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WEWORKの次に行き詰まりに陥った元・ユニコーン企業と予想されるドミノ効果【米国マーケティング新潮流を追う vol.10】

変化が著しく、かつ様々な分野において最先端の取り組みがなされるアメリカ。ここでは、在米30年で、これまで数々の日系企業の米国進出をサポートしてきた、VUELOO inc. COO&CMO の岩瀬昌美氏による現地レポートをシリーズでお伝えします。売り場、現場の最前線で何が起きているのかはもちろん、いまなお米国に在住しているからこそ分かる生活者の反応や日本市場との対比なども交えてお届けします。
10回目は、最近第3四半期の業績発表が続いている米国の状況について、特に上場を果たした元・ユニコーン企業の業績について伝えます。

デリバリーTOP4の一角が業績不振を表明

アメリカでは第3四半期の業績が出始めていますが、目立っているのはWEWORKの失速と共に、上場を果たした元・ユニコーンの失速が始まりつつある状況です。2014年に上場を果たしたフードデリバリーの老舗GRUB HUBは今期の不調のみならず、現在のビジネスモデルだけで利益を上げ続けるのは難しい。あと何年もないという声明を出した。

TOP4社で実に95%ものマーケットシェアを握るデリバリー業界、その一角であるGRUB HUBがつまずくことになると、ドミノ連鎖が起こる可能性があり、もしそうなるとアメリカのレストランビジネスそのものが深刻な事態になるのは明白です。

11月1日のL.A.タイムズによると、ハワイでいつも長蛇の列ができていて日本人に大人気のチーズケーキファクトリーは、店外での収益が16%を占め、そのうちの35%をデリバリーサービスが占めているという。私が週末にテイクアウトをするカリフォルニアピザキッチンでもテイクアウトカウンターには実際のお客様よりデリバリーのお客さんの方が多いことがままあります。

デリバリーというビジネスモデルで利益が未来永劫出ないとなると、今のアメリカの投資家はWEWORK以降、利益の出ない元・ユニコーンに更なる投資をしなくなるということが起こりえます。

第一次ITバブルだったころ、私はニューヨークのKOZMO.COMという、オンラインオーダーができて、1時間以内に配達するという、当時としては画期的なビジネスモデルの企業に勤めていました。しかし、忘れもしない2001年の4月14日、幹部のみが呼ばれ「投資家がもうこれ以上投資しないので、明日をもってわが社は倒産します」と言われたのです、、、
コズモは15もの州にわたってビジネスをしており、そのうち7つの州では黒字になっていたので、そこだけでビジネスを継続するというチョイスもあったはずですが、そうはなりませんでした。大きく儲からないビジネスに対する投資家の見切りは早いのだ、ということを身に染みて理解したという経験があります。

2020年はアメリカの景気は下向きになるという予測も多いため、デリバリーを手掛けるユニコーンの一挙手一投足から目を離せない今日この頃です。

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