iPhoneの音楽プレイヤーを再定義する「Panamp」【増田(@maskin)真樹】

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maskin

Editor In Chief at TechWave.jp

1990年代初頭から記者としてまた起業家としてITスタートアップ業界のハードウェアからソフトウェアの事業創出に関わる。シリコンバレーやEU等でのスタートアップを経験。日本ではネットエイジ等に所属、大手企業の新規事業創出に協力。ブログやSNS、LINEなどの誕生から普及成長までを最前線で見てきた生き字引として注目される。通信キャリアのニュースポータルの創業デスクとして数億PV事業に。世界最大IT系メディア（スペイン）の元日本編集長、World Innovation Lab(WiL)などを経て、現在、スタートアップ支援側の取り組みに注力中。

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[読了時間:2分]

　大容量ストレージに音楽を入れてスマートに聴くーーー音楽好きにとって、そんな素晴らしい体験をもたらしてくれたiPodはかけがえのない存在といえるだろう。しかし、iPhoneの音楽プレイヤー(iPod)は必ずしもベストではないように思える。少なくとも筆者は、iPhoneを持つようになり、音楽に接する機会が減っていた。

　しかし、スイス・チューリッヒのClever & SonがリリースしたiOS用音楽プレイヤー「Panamp」(250円)は、音楽を再生する楽しさを倍増してくれる。iPod以上の楽しさ。好きな音楽を、今まで以上に愛でることができるのだ。

　メーカーは「ずばりiOSネイティブの音楽再生アプリの進化形」というが、まさにその通りという印象。タイル上に楽曲やアルバム名、アーティスト名等が並ぶ。タイルばっかりの世界に始めは「どう使うの?」と戸惑うかもしれないが、しばらく触れていると次第に快適になってくるに違いない。

　タイルをタップすれば曲が再生される。アルバムのタイルならその下に曲リストが表示される。タイルを左にスライドすると検索。右にスライドすると、アドホックな(一時的に使用できる)プレイリスト(「ダイナミックQueue」という)に追加される仕組みだ。

　特に左スライド時の検索機能が素晴らしい。左にスライドすると、曲、アルバムにかかわらず、それに関連するアーティストやアルバム、曲を検索してくれるのだ。例えば、コンピレーションアルバムで「この曲いいな」と思ったとする。そこで左スライド。すると、その曲のアーティストやアルバムがずらっと検索される仕組みだ。

　もちろん、iPhoneのiPodプレイヤーと同じような操作は全てカバー。iTunesプレイリストはサポートしているし、AirPlayや、今後登場するiCloudもサポート。Apple純正ヘッドセットのリモートコントロールもOK。純正プレイヤーと同じように、ロック画面から操作も可能だ。

　何より以下のムービーを見て欲しい。スタイリッシュなだけじゃない、音楽を聴くという行為が本当に進化したように感じるのだ。

【関連URL】
・Panamp – The Music Player
http://panamp.cleverandson.com/

蛇足：僕はこう思ったッス
UIの変容だけで、ここまで音楽体験が進化するとは思ってもいなかった。しかしながら、タッチパネル型デバイスの普及に伴い、こうした革命はあってしかるべきなのだろう。ウェブサイトやPC/ゲーム機向けソフトウェアなら(ソニーのXMBなどのように)こういったUIを統一ブランドとして展開することも考えられたかもしれないが、アプリとなると機能的特徴と深くフィットしているためそうはいかない。逆に、こうしたUIレベルの革新さを備えたアプリは、デバイス内覇権を勝ち抜くだけのポテンシャルを持っていると言えるのかもしれない。