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「Change the World」
「本当に世界はでかい。とてつもなく大きくてエキサイティングで美しい。人生を通して世界中でまだ出会えていない人や、今まで見えなかった情報同士を繋げたい。繋げることで、驚き、喜びが生まれるケミカルリアクションを起こしたい」そう話す鈴木仁士氏は7月5日、その世界観を体現したiPhoneアプリ「WonderShake」をリリースした。すでに、iTunes App Storeで無料でダウンロード可能になっているが、利用は当面は渋谷と恵比寿地域に限定される。
Wondershakeは、Facebookで各自が登録した興味のある項目(人・モノ・コト)を通じ、人と人の新たな繋がり方を提供するアプリ。自分のページには、下の画面のように興味関心のある項目が列挙され、シェイク(いわゆるチェックインだが、実際にシェイクして行う)することで、それらの情報が場所や建物に送信され、同じ場所にする人と共有される仕組みだ。
「好み」をベースとしたソーシャル情報活用を「テイストグラフ」と鈴木氏は説明する。彼は、好き嫌い、興味があるといった直感的な情報を収集し、適切な形で活用することで、人と人の価値ある繋がりを形成することができると考えており、Wondershakeでは単にFacebookのデータをマッシュアップするだけでなく、“最近関心を持っている” 項目をフィルタリングするなどのアルゴリズムを導入するなど多面的なブラッシュアップを行っている。
鈴木仁士氏は、2010年10月、日本人として初めてサンフランシスコ「SF New Tech」に出場。Tech Crunch Japanが2011年主催したイベント TECLOSIONのプレゼンコンペやOpen Network Labのプレゼンコンペで優勝をさらっている。
実際に利用すればすぐわかることだが、“企画がいけてます”・“機能が豊富です” で終始しているアプリとは一線を画する世界観を持ったプロダクトという印象を誰もが持つだろう。彼は、ナイジェリア・イギリス、そしてサンディエゴと世界を経験しつつ日本を観てきた中、明確な目的意識を持って起業した(先日学校も卒業したとのこと)。まだスタートを切ったばかりではあるが、彼がイメージする壮大なストーリーは、日本発世界という巨大な潮流へのドアを拓く役目を果たすような気がしてならない。
Wondershake Demo Movie from Wondershake on Vimeo.
■ 関連URL
・Wondershake
http://www.wondershake.com/
・App Store
http://itunes.apple.com/jp/app/wondershake/id446663481
本文でも延べた通り、僕はこのアプリを試用させてもらった時、最も強く感じたのが魅力的な世界観だった。勉強熱心な日本人による、よくある小手先のテクニック→自己満足の連鎖ではなく。全てのギミックやルックアンドフィールに何らかの意味がある。たとえば 以下のような遊びもあるのだが、こういった積み重ねやフィロソフィーの反映が、単なるソフトウェアではなく作品へと昇華する役目を果たしているように思えるのだ。
今回のリリースは渋谷恵比寿地域のみで、それ以外の地域では利用できない状態(GPSで判定)。しかし、可能であれば来週7/13に浅草で開催するTechWaveイベントでは使えるようにして欲しいと、熱烈アピール中。
コードも書けるジャーナリスト。イベントオーガナイザー・DJ・作詞家。8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代は週刊アスキーなど多数のIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーでベンチャー起業に参画。帰国後、ネットエイジで複数のスタートアップに関与。フリーで関心空間、富裕層SNSのnileport、@cosme、ニフティやソニーなどのブログ&SNS国内展開に広く関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。“IT業界なら地方で成功すべき”という信念で宇都宮市から子育てしながら全国・世界で活動中。 / ソーシャルアプリ部主宰。大手携帯キャリア公式ニュースポータルサイト編集デスク。
Wondershakeを絶賛する人を何人も知っているし、これまで幾つかの大会で優勝したのも知っている。それでアプリを見せてもらったら確かに完成度は高そう。
でもここ半年で同じようなアプリを何十個も見てきた自分にとっては、「またこの種のアプリか」というのが正直な感想。多分、世の中には同じような位置情報系のアプリは数百個くらい存在するんじゃないだろうか。完全なレッドオーシャンだ。なぜみんなそこを狙うんだろう。
鈴木さんに直接会う機会があったので、そのことを正直に彼に伝えた
。
反論を待っていた。
「でもですね。僕のアプリはですね・・・」、負けず嫌いの連中は自分が十分な情報を持っていないことを指摘されたときに、必ず陳腐な反論をするものだ。
でも彼は違った。陳腐な反論はなかった。「そうですか・・・」と素直に少しうなだれたあと、「でも世界の同様のアプリの中でどの程度善戦できるか一度はやってみたいんです。それでだめだったら、その次には湯川さんの言うように、人と違う領域で新しいものを作っていきたいです」。
そうか、この謙虚さと素直さが、人を魅了するのか。彼の周りに人が集まる理由が分かった。
そう失敗してもいい。失敗から学んで次に成功すればいいのだと思う。
Wondershakeが世界のマーケットでどの程度善戦するのかは僕には分からない。でも鈴木仁士という人間には期待してもいいんじゃないかと思う。