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Evernote日本法人設立の記者発表に行ってきました。Evernoteを「記憶のローカルプラットフォーム」と表現したCEOのPhil Libin氏。仕事からプライベートで行ったレストランまで、あらゆる情報を入れておける私たちの第二の脳。これからも急成長が期待されるEvernoteの記者発表の内容をご紹介します。
設立されたEvernote Japan K.K.は、Evernote社の100%所有子会社。社長に就任したのは、カリフォルニア州サンノゼに赴任し、グーグルやFacebookなどシリコンバレーのIT企業との関係を構築した経験を持つソニー出身の中島健氏。昨年Evernoteに出会い惚れ込み今に至るそう。また、日米複数のハイテク会社や各種団体のアドバイザーを務め、Open Network Labのメンターでもある外村仁氏がチェアマンに就任しました。
今日の記者会見で発表された新規機能が、Evernote独自の「日本語文字認識機能」。日本語の印刷部文字を含む画像がインデックスされ、日本語をデフォルト設定している場合に検索対象になるそう。活字、手書きとも画像からテキスト抽出して認識してくれます。
日本はEvernoteにとって色んな「初」が起こる国で、パートナー数も日本がダントツ多く、APIパートナーの半数以上が日本の企業だそうです。すでにアナウンスされているパートナー企業には、キャノンやソニー、ドコモやEye-Fiなどがあります。今回発表されたパートナー企業は、以下の5社。
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■SOURCENEXT 「Evernote スターターパック」および「超名刺 Business Card Manager」
Evernoteのプレミアムサービスをパッケージ版にした”EVERNOTE スターターパック”を7/2(金)から1,500円で発売。Evernoteのプレミアム会員権3ヶ月分、「EVERNOTEハンドブック」特別版などを収録。
名刺をiPhone内臓カメラで撮影するだけで、簡単に名刺管理ができるアプリケーション。Evernoteとの自動同期機能が搭載されており、Evernoteの文字認識機能を使って、画像で登録された名刺をテキスト検索することができる。無料版と有料版350円で提供。
■NECビッグローブ
ユニークユーザ数2,000万人以上を誇るBIGLOBEのポータルサイト上からEvernoteを提供し、BIGLOBEが提供する各種アプリとの連携を強化。無料版の他に、7/1から有料版を498円で提供予定。まずはBIGLOBEが独自開発したブックマーク管理用のウェブアプリ「BIGLOBEゲートβ」とEvernoteの連携を本日より開始。Android端末などでブラウジング中に気になったページを「BINGLOBEゲートβ」でオンライン上にブックマークするとEvernoteに自動的に保存される。
■ぐるなび
ぐるなびに「web clipper」を実装。店舗ページに追加されたクリップボタンを押すだけで、自分のEvernoteに飲食店の基本情報が自動的に保存される。保存された基本情報に美味しかったメニューや誰といったなどの情報を加えて自分のグルメノートを作成できる。
■ぺんてる
超音波式デジタルペン「airpenMINI」と連携、紙に書いた内容を画像としてEvernoteに転送し、リアルタイムに保存可能。
■バリューイノベーション
A4のコピー用紙を3回折って8分の1に。合計16ページのメモ用紙を持ち歩き、手書きメモとして活用。書き終わったA4用紙をスキャンしてEvernoteにアップ。現在のページだけ、過去はevernote、未来は新しいA4の紙に。発売は7月19日予定、価格は5,800円から。
■ITmedia
日本のメディア企業として初めてEvernoteと連携。ツイッターの連携機能(投稿)に加えて、Evernoteのクリッピング機能を搭載したiPadアプリをリリース。情報エコシステムの加速化を目指す。
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Libin氏が話してくださったEvernoteの現状について。サービスローンチから2年経った今、ユーザ数は世界中で350万人。毎日、8,000人の新たなユーザが増えているそうです。日本ユーザは公式ローンチからわずか3ヶ月だというのは既に35万人。ユーザ数もアメリカに次いで多いのが日本で 18%。アメリカのユーザはローンチから2年で57%、日本はわずか3ヶ月でこの数字なのでポテンシャルを感じさせます。これだけのユーザが、一切の広告やマーケティングを行うことなく口コミだけで増えていったというのですからビックリ。Evernoteはマルチプラットフォーム、多くのユーザがPCとモバイルの両方からアクセスしていて、モバイルではiPhoneユーザが最も多く全体の63%、アンドロイド比率も増えてきて12%だそう。iPad比率も9%と短期間で高い数値をだしています。
Evernote のビジネスモデルはご存知のとおり「フリーミアム」。ユーザが希望すれば永遠に無料で使えることができる。有料版は月額500円というリーズナブルな価格で提供されています。多くの企業がフリーミアムモデルを採用していますが、全ユーザのうち有料版を使っているパーセンテージを明かす企業は少なく、Libin氏いわく一般的な無料版から有料版へのコンバージョンは1%くらいだそうです。そんな他が隠したがるような情報も包み欠かさずオープンにしちゃうのがEvernote。使えば使うほどライフメモリーが溜まっていくEvernoteの場合、サービス利用開始1年で8%が、2年で20%がプレミア版に移行するんだとか。
会場から出た、「フリーミアムで成功するポイントと、どこまで有料会員を増やすのか」という質問に対してLibin氏は、「フリーミアムに関してはゴールが見失われていることが多い。多くの人が有料ユーザの比率が高いことを重要だと考えている。でも実際は違う。あくまで重要なのは有料会員のトータルの数で、それが全ユーザに占めるパーセンテージではない」と回答。100万人の有料会員がほしいなら、方法は2つある。お金を広告やマーケティングに費やして頑張って多くの人を納得させる。もう一つは、同じ資金を使ってより良い製品を作ることに注力し、無料版を使うユーザが有料版を欲しがるようにする。有料ユーザが増えること、例えばその比率が 15-20%くらいになってくると、それは同時に無料ユーザを失っていることを意味するかもしれない。このパーセンテージがあまりに高くなったら、無料版を改良し、無料版の利用者を増やす努力をするだろうと。長期的にみて有料版のユーザは5-10%くらいが適切な割合ではないかと話してくださいました。
記者発表の会場には、著名なブロガーさんからメディアの方まで大勢の人が集まっていて、Evernoteへの注目度の高さが感じられました。私も、今ではウェブページからプレゼン資料、メールなど何から何までEvernoteに放り込んでいてスゴク快適。まだまだテックサビーな一部のユーザに愛されるサービスかもしれませんが、今回のようなパートナーとの取り組みが増えていけば、今私たちがツイッターを耳にするのと同じように”Evernoteでさー”なんて台詞を耳にする日もそう遠くない未来にあるのかもしれません。
【Update】グラフなどのイメージを追加しました。記者発表参加者に公開されたLibin氏のプレゼンテーション資料にあるものを掲載しています。
肩書きウェブディレクター。ディレクションの他、翻訳やライティングなど、フリーでお仕事してます。ツイッターIDは”yukari77“。
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