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ほんとに数ヶ月前の話だけど、某従来型メディア企業関係者から「君はヤフーのことをメディアって呼ぶけど、一般的な日本語ではヤフーのことはメディアって呼ばないよ」と言われたことがある。はあ?ヤフーをメディアって呼ばないんだったら、何がメディアだよ。
「メディアというのは自社で記者を抱えて報道する企業のことだ」とその人は言う。「ヤフーは他社からコンテンツを購入してくるだけ。自分たちで報道しないのでメディアではない」。
「でもコンテンツが買えなくなったり値段が高くなって、ヤフーが自分たちでコンテンツを作るほうが安いと判断すれば、間違いなく記者を中途採用して報道に乗り出しますよ」と反論すると「いや、そんなふうにはならないね」と突っぱねる。
あー頭が爆発しそうになる。
はい、証拠。 Talking Points MemoというブログメディアのAndrew Golisのブログをご覧ください。米ヤフーのニュース部門に転職するそうです。転職後は、記者を抱えてオリジナルコンテンツを作るそうです。
米AOLもヤメ記者をどんどん雇用して、オリジナルニュースを作るメディア企業としての成長戦略を描いている。
こうなるのは最初から分かっている。ちょっと考えても分かる。メディアの変革期の移行のパターンなんて、始めから読むのは簡単じゃないか。
プロの記者以外の人たちがブログなどでどんどんコンテンツを作成し始めたので、需給バランスが供給過多に傾く。供給過多であれば、コンテンツの価格が低下する。なのでアグリゲーターであるポータルは、自らコンテンツを作る必要がない。これがメディア変革期の第1段階だ。「他人が作ったコンテンツに頼るビジネスモデルって将来的に危ういのでは」という人がいるが、それはその通り。ただしこれは過渡期のモデル。第1段階ではこのモデルが最も有効で、これでいいんだ。
コンテンツの価格が下がれば、新聞社を始めとする高コスト体質の従来型コンテンツメーカーは立ち行かなくなる。経営困難に陥って買収されたり、倒産したりするところが出てくる。これが第2段階。アメリカでは今のところ、ここだ。
こうなってくると最初に危惧されていたように良質のコンテンツの供給を受けることが難しくなる。そうなれば、ポータルだろうとタルタルソースだろうと、コンテンツビジネスをやるところは、自らコンテンツを作るようになる。ただし老舗企業がやっていた高コストの作り方ではなく、徹底してスリム化した体制で作るようになる。これが第3段階。米ヤフーやAOLはこの段階に差し掛かったわけだ。
徹底してスリム化した体制とは、現状ではブログの形を取るのが最も有効。ネット上の情報流通は一方通行ではなく、コミュニケーションになっていくので、そういう意味でもブログが有効だ。
この流れは日本にもくる。「絶対こないね」という人もいるが、その根拠を聞くと「日本の文化は特殊だから」と答える。なんだ、それ。
あー!!だれか助けてくれー!