日本でも広告マーケットプレースを-ダブルクリック

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 米ダブルクリックのリック・ブルナーさんとケイリー・スミスさんにオンライン広告事業について話を聞いた。ブルナーさんはリサーチディレクター、スミスさんは日本を含むアジア太平洋地域のマネージングディレクター。日本でも2008年中に広告マーケットプレースを開設する計画のようだ。
 今回は全編英語のインタビューです。
 抄訳は以下の通り。

 ここ2、3ヶ月以内だけでも数多くの商品をリリースしてきた。米国ではメディア向けのモバイル広告配信ソリューションのプラットホームをリリースした。モバイル向けリッチメディアやディスプレー広告を配信できる。
 最も重要なリリースはDoubleClick Advertising Exchangeだ。リアルタイムの広告マーケットプレースだ。すべての領域において、広告マーケットプレースは重要な広告枠売買の手法になるであろうと期待している。競合社も既に存在するが、われわれには既存の顧客ベースという強みがある。媒体社、広告主の双方がバランスよく顧客になっているので、この仕組みは顧客に歓迎されると思う。
 われわれの広告マーケットプレースの強みは、媒体社が各種パレメーターを自由に設定できることだ。例えば販売希望価格の最低ラインを設定できる。またプライベートなネットワークも構築できる。特定の広告主とだけ相対で交渉できるわけだ。またほかのユーザーに自分がどこのだれかを分からない形で広告の売買ができる仕組みもある。
 また広告主のためのアドサーバーや、媒体社のアドサーバーとシームレスにつながることも強みの1つだ。競合他社の製品は、シームレス連携が難しいスタンドアローン型だ。

-日本でも広告マーケットプレースを展開する考えはあるのか?

 もちろんある。2008年にアジア市場でもサービスを始める方向で検討している。日本と中国でのローンチの検討もかなり進んでいる。米国の媒体社は売れ残った広告在庫を販売できるのでは、と期待している。

-日本でサービスを開始する具体的スケジュールは決まっているのか?

 まだ決まっていないが、2008年の年内。

-米国ではいつサービスを開始したのか。

 ベータ版だが、夏の終わりに始めた。

-広告関連で米国のユーザーはどのような技術を求めているのか?

 高度な分析ツールが1つの重要分野だろう。米国の広告主はインターネット広告が効果的であることは認識した。それゆえに多額の広告費がインターネットに流れ始めた。しかしそれでも、何が効果的なのか、どのようなチャンネルでの相互作用が効果的なのかの証明が求められている。われわれが最近開発した技術で顧客に評判がいいものに、「コンバージョンに向けたエクスポージャー」レポートがある。「スポットライト・タグ」と呼ばれる技術と、クッキーを併用して目的ページに達した顧客が、広告を見たかどうかを判断する。目的ページとは例えば「お買い上げありがとうございました」というページとか、だ。この技術は、目的ページの前にどのようなページを見たかを把握する。ディスプレー広告のページにアクセスしたか、広告をクリックしたか、検索連動型広告や自然な検索結果をクリックしたかなども把握する。ユーザーが目的ページに達するまでの一連の動きを把握できる。
 何が購買の決め手になったのか、ということがオンライン広告で注目を集めている。また広告を見たグループと広告を見なかったグループを追跡調査し、広告を見せることがどの程度購買につながるのかを調査手法も開発している。米国の広告主は、購買の直前のユーザーの行動だけでなく、それ以前の行動にまで興味を持つようになってきている。ディスプレー広告をクリックしなかったものの購買につながる行動は「ビュースルー」という表現で呼ばれるようになっている。

-米国の広告市場と日本、アジアの広告市場の違いは?

 アジアを概観するのは難しい。オーストラリアは米国市場と似ている。一方で中国は広告効果に関しまだ初期段階。日本は、モバイル、ビデオでは進んでいるが、広告効果測定に関しては、中国と米国の中間。米国ほど効果測定に対する厳しい要求はまだない。

-グーグルとの関係はどうなるのか?

 グーグルの買収は年内に完了するとは思うのだが、具体的なことはまだ分からない。ただグーグルのグループ会社になっても独立した事業を継続していくと思われる。データの統合などに関しては、まだ分からない。
 ダブルクリックと顧客企業の既存契約は続行される。データも顧客企業のものだ。

-今注目している技術分野は

 あえていえば、フラッシュ。HTMLを使わずにフラッシュだけで構築されたサイトが出てきているが、ダブルクリックはこうしたサイトにも広告を配信できる。ビデオも引き続きホットな分野。インストリームビデオとか。旅行会社の広告の中で、世界の観光地のライブカメラ映像を表示するようなものもある。
 モバイルも次の重要分野だ。モバイルは過去10年ほど重要な分野だと言われ続けてきたが、いよいよそのときがきたように思う。ダブルクリックは、モバイル分野でのSNSやターゲティング広告に注力するより、ディスプレー広告やビデオ広告に焦点を当てることにした。

-個人的に興味を持っている研究分野は?

 検索とディスプレイのクロストレンド分析。自然な検索が、検索連動型広告とどう関連しているのか。研究の成果としては、ディスプレー広告も見たユーザーのほうが検索連動型広告をクリックする確率が高い、ということが分かった。またディスプレー広告を見たあとで検索連動型広告をクリックした人のほうが、単に検索連動型広告をクリックした人よりもコンバージョン率が高いことも分かった。明らかに、2つのキャンペーンを同時に行うことで相乗効果を生むようだ。

-5年後、10年後に、すべての広告は広告マーケットプレース経由で売買されるようになると思うか?

 ほとんどのチャネルで広告はマーケットプレースで売買されるようになると思うが、すべての広告がそうなるとは思わない。
 戦略的カウンセラーとしての営業マンの役割は今後も必要だろうし、プレミアムの広告枠の売買も営業マンを通じて行われるだろう。メディアと広告主が接近してマイクロサイトを作るということも続くだろう。
 しかし米国の広告業界のコンセンサスとして、広告マーケットプレースはオンライン広告だけではなく広告業界に非常に大きなインパクトを与えるものだと認識されている。テレビコマーシャルがアップフロントと呼ばれるやり方で一括して売買される方法をやめて広告マーケットプレースで売買しようという動きが、マイクロソフト、プロクター・ギャンブル、ユニ・リーバなどを中心に起こっている。ベータテストが行われている。より多くのメディアのデジタル化が進んでいる。リアルタイム売買も事前売買も、オークション形式が大きな影響を与えることになると思う。
 収益管理という概念が、今後5年から10年の間に業界に大きな影響を与えるだろう。
 非効率な部分を排除することで、またターゲティング技術を取り入れることで、一般向けの価値の低い広告枠が、より効果の高いものになるだろう。

「ダブルクリック音声ファイル」

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Editor In Chief at TechWave.jp
1990年代初頭からソフトからハードまで50以上のスタートアップ立ち上げを国内外で経験。平行して雑誌ライターとして疾走。シリコンバレーでガレージベンチャーに参画後は、国内でネットエイジを筆頭にスタートアップに多数関与。ブログやSNSの国内啓蒙、ソニーの社内イノベーション事業など関与。通信キャリアのニュースポータルの立ち上げ期の編集デスクとして数億PV事業に育てた後、TechWaveにジョイン。世界最大のグローバルIT系メディアであるスペインの「Softonic」の元日本編集長
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