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電子ブック端末は来年から一気に普及するって言ってるんだけど、割と多くの人から「本当っすか」という懐疑的な反応を受けることが多い。そこで僕の主張をもう一度整理しておきたい。
電子ブック端末が来年から本格普及すると思われる理由は2つ挙げられると思う。
1つは、電子ブック端末、もしくは電子ブック端末としての利用が可能なデバイスがめちゃくちゃ多く発売されるから。【参考記事】EeePCのAsutekも、Dellも、タブレットPCデビューか
ビッグローブ、Android端末を利用した「クラウドデバイス」事業を開始へ
2つ目の理由。AppleがタブレットPCを発売するとみられるから。来年の夏前の発表じゃないかって言われてたんだけど、最近は早ければ3月の発売という情報もある。【関連記事】アップル、タブレットMacを3月に発売予定?
で僕がどちらの理由を重要視しているかというと、実は2のほう。自分自身触手が動くかどうか考えても、やはり2で触手が動く。物欲が動く。
なぜならタブレットという形状を求めているのではなく、タブレットPCが提供してくれるであろうエクスペリエンスを求めているから。どんなエクスペリエンスかというと、iPhoneやiPod Touchのように、情報が見たいと思ったときにすぐに見れるというエクスペリエンス。GoogleのChoromeOS搭載のネットブックは7秒という驚異的な立ち上がりの速さを実現するみたいけど、7秒でも遅すぎ、1秒前後で立ち上がってほしい、というような使い方ってあると思う。それを実現してくれたのがiPhoneやiPod Touch。そのエクスペリエンスのまま、もっと大きな画面になってほしいと思うわけだ。さらにいえば、Appleは、iPhoneやiPod Touchのエクスペリエンスを超えるエクスペリエンスをタブレットで実現してくれるのではないか、という期待がある。だからAppleのタブレットを購入したいと思っている。
このエクスペリエンスって言葉、日本語で「経験」としてしまえば、何のことやら分からなくなる。なかなかいい訳語がなく、中島聡さんが、「おもてなし」という言葉で表現している。【参考書籍】おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由 (アスキー新書)
そうAppleが強いのは、ハード機器だけじゃなく、その上に載るソフトやコンテンツ、仕組みまで全体をデザインし、全体を通じてユーザーを「おもてなし」しようとするからなんだ。だからスペックが高いのに安い端末が幾つ出ようと、あんまり関係ないと思う。
だから日本のメーカーやISPがタブレットを販売したいのなら、この「おもてなし」にかなり力を入れないと難しいと思う。天気予報やレシピが見れる、程度じゃなく、もっともっと日本らしい「おもてなし」を実現できるようにしてほしいと思う。
Appleタブレット VS Kindle。実はKindleに興味あり
これだけAppleのことをほめたあとでナンだけど、実は個人的にはAppleタブレットよりKindleが欲しい。なぜなら今僕が欲しいのは、英語の書籍を読むための端末。タブレットで映画を見たい、というニーズはあまり持っていない。そして本を読むという「おもてなし」に関しては、Amazonはハンパなく努力している。Kindleを読書の途中で電源を切って、移動中はiPhoneで同じ書籍を読もうとしたら、Kindleで読んでいたページが最初に表示されるという。すごいなあ。これでMac版Kindleが登場し、辞書ツールなどが搭載されれば、個人的にはもう無敵。
Appleは、電子ブックリーダーとしての機能にはあまり興味がない、という話をどこかで読んでことがある。ということで、電子ブックリーダーとしてはやはりKindleがおすすめということになると思う。
将来は最大のアプリ市場を持つところの勝ち
でももう少し先の未来のことを考えると、タブレットPC、電子書籍リーダー市場の勝者は、最も大きなアプリ市場を持ったところになると思う。
iPhoneのAppStoreを見ても、ハードじゃなくソフトとしての電子書籍リーダーがたくさん出てきているけど、今後もますます多く出てくると思う。それこそ辞書ツールが搭載されたソフト版電子書籍リーダーなんてほんとにすぐ発売されるようになるんじゃないか。自分の読書の仕方にぴったりの「おもてなし」を提供してくれるソフト版電子書籍リーダーを提供してくれるアプリ市場を持つのが、Appleになるのか、Googleアンドロイドになるのか。それともAmazonもソフト版電子書籍リーダーのためのアプリ市場を開設するようになるか。多様化する「おもてなし」をすべて揃えることができるのは、巨大なアプリ市場しかない。巨大なアプリ市場を制するところが、電子書籍市場を制する。電子書籍リーダーは「おもてなし」が勝負なのである。