、彼らの哲学を代弁していたからだ。そんな文脈で考えるとこの取り組みは本当に興味深い。電子ペーパーを組み込んだだけ、と揶揄する人もいるかと思うけど、実際、デザインや質感、そこに込められた情報が変化するインパクトは想像以上だと思う。
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