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電話のコミュニケーションをAPIで制御するクラウドサービスを展開する米Twilio社(日本ではKDDI ウェブコミュニケーションズが展開)。同社がアメリカ・サンフランシスコで現地時間の2017年5月24日から25日にかけて開催している開発者向け会議「SIGNAL」では、さまざまな新サービスの発表が行われています。
発表内容を見る限り、これまでの「Twilio=電話API」というイメージは払拭されつつあります。先日発表されたFAXへの対応に始まり、テキストメッセージや動画などあらゆるコミュニケーションを取り込もうとしていることがうかがえます。特に、SIGNAL初日に発表されたSNSメッセージを統合的に送受信できるAPI「Twilio Channels」は、新しいTwilioを象徴する内容になっています。
Twilioは昨年2016年にFacebookメッセンジャーのメッセージを送受信するAPIを公開していますが、今回「Channels」の発表によりFacebook以外にもLINE、Twitter、Amazon Alexa、Slack、Viber、SendGrid、HipChat、Kikに対応しました。さらに近日中に、WeChat、BlackBerryメッセンジャーにも対応するとのことです。
これまでは、アプリなどから各メッセンジャーとコミュニケーション(送受信)するには、それぞれのAPIを使うなど連携の仕組みを構築する必要がありました。「Twilio Channels」が提供するAPIを利用すれば、対応するすべてのメッセンジャーサービスと情報の送受信をすることができるようになります。
Twilio Channelsを使うと何ができるのか
Channelsは、Twilioが提供しているAPI「Notify(プッシュ通知)」「プログラマブル SMS」、新発表の「Proxy」(匿名でやりとりできるコミュニケーションAPI)などで利用することができます。それぞれのAPIの詳細は各ページへのリンクを確認してもらえればと思います。
それらのTwilio APIとChannelsを組み合わせると何ができるのか、Twilio公式ブログではこのような例が公開されています。
■Channels + Notify
さまざまなメッセージングサービスにプッシュ通知を送付することができます。SlackやLINE、Amazno Alexaで音声通知を流すこともできます。
■Channels + Proxy
Proxyは今回のイベントSIGNALで発表されたばかりのAPIです。匿名でメッセージのやりとりができるというものです。例えば、フリマで買い手と売り手が対話する場合に利用できます。最大のポイントはChannelsを利用することで、それぞれ別のサービスを利用していても一つのメッセージングスレッドで匿名対話ができるようになります。
■Channels + TaskRouter
TaskRouterはタスクを振り分けるAPIです。ユーザーサポートなどで発生したワークタスクを担当に振り分けるものです。Channelsを使うことで、さまざまなメッセージングサービスをつかう顧客にシームレスに対応することができます。
以上このように「Twilio Channels」は、アプリやウェブなどでサービスを展開する企業にとって、強力な武器となりそうです。TwilioのイベントSIGNALについては日本時間の2017年5月26日にかけTechWaveでカバーしたいと思います。
【関連URL】
・Twilio Channels : 複数のアプリ間でのメッセージ送受信を可能にするAPI
https://twilio.kddi-web.com/blog/developer/entry000316.html