実名制Q&Aサイト「Quora」が驚くほどすごい5つの理由【イケダハヤト】

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ソーシャル時代の若きオピニオンリーダーであるイケダハヤトさんから寄稿していただきました。以前「リアル」「クローズド」なウェブは何を可能にするのか【湯川】という記事でも取り上げた実名制Q&Aサイト「Quora」の使用感を書いてくれています。これこそが「リアル」「クローズド」ウェブの実力なのです

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イケダハヤト

Quora使ってますか?

 先日仕事の調べもので海外のクチコミ分析ツールについて調べていたところ、どうにも分からないポイントが出てきました。

 最近海外のブログで噂の「実名Q&A」サービスQuoraで聞いてみるか、と思って検索してみると、どどんのズバリで捜し求めていた回答がありました。

 ブラウズしてみると他にも役に立ちまくる情報がてんこもり。LinkedIn Answersよりも充実してる感触です。

 という訳でQuoraのすごいところをまとめてみました。

1.実名ユーザーによる超高品質な回答

 実名Q&AであるQuoraでは、例えばツイッターについて質問すると、ツイッターの幹部やエンジニアから普通に質問が返ってきます。例えばこちら、「foursquareはヨーロッパ法人を開設するか?」という質問に対して、foursquareのBusiness DevelopmentのDirectorが「その予定はありません」と回答してます。他には「KloutやPeerIndexのような影響度指標は既存のCRMに統合すべきですか?」という質問に対して、そのPeerIndexのCEOが直接回答してます。こんなやり取りがごろごろ転がってます。

 特にテック系のビジネスパーソンはかなり登録している印象です。後に述べますが、結果的にQuoraはカスタマーサポートのプラットフォームとしても機能しています。


2.情報収集ツールとして

 Quoraでは人以外に、質問やトピックスを「フォロー」することができます。トピックスは「Social Network」「Social Media Marketing」「Startups」といった大き目のものから、「Social Analytics」「Social CRM」などニッチなサブトピックスも存在します。

 自分が知りたい分野のトピックスや質問、人をフォローしておけば、海外の最先端の議論を漏らさず知ることができます。さらに、必要があれば自分でも質問を投稿することができてしまいます。@Doubles9124さんが以前「情報収集はGoogleでもTwitterでもなくてQuoraの時代」という記事を書いていましたが、まさにこのタイトル通り、次の時代の情報収集ツールとしての可能性を私は強く感じています。Wikipediaに初めて触れた時と同じくらいショッキングでした。

3.パーソナルブランディングの場になる

 Quoraでは回答者の本名や所属企業などもオープンにされます。回答者のリーダーボードの仕組みも用意されており、各トピックで質問 に答えれば答えるほど、コミュニティでの評価は高まっていきます。LinkedIn Answers同様、パーソナルブランディングの場としても機能します。

4.カスタマーサポートの場として

 事実上カスタマーサポートの場として機能している点も見過ごせません。「1.」で紹介したように、特定の企業に対する質問に、その企業で勤める社員や幹部が直接回答する場面が数多く見受けられます。実際に「Quoraをカスタマーサポートに使っている人はいますか?」という質問に対して、Yesと回答している人も存在しています。

5.記事ネタの宝庫

 ブロガーとしてよだれが出るくらい面白いネタがたくさん転がっています。例えば「なぜフェイスブックはビデオチャットを導入しないのか?」「今のソーシャルネットワークに足りないものって?」などなど。最近はMashableもネタ元として利用してました。

 Quoraは間違いなく、新しい時代を創るサービスとなるでしょう。ようやく確信が持てました。

 そこで気になるのは日本進出。実名Q&Aは日本でも十分成功しうるサービスです。Quoraが日本に来るのが早いか、日本発で同種のサービスが生まれるのが早いか。

 Quoraのもたらす体験は本当に素晴らしいです。日本にも欲しいところです。

 というわけで皆さんもぜひ「Quora」使ってみてください。(※現在は招待制になっており、アカウントを取得するためには招待をもらう必要があります。対応が遅れてしまうかも知れませんが、私のアカウント宛てにフェイスブックのメッセージで「メールアドレス」教えて頂ければ招待も可能ですので、ご検討ください。)

著者プロフィール:イケダハヤト

12)日本橋人形町在住、横浜市戸塚区出身
デジタルノマド。個人と組織のソーシャルウェブ活用を支援中。講談社現代ビジネス「ソーシャライズ!」で執筆中。フェイスブック本執筆中。トライバルメディアハウス所属。NGO/PLASでプロボノ中。86世代。幸せな働き方を追求中。NPOのマーケティング、NPOと企業のコラボ、善意のお金の循環への関心が高いです。マーラー大好き。
ご意見やご質問等がありましたら、ぜひ私のブログのファンページまでお願いします。 

蛇足:オレはこう思う

 イケダさんだけではない。米国のブログを読んでいるとQuoraを絶賛するエントリーを最近頻繁に目にするようになった。

 なぜQuoraはこれほど上質のQ&Aサイトになることができたのか。それは「リアル」で「クローズド」だからだ、というのが僕の仮説。まだ確信には至っていない。

 どこのだれか分からない人の質問に答えるのと、自分の知り合い(もしくは将来仕事を共にするかもしれない業界関係者)の質問に答えるのでは、どちらが懇切丁寧に回答するだろうか。やはり後者じゃないのかな。

 Facebookという「リアル」な人間関係のインフラが普及したからこそ、Quoraというサービスが成立するようになったのだと思う。そういう意味で、「リアル」「クローズド」のインフラが急速に拡大しつつある日本で、同様のサービスがいつ成立するようになるのか。イケダさん同様に僕も、興味深く見守っています。

 イケダさんがWikipediaを引き合いに出しているのも興味深い。どこのだれか分からない人が自由に参加できる「バーチャル」「オープン」なウェブの中で成立したWikipediaに対して、「リアル」「クローズド」のウェブの中で登場したQuora。時代を象徴する2つのサービスだと思う。

 さて僕が最も気になるのは「クローズド」のよさをどうすれば維持することができるのか、ということ。今のQuoraのユーザーはシリコンバレーのテック業界関係者がほとんど。「将来仕事をするかもしれない業界関係者」がほとんどだから、懇切丁寧に回答するインセンティブが働く。ここにいろんな国のいろんな業種の人が入ってきたときに、同様のインセンティブが働くのかどうか。「フォロー」という仕組みで、自分がリーチしたい人だけのクローズドな空間を維持できるのかどうか。Quoraは最初招待制だったのを一時一般にオープンにし、再度招待制に戻したようだ。回答のインセンティブが働くような適度にクローズドな空間を作り出すために、いろいろと試行錯誤を続けているのだと思う。

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