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ティファニー ブルーボックス、復活の秘密はどこにある? 【米国マーケティング新潮流を追う!vol.1】

変化が著しく、かつ様々な分野において最先端の取り組みがなされるアメリカ。ここでは、在米30年で、これまで数々の日系企業の米国進出をサポートしてきた、MIW Marketing & Consulting Group,Inc. の代表 岩瀬  昌美氏による現地レポートをシリーズでお伝えします。売り場、現場の最前線で何が起きているのかはもちろん、いまなお米国に在住しているからこそ分かる生活者の反応や日本市場との対比なども交えてお届けします。

初回、米国を代表するラグジュアリーブランド、ティファニーの近年の躍進について伝えます。

オンラインとオフラインの使い分で幅広い世代を取り込む

ほんの数年前までティファニーはほとんど “オワコン”状態でした。2017年には2年続けてセールスもダウンするほど。それが今では売上もイメージも右肩上がりの大復活! その理由はどこにあるのでしょうか?

そもそもミレニアル世代にとっては、お母さんのブランドだったティファニー。HARDWEARブランドでレディ・ガガを使った、ニューヨークのストリートをイメージした戦略をオンラインでメインに打ち出したときには、私自身「大丈夫かな、ティファニー? 既存の5番街のマダムが離れていかないかしら」と危惧しました。しかし、お店の中はいつものブルーでバブリーな5番街のラグジュアリーなティファニーのままで、そこはブレ無し。そこはさすがと思う一方で、広告戦略は take the formality out of luxury. と宝石箱にしまっている宝石でなく、日常に使うアクセサリーとしてミレニアル世代に訴求するとがった戦略でした。

お値段は2000ドル以上とミレニアル世代が簡単に買える価格ではありませんが、このHARDWEARシリーズ、実はデビューから半年以上売れ切れ状態が続くほどの人気でした。
私は偶然にも店頭販売の日、ウインドウに飾ろうとしていた HARDWEAR のイヤリングを無理やりサンタモニカのお店でゲット。その後、しばらくはどこに行っても“どこで手に入れたの?”と会う人ごとに質問責めにあい、今なおどこに行っても“素敵”とお褒めの言葉をいただきます。PR戦略が優れているだけでなく、ストリートでありながら私のようなジェネレーションX世代のビジネスな装いにも決まる驚きの商品力なのです。

そして先月は、お騒がせキム・カーダシアンの妹で、最年少ビリオネアとしてForbesの表紙になったカイリー・ジェンナーの姉でもある、世界で一番稼いでいるスーパーモデルのケンダル・ジェンナーがティファニーの顔に! この夏、ミレニアル世代から一気にジェネレーションXへの攻勢をかけるティファニー。今年の勝負から目が離せません。

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