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世界のベンチャー企業の登竜門である米TechCrunchのイベントに日本からGunzoo(グンゾウ)がファイナリスト25社のうちの1社として選ばれて参加している。アジア企業としては今回唯一の参加で、日本企業としての参加は2008年に同イベントでデビューし世界的に有名になったセカイカメラの頓智・(とんちドット)以来。
Gunzooは、Fabric Videoというビデオの表示技術を披露した。(TechCrunch日本語版の記事:TC Disrupt―日本のGunzooはFabric Videoでビデオ検索方法を変える)
実は僕はこの技術を開発した電気通信大学の笠井裕之先生を取材したことがある。
昨年11月6日に開催されたTechCrunch Japanの東京CAMP09を取材し、ゲストブロガーとしてTechCrunch Japanに記事を書いてほしいという依頼を受けて、取材したのだった。
どんな技術なのか、当時くだけた言い方で次のように書いている。
もちろんぶっとい回線であれば1つの画面上に幾つもビデオを表示するのも可能だし、反対にそれぞれのビデオを圧縮し小さなファイルにしてしまえば、フツーの回線ででも100個ぐらいビデオを同時ストリームすることは可能。
でも「ファブリックビデオ」は、フツーの回線で多くのビデオを1つの画面に流し、気に入ったビデオを瞬時に高解像度のビデオとして画面いっぱいに拡大できる。これってすごいと思う。11月6日に開かれたTechCrunch Japanの東京CAMP09で紹介されていた技術、サービスの中で、一番おもしろいと思った。
ちょっとくだけ過ぎなんで、今回の米国でのデモを取材したTechCrunchのAlexia Tsotsis氏の解説を引用しよう。
複数のビットストリームを1本にビットストリームにまとめることで、ユーザーは効率よくシームレスに何千というビデオを閲覧することが可能になり、たとえばYouTubeのビデオ検索のようにキーワードを指定して探す必要がない。
Fabric Videoのユーザーは、プラットホームによらず1200以上のH.264/AVCビデオを視覚に訴える形で見ることができ、自由にズームイン、アウトし たりビデオウォール式ナビゲーションを通じて対話的にビデオを操作する。このFabric Videoの表現方式は、たとえばビデオの中の特定の場面を探したいユーザーや、CNNなどのメディア会社が、あるニューステーマに関するビデオを大画面 で見せる場合などに有用だ。
関係者でもなんでもないけど、自分が早い時点で評価した技術がこのように世界で評価されるのってうれしい。セカイカメラの頓智.が、このイベントで世界的に有名になり大きく飛躍したように、Gunzooもぜひがんばっていただきたい。応援してます!
さて今回の米国のイベントでも笠井裕之先生がデモしたようだが、記事によるとGunzooの設立者でCEOは笠井先生ではなく篠原稔和氏となっている。篠原さんて、あの篠原さん?
そうTechCrunch Japanを運営するDESIGN IT!, LLC. 代表、ソシオメディア株式会社 代表取締役社長の篠原稔和さんのようだ。TechCrunch Japanのブログメディア事業や東京CAMPなどのイベント事業自体での収益化は難しくても、ベンチャー企業への出資や支援がビジネスになるんじゃないかって話を以前、篠原さんとしたことがある。まさしくそれを実践しているようだ。すごいな篠原さん、やっぱり。
ところでTechCrunchのイベントの名称が、今回は「TechCrunch Disrupt」となっている。以前は「TechCrunch50」とかいう名前だったはず。どうしたんだろと思ったら、どうやらTechCrunch50を共同運営していた起業家のJason Calacanis氏とTechCrunchのMichael Arrington氏がケンカ別れして、Michael Arrington氏がイベント名を変えて同じようなイベントをTechCrunch単独で始めたらしい。
Calacanis氏はTwitter上でArrington氏のことを「反社会性人格障害者」「負債」「列車事故」とかめちゃくちゃけなしている。(関連記事:Jason Calacanis Shreds Mike Arrington, Calls Him “A Trainwreck,” “A Liability,” And “A Sociopath”)。やれやれ。
【追記】
篠原さんはTechCrunch.jpのほうからは手を引かれてたみたいです。TechCrunch.jpの中の人から連絡がありました。発表文。
篠原さんからのメッセージもいただきました。以下コピペします。
私、篠原はスタートアップ企業への支援やスタートアップ企業そのものの経営に携わることと、「メディアとしての透明性」とをしっかりと遵守し、ビジネスを推進したいという観点から運営企業であるDESIGN IT! LLCの代表職を離れることになりました。後任として、安井綾子がその職につきます
ふむふむ