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カジノ目的でラスベガスに行くアメリカ人は何%? 日本人が知らない驚きの真実【米国マーケティング新潮流を追う vol.5】

変化が著しく、かつ様々な分野において最先端の取り組みがなされるアメリカ。ここでは、在米30年で、これまで数々の日系企業の米国進出をサポートしてきた、MIW Marketing & Consulting Group,Inc. の代表 岩瀬昌美氏による現地レポートをシリーズでお伝えします。売り場、現場の最前線で何が起きているのかはもちろん、いまなお米国に在住しているからこそ分かる生活者の反応や日本市場との対比なども交えてお届けします。
5回目は、いま日本でも話題になっているカジノ。その本場であるラスベガスで発表されたレポートについてお伝えします。

日本のIR論争はカジノの是非に偏っている

日本ではIR(統合リゾート)推進法案、通称カジノ法案の論議が、どういうわけかギャンブル依存症の話に偏っているように見えます。一方、年に4億人以上が訪れるギャンブルの本拠地、ここラスベガスの「ラスベガスコンヴェンション・アンド・ビジター オーソリティ」が今年4月に発表した、40年続けている3600人へのインタビュー結果を見ると、日本のIRに関する論点がいかに的外れなのかがよくわかります。

まず、ラスベガスに行く理由として「ギャンブルをするため」を挙げている人は、驚きのたった1%! もちろん、行けばギャンブルをするのでしょうが、ラスベガスに行く人の主な理由はあくまでバケーションなんです。家族で訪れても、子どもが1日遊べるプールや水族館がありますし、昔はまずいバイキング=ラスベガスだったのが、今では世界中のトップレストランがそろっています。ここカリフォルニアの人にとって、ハワイはお金のかかるバケーションですが、ラスベガスは車で行ける、手軽かつ子どもから80代まで誰もが楽しめる何かがある、格好のエクスペリエンス・バケーション・デスティネーションなのです。

カジノに固執せず“統合リゾート”の意味をもう一度考えよう

アメリカは日本と同じように高齢化しているにもかかわらず、ラスベガスの訪問者の年齢は年々若くなっているというのも驚きです。いま最もラスベガスを訪れているのは、お酒も飲まない、あまりギャンブルもやらないであろうミレニアル世代で、その割合は38%にもおよんでいます。

私も先週ラスベガスに行った際にVdara Hotel に泊ったのですが、最高級ホテルであるベラージオの隣という素晴らしい立地でありながら、1階にカジノは無く、全館禁煙でありながら、1500室すべてがソールドアウトでした。また、部屋は一番小さくても49㎡と、ずっといてもいいくらい広々としていました。さらにプールにあるテント付きカバナの利用料は部屋代より高いにもかかわらずミレニアルで一杯。そしてルームサービスは、なんとロボット君が来るではないですか。ここにはギャンブル = 場末感は全く無し!

「製造」から「観光」が、これからの日本の、大きな収入の柱になろうとしている時こそ、今のラスベガスをしっかりとビジネスの観点で見ないと、将来の大きな機会損失になるのではないかと思います。

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