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昨日も「インターネットのおかげで良質のコンテンツがなくなりつつある」と嘆く人に会った。そういう人にとってネットは悪そのものように映っているようだ。
「質の低下は過渡期だから。いずれ良質のコンテンツが戻ってきますよ」と僕が言うと、何の根拠があってそんなお気楽なことを言うんだ、みたいな顔された。
時間がなかったので詳しく説明できなかったけど、簡単な話なんだけどなあ。
情報が供給過多になるので価格が低下する。そうなればコンテンツを作成する会社はまず経費を削減する。当然質が落ちる。質が落ちればさらに経営が悪化する。今度は人員削減する。さらに質が落ち、さらなる経営悪化を招く。最後は倒産、経営統合に発展し、さらに質が低下する。
一方で人材市場に流れ出た優秀なコンテンツ作製者をネット企業が雇用し、最新テクノロジー使ったコンテンツ管理システムで効率よく良質なコンテンツを世の中に出していく。
新しい情報配信システムを有効利用できない企業、経営者に退場命令が出たあとに、新しい企業、経営者が、良質なコンテンツを求める人と良質なコンテンツを作る人を結びつけるようになる。それだけのことなんだけどなあ。社会が良質なコンテンツを求めるのであれば、必ずそうなる。
アメリカではもうそうなりつつある。AOLがヤメ記者やブロガーを500人くらい雇用している話は聞いていたがTechCrunchによるとその数はもう3000人にも上るそうだ。そしてAOLではそうした優秀な書き手が作り出すコンテンツを管理するシステムを開発中だという。
そのシステムはPVなどの指標を用いてコンテンツの価値を測定し、それによって原稿料を決める仕組みや、関連する記事を自動的に表示する機能などを装備するらしい。
Tim Armstrong’s Secret Project Is To Turn AOL Into A Low-Cost Content Machine – http://www.techcrunch.com/2009/10/24/tim-armstrongs-secret-project-is-to-turn-aol-into-a-low-cost-content-machine/