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CES参加の有力参加者は展示会場にはいない?!【米国マーケティング新潮流を追う vol.12】

変化が著しく、かつ様々な分野において最先端の取り組みがなされるアメリカ。ここでは、在米30年で、これまで数々の日系企業の米国進出をサポートしてきた、VUELOO inc. COO&CMO の代表 岩瀬昌美氏による現地レポートをシリーズでお伝えします。売り場、現場の最前線で何が起きているのかはもちろん、いまなお米国に在住しているからこそ分かる生活者の反応や日本市場との対比なども交えてお届けします。
12回目は、日本からも毎回多くの人たちが参加し、注目度も高まっているCESについてのレポートです。

いまやあらゆる業界の最新テクノロジー見本市

CESと言われて思いつくのが「Consumer Electronic Showでしょ」という方、時代に乗り遅れています。ケンタッキー・フライド・チキンがフライドと言う言葉を使いたくないので、KFCとリブランドしたようにCESはELECTRONICSを捨てて「CES by Consumer Technoloy Association」とサブタイトルを変えています。そのため、CESではオートショウのように新車発表がCESであったり、ドローンがたくさん出展されていたりします。変わったところでは、プラントベースの肉を一切使用しないインポッシブルバーガー(Impossible Burger)がPRの場として選んだのもフードの展示会でなく、このCESでした。

このようにCESは今、メディア、エンターテイメントとマーケティングの一大トレードショウになっており世界有数企業のCレベル人材も多数来場しています。私は、この2日間、Cレベルの人たちしか入れないゾーンに立ち入ることができました。そこで話したところ、「この4~5年毎年来ているけど、コンベンションセンターには一度も行っていないよ」という人が何人もいたことに驚きました。
では皆さん何に注目してCESに参加しているのでしょうか? それがアフターパーティでの人脈作りとセミナーでのインプットです。
初日に行われたVIP限定アフターパーティー グリーンルームに来ている人もマーケティング業界のCレベルが多かったです、また翌日に行われたSHELLY PALMERの[Tech Trends & Insights 2020」セミナーは大人気で、会場は朝の8時から超満員。参加者は真剣に学んでいました。

つまり、言葉を選ばずに言うと、Cレベル人材にとって「混雑するコンベンションに出る必要はあまりない」ということではないでしょうか? また、展示会場に来ている人の多くは無料参加者ばかりで、業界に関係ない人ばかりというのが、実情なのかもしれません。
来年のCESショウに行こうと考えている方に伝えたいのは、展示会を回るだけならば、日本から飛行機代の価値は半減してるかもしれないということです。本当にビジネスに役立てようとしてCESに行くのであれば、世界のCレベルが登壇するセミナーにきちんと出席する、または直接コミュニケーションが取れるような場に行くことです。もちろん私は、そうした意欲ある日本のマーケテイング・プロフェッショナルの方々をぜひお手伝いしたいと考えています。

■岩瀬昌美氏来日&登壇イベント紹介
DtoC Summit
日時:2月20日∼21日
会場:JR九州ホール(福岡・博多駅直結)
公式サイト:https://d2c-summit.com/

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