サイトアイコン TechWave(テックウェーブ)

2018年2月に日本参入、カンバン形式タスクボード「Trello(トレロ)」の魅力とは?ChatWorkやQuiita:teamと連携可能

豪Atlassian Corporation Plc(アトラシアン)は2017年11月16日、チームの生産性向上を目的としたタスク掲示板サービス「Trello(トレロ)」の日本での正式展開を表明しました。

Trello(トレロ)は2011年に登場。プロジェクト単位で作成する“ボード”に、関連するメンバーやタスク、ドキュメントなどを登録し効率よく管理ができるマネジメントツールです。SlackやEvernote、Goodle Docsといった生産性共有ツールとの連携が可能で、全世界で2500万人の登録ユーザーを抱えています。2017年2月に豪アトラシアンが4億2500万米ドルで買収しています。

日本国内では2018年2月より提供開始する予定で、日本語化はもちろん、専属のサポートチームも新設、Qiita:TeamやChatWorkを初めとしたチームコラボレーションツールとの連携プラットフォームも拡充する計画です。

カンバン形式のタスクボード

Trello(トレロ)は、トヨタの生産性向上手法「かんばん方式」に通ずる「カンバン」を主体としたタスク管理ツールです。

タスクを投げ込むことで、誰もがチームが抱えるプロジェクトの進捗状況などを一目で理解できるようになっています。このスナップショットのようにボードには自由に名前を付けることが可能です、「リソース」や「やること」「作業中」といったざっくりとした名前はもちろん、製品開発プロジェクト名や今後開催するイベント名、メンバーとのオススメランチ情報を共有するといったことも可能です。

カンバンというよりは、空港や駅の運行案内板のような情報ツールといったほうが適切かもしれません。

分散するコミュニケーションを集約

Trello(トレロ)は、単なるTo Doリストとは違います。関係するメンバーをボードにアサインすることで、プロジェクト単位のコミュニケーションを可能にするだけでなく、その進捗状況を共有することが可能です。また、各種ファイルを添付したり、「Power-up」という追加機能を使って、SlackやEvernote、Google Docs、Githubなどから関連情報を引っ張ってくることが可能です。

また「Power-up」では、ボード内のコミュニケーションを外部ツールと連携させるなど、既存のチームワーク用プラットフォームからの乗り換えの必要なく導入するような機能も用意されています。無料プランでは「Pouwer-up」機能を1つまで使えますが、それ以上連携したい場合は月額9.99ドルのプランに加入する必要があります。さらにセキュリティレベルやサポートが充実したエンタープライズプランも用意されています(日本向けプラン詳細は現在未定)。

アトラシアンは欧米で主流となっているタスク管理ツール「Jira」や「Bitbucket」といった協調作業のためのツールを多数リリースしています。2013年に横浜に日本の拠点を設立しており、今後、国内のTrelloユーザー拡大に注力したい考えです。

【関連URL】
・Trello(トレロ)
https://trello.com/japan
・アトラシアン社
http://ja.atlassian.com

蛇足:僕はこう思ったッス
 日本と欧米の仕事の進め方の最大の違いは、このタスクの処理状況の掌握にあると思う。日本では、一部の人しかタスクの進捗を把握していなくても気にしないばかりか、それで良しとする傾向がある。欧米ではプロジェクトチームにおける決議は全員参加が当たり前、「あ、その話は、こっちで進めておいたから」というのは能力の低い人物というレッテルが貼られる。これは人権感覚のレベルによるものだと思うのだけど、一部の人のやりたい放題を許す風潮はそれ以外のメンバーのやる気を削ぐのは当たり前の話。実際のところ「社員のやる気」という調査では(米ギャラップの2014−2016年調査)、調査した139か国中、 日本の社員の熱意は132位という低さになっていたりするのでかなり問題だと思う。Trelloはサービス開始時からとても注目しているが、日本でいくら啓蒙しても使いたがらないケースばかり。特に最近ではフロー型のSlackを標準にして、プロジェクトタスクの進捗共有はやってない、といわれることがとても多い。当然ながら大切なタスクが埋もれることが多いわけで、それなのに生産性の低さに課題感があるというのは矛盾だと思うのだけど。Trelloはトヨタのかんばん方式そのまんまというわけではないけれども、人とコトの流れをプロジェクトのカンバンに集約することで知的創造を効率化してくれるものだと思う。是非日本でも浸透してもらいたいと思う。
モバイルバージョンを終了