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iPhone、iPadという革新的な製品を世に出し快進撃を続ける米Apple。米紙New York Timesによると、そのAppleが次はテレビの領域で旋風を起こすべく動き出した。同紙やその他の情報ソースのレポートを総合すると、Appleはどうやらテレビ本体の開発を検討している可能性がありそうだ。
同紙が数人の関係者から得た情報は次のようなもの。
1)Appleはテレビ関連のソフトの改良に取り組んでおり、そのソフトはまったく新しいデザインになる
2)そのソフトには、iPhoneやiPadに使用されている基本ソフト「iOS」が使用される可能性がある
3)Appleは最近、テレビ関連の仕事の経験を持つグラフィックデザイナーや産業デザイナーを採用した
4)最先端の開発は、AppleTVとは別の部署で行われている
AppleTVはテレビ周辺機器の一種で、ビデオプレーヤーのようにテレビに接続することでiTunes Storeなどで購入したビデオをテレビの画面で見ることができるもの。ただAppleTVは、Appleの幹部自らが「趣味でやっている」と自虐的に語るほど、大ヒットからはほど遠い状況にある。
今回の開発が、このAppleTVとは別の部署で行われていることから、テレビ周辺機器ではなくテレビ本体を開発しているのではないかという憶測が出ている。
同紙の報道とは別に、調査会社Piper Jaffrayがこのほどリリースしたレポートによると、Appleが2、3年以内にテレビ本体を発売する可能性があるとしている。その最大の根拠は、このほど発売になったMac miniにHDMIポートが搭載されているということ。HDMIはテレビとパソコンを接続する仕組みで、高品位テレビでさえ簡単に接続できるようになっている。
さてこうした報道を受け、わたしがどう思うかというと、まあ当然そうだろうなと思う。GoogleTVの技術も、ソニーがテレビ本体に組み込むほか、ほかのメーカーがテレビに接続するセットトップボックスとしても発売する予定。Appleも周辺機器としてのAppleTVに加え、テレビ本体を発売しても不思議ではない。
ではAppleやGoogleが切り開くテレビの世界がどのようなものになるかというと、これもまた想像するのはそれほど難しくはない。今のところiPadを使って説明するのが一番分かりやすい。日本ではテレビ番組や電子書籍などのコンテンツがiPad向けにまだほとんど揃っていないが、米国では見たいテレビ番組を見たいときに見れるHuluのような定額制のサービスがiPadで利用できるようになっている。これと同じようなことがテレビでできるようになるというだけのことだ。
つまりテレビはこれまでの放送に加え、ブラウザを使ってインターネットにもアクセスでき、iPhone、iPadのようなアプリも利用できるようになる。「放送」、「ブラウザ」、「アプリ」、この3つの環境をテレビで利用できるようになるわけだ。そしてアプリの中にはHuluのようなテレビ番組や映画のオンデマンドサービスがあり、ビデオをレンタルする代わりにネットを通じてビデオをダウンロードもしくはストリーミング視聴する、という形だ。またiPhoneやiPadがリモコン代わりになり、新聞のテレビ欄の代わりにiPadの画面で番組表を確認し、タップするだけでチャンネルを変えたり録画予約できるようになる。
このテレビ視聴の形がテレビの近未来であり、このテレビ視聴の新時代は、年内もしくは来年中に一部で始まり、数年以内には広く普及する。これまでに予測されていた以上に早く一般に普及するのではないだろうか。iPadの人気を見ていると、そんな気がする。
【参考記事】Apple対Googleはまもなくテレビにも拡大=brightcove CEO【湯川】 : TechWave
Google TV:よくある質問(FAQ)【湯川】 : TechWave