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世界で5億人以上が登録している巨大SNS、米Facebook。日本でも登録者数が増えているという話を聞く一方で、「Facebookの使い方が分からない」という意見を耳にすることも多い。日本ではmixi、gree、モバゲータウンという日本発のSNSがしのぎを削っている状態だし、ソーシャルメディアという範疇ではTwitterも勢いがある。そういう状態であるにも関わらず、FacebookのCEOであるMark Zuckerberg氏は3年から5年以内に日本でもFacebookがトップSNSになる可能性が十分にある、と主張したという。
英guardian.co.ukなどが報じたところによると、Cannes Lions International Advertising Festivalで講演した同氏は、世界でもFacebookがトップSNSの座についていない主要国は、ロシア、中国、韓国、日本の4つしか残っておらず、これらの国でも会員数が伸び始めたので、いずれ会員数が10億人に達するだろうと語ったという。中国はFacebookが禁止されているわけだが、ロシア、韓国、日本はユーザー数がまだ100万人規模であるものの、半年ごとに倍々ゲームで伸びているという。
同氏がどういうふうに語ったのか、英文をそのまま引用して見てみよう。
“We know that a country has tipped when local-to-local connections outnumber local to foreign” “It is a long-term thing [and with regard to the four left to tip] we are probably not going to win in six months, not in a year [but] things look promising in three to five years out.”
同氏によると、会員のデータを見ているとどの段階でtipping pointを迎えるのかが分かるという。tipping pointというのは、天秤が傾くポイントということ。勝負の分かれ目ということだろう。
そのポイントというのが、「ローカルと外国人」の友人関係の数を「ローカルとローカル」の友人関係の数が抜くとき。どの国でもまず、外国人の友人がいる人がFacebookを使い始め、やがて自国の友人も招待し始める。そして自国の友人関係の数が、外国人との友人関係の数を上回ると、あとはその国でFacebookが一気に広がるのだという。
確かに現時点において日本でFacebookを積極的に使っている人には、外資系企業の従業員や、留学経験者が多いように感じる。まだtipping pointを超えていないわけだ。
日本を含む残りの国について、そのtipping pointが半年や1年以内にくることはないが、3年から5年以内には可能性が十分ある、というのが同氏の考えだ。
We are down to just four countries where we aren’t the leading social network
「われわれがトップのSNSでない国は、残すところあと4つだけ」と同氏は言う。そうなれば会員数が10億人になる。
He added that there was “no chance” Facebook, which has cracked the 500 million user mark, would hit 1 billion this year but argued that “it is almost a guarantee that it will happen”.
「年内に10億人に達することはないが、いずれそうなることはほぼ間違いない」ー。 すごい自信だ。
残り4つ。日本はその中に入っているわけだから、今後日本での普及策に大量のリソースを投入する可能性があるかもしれない。それとも、どこにも負けない技術革新を続けていれば、自然と世界中でトップの地位につけると考えているのだろうか。
mixi、gree、モバゲータウンは、どう出るのだろうか。
まあわたしは、どこの国のSNSもいずれFacebookと連携していくのだろうと思っている。Facebookがウェブのインフラになるように思う。といってもローカルのSNSがFacebookに凌駕される必要はなく、ローカルユーザーが求める価値を提供し続ければ、その連携の中で十分やっていけるのだと思う。ローカルユーザーのニーズはローカルSNSが最もよく分かっているだろうから。
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