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“Foursquare”や”“Gowalla”といったジオロケーションサービスが次々と生まれヒートアップする位置情報を活かしたサービス。今やジオロケーションサービスは、ニューヨークタイムズといったメディアから、マーク・ジェイコブスなどのアパレルブランドに至るまで幅広く使われています。そんなさまざまなジャンルの中でも、今回はジオロケーションを使ったAndroidアプリをリリースした不動産情報サイト”Zillow“について紹介したいと思います。
2006年2月にローンチした”Zillow”。不動産の売り手と買い手をマッチングするサービスで、登録されている物件数は9500万件。これはアメリカのほぼ全ての物件にあたるんだとか。Zillowの売りは、”Zestimate”と呼ばれるZillow独自の物件見積もりサービス。地域の歴代データや購入時期のトレンドなどを盛り込むことで、物件の適正価格を算出してくれる。方法は簡単で、Zillowのサイトトップにある検索ボックスに住みたい、もしくは買いたい物件の住所を入力するだけ。そうすると右上のキャプチャにあるように、その物件を含む地域周辺の物件価格がマップ上に表示されます。過去に、Zestimateで出た見積もりがあまりに低いということで訴訟になったこともあるZillow。その対策の意味も含め、また全般の信憑性を高めるために、Zestimateと実際の買い価格を比較したデータも公開しています。
今回Androidアプリをリリースした”Zillow”ですが、新しいことに取り組むその姿勢はスゴイ。サービスローンチからわずか半年強の2006年10月にはOpen APIを公開。また、不動産情報を強みとしてきた新聞社に不物件情報のデータベースを提供する「Zillow 新聞社協会」を設立したり。2009年4月の設立時点で、180もの新聞が参加したそう。そして忘れてはならないのがモバイルサービス。 2009年の4月にリリースしたZillowの無料iPhoneアプリのダウンロード数は、今では100万件以上。毎月200万以上の物件が閲覧されているそう。
今回リリースされた無料Androidアプリは、GPSを使って、今いる場所周辺の物件のZestimateを探すことが可能。例えば、ピクニックに出掛けて、その周辺エリアをすごく気に入ったとします。そんな時、”Zillow”のAndroidアプリを使えば、周辺物件のZestimateをすぐその場で調べることができちゃうんです。アプリの機能には、
・9500万件の物件のZestimate、物件の詳細情報、歴史的データを提供
・グーグルストリートビューを使って、自動的に生成された正面からのイメージ
・売買価格、賃貸価格、ベッドルームやバスルームの数といった条件で物件を検索可能
・音声サーチを使っても検索できる
といったものがあります。
ちなみに先にデビューしたiPhoneアプリの機能説明には、賃貸物件の場合の月々の賃料でも検索可能とあります。また検索結果を保存することもできるそう。便利そうなのは、探している物件情報にマッチした物件が新しく登録されると通知してくれるサービス。また物件をメール・Facebook・ツイッターで共有することもできるそうです。
ウェブへの投資が遅れてきた不動産業界も、海外ではかなり前からジオロケーションサービスなどを提供しています。そもそも敷金や礼金で成り立ってきた日本の不動産業界ですが、このようなサービスが登場することにより、より技術による競争力の取得を迫られていく気がします。
肩書きウェブディレクター。ディレクションの他、翻訳やライティングなど、フリーでお仕事してます。ツイッターIDは”yukari77“。
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これまで雑誌のECで→UIデザインのコンサル→ウェブ制作会社などを渡り歩いてきました。そこで得たスキル、人、全部かけがえのない財産。幸せの方程式は、テクノロジー(UI, IA..)×マーケ×クロスカルチャー×書く・編集。いま一番夢に近いとこにいる。
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