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ソニー、93言語に対応した「SSTフォント」を独自開発 【@maskin】


[読了時間: 2分]

 急速に普及するタッチパネル・ディスプレイを搭載したスマートデバイス類。

 おそらく近い将来、触れないディスプレイに誰もが違和感を感じる時代が来ると思うし、コンピューティングそのものの意味が変容し始めるとも考えられる。

 米Appleにしても米Microsoftにしてもタッチ型OSにおいて書体/フォントのあり方をかなり重視しているのはご存知の通り。やたらと見やすく、タッチしやすいあれだ。

 そんな中、ソニーが、次世代デバイスに採用する目的で独自のフォントを開発した。







 その名は「SSTフォント」。

 小さなディスプレイでも見やすく、「あらゆるタッチポイントでソニーならではの共通の感動体験を提供」するために、ソニー全体で使用するコーポレートフォントという位置付け。

 これまで使用してきたHelveticaフォントの硬質な印象を継承しながら、日本語はもちろん、世界93言語で共通の体験およびコミュニケーションを可能にするため、その世界観から歴史までを踏まえた壮大なチャレンジをしているのが特徴。

 「SSTフォント」は、すでにソニー商品のパッケージや説明書などの紙媒体、ウェブサイトなどでもが導入され、今後プレイステーション4、ブラビアやXperiaなど全てのプロダクトに採用されていく。

 タイプディレクションはモノタイプ社 小林章 氏が手がけている。


欧文書体で120年の歴史を持つライノタイプ社のタイプディレクターとして 2001年よりドイツに在住。同社は 2013 年 3月よりモノタイプ社と改称。主な職務は、書体デザインの制作指揮と品質検査、新書体の企画立案など。有名な書体デザイナーであるヘルマン・ツァップ氏やアドリアン・フルティガー氏と共同で書体制作も行っている。欧米や日本での講演多数、コンテストの審査員もつとめる。
著作:『欧文書体:その背景と使い方』『欧文書体2:定番書体と演出法』『フォントのふしぎ ブランドのロゴはなぜ高そうに見えるのか?』(いずれも美術出版社)

・ブログ デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」
http://blog.excite.co.jp/t-director/





【関連URL】
・Sony Japan | Sony Design | Design Projects | SST Type Project
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/design/works/projects/sst-font/



蛇足:僕はこう思ったッス
自分が知る限りおそらく一企業がここまで大量のタイポをゼロから開発したのは始めて。タッチデバイス趨勢時代になると、タッチポイントにある書体の微妙な表現がUXそのもに大きな影響を及ぼすのだが、なかなかそこまで理解してプロダクト開発をしている人は多くないのが現状。世界展開企業でソフトもハードもあるソニーならではの、コーポレートブランディングにおけるエポックメイキングな事例と言ってもいいように思える。
著者プロフィール:TechWave 編集長・イマジニア 増田(maskin)真樹
8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。1990年代はソフト/ハード開発&マーケティング → 海外技術&製品の発掘 & ローカライズ → 週刊アスキーなどほとんど全てのIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの起業に参画。帰国後、ブログCMSやSNSのサービス立ち上げに関与。坂本龍一氏などが参加するグループブログ立ち上げなどを主導した。ネットエイジ等のベンチャーや大企業内のスタートアップなど多数のプロジェクトに関与。生んでは伝えるというスタイルで、イノベーターを現場目線で支援するコンセプト「BreakThroughTogether」でTechWaveをリボーン中 (詳しいプロフィールはこちら)

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