- 自分が死んだとき何を残したいですか?:MIT 石井裕教授 「未来記憶」【梶原健司】 - 2013-02-26
- 使い途もそれぞれ – 徳島で花開くIT企業のサテライトオフィス事業【本田】 - 2012-12-25
- ガイドブックじゃ物足りない?アジア地域で350以上のユニークな旅行体験ができる「『Voyagin(ボイジン)』」が本日リリース【三橋ゆか里】 - 2012-12-19
[読了時間:5分]
TechWaveコミュニティーの中心メンバーの一人である鈴木まなみさんが、そういった旅行系サービスを使った体験記を寄せてくれました。本人のブログから一部加筆修正した転載です。(本田)
鈴木まなみ
(@rin2tree)
先日、PCが使える店にいたら、両隣の女の子のグループが「キャッキャうふふ」していた。両方とも旅の計画を友達と一緒に立てているようだった。リアルで集まらなくてもWEBを通してやり取りしてもいいのに・・・と思った。
また、個人的に久しぶりに海外旅行をしたこともあり、これを機に、気になっていた旅行系WEBサービスを使ってみた。
最近は、旅行計画をシェアしたり、他の友人から助言がもらえたり、位置情報サービスと連動したりというサービスが増えてきたので、そこを重点的に見ていきたいと思う。
試したサービスは
・gtrot
・gogobot
・tripit
・tripline
・4travel
以下、それぞれのサービスを使ってみた感想を・・・
行きたい都市の訪問経験のある友達が分かる「gtrot」
<サービス概要>
友達からアドバイスをもらえるサービス。「あの国へ行きたいなぁ」というプランを立てると、そこにいる友達、もしくは行ったことのある友達が分かったり、アドバイスをもらえたりする。
※サービスの詳細はこちらを参照→Facebookと連動して旅行プランを友人と簡単にシェア
<長所>
- 都市を登録すると、その都市に行ったことのある友達を教えてくれる
・Facebook Places(FBplace)とも連動しているので、gtrotに登録していない友達でも表示される
※foursquare(4sq)のチェックインとも連動してくれるといいのに。 - 一つの旅に対して複数都市を入力できる
※これが出来るサービスがなかなかない。自分の今までのtrip一覧を簡単に作れた。 - 都市名の登録が簡単・正確
・都市名に関してはインクリメンタルサーチで都市が確定され、Google Maps(地図)に反映されるので、間違えない
※でも、都市名でない場合はどのように入れたらいいのか迷う。(例:チョベ国立公園) - バッジがある
・国の数、都市の数、大陸など(ここはちょっとつまんない)
※ただ、単純なものばかりなので、制覇欲をかきたてる工夫やゲーミフィケーション要素があるといいのに。
<短所>
- 旅行プランを作るまではいかない
・行こうとする都市名が分かるだけ。詳細を登録出来たり、スポットを登録出来るわけではない。 - 旅に関する情報はない
<まとめ>
とてもシンプルな作りなので、今までの海外旅行の履歴を入れやすい。また、リアルな友達に、簡単なアドバイスをもらうためのツールとしてはいい。FBpalceでFacebookでの友達が行ったことのある場所を教えてくれる点はソーシャルグラフを活かしている。「今までここに旅行に行ったことがあるの」なんて会話にちょうどいい。
ちなみに、自分の今回の旅行はこんな感じ。→http://gtrot.me/mxiPT
簡単に旅行レビューを共有できる「gogobot」
<サービス概要>
旅行レビューを共有出来るサービス。旅行前の情報集めとして有効。
※サービスの詳細はこちらを参照→世界を旅してスタンプ収集!gogobotのパスポートコレクション
<長所>
- スポット単位で口コミ、評価がわかる
・観光スポット、レストラン、ホテルなどの情報もある - 知らない人からもアドバイスがもらえる
・gogobot利用者に向けてアドバイスをなげかけられる - 写真が多い
・Flickrと連動していて写真が多く、見ていて楽しい - ゲーミフィケーション要素がある
・バッジ、ランキングがある - 4sq、FBplaceと連携している
・チェックインした場所を簡単にpassport登録できる
※ソーシャルグラフをもっと活用したらいいのに。 - Likeがある
<短所>
- ログにtrip単位がない
・1tripに対して複数都市の登録ができない
(厳密にいえば出来るが、都市とスポットが並列になって使いにくい) - 使いにくい
- 旅行プランを作るまではいかない
- 時間軸がない
・行った都市を時系列に並べられず、旅程は作れない
・レビューにおいても時期は大切な要素だと思う
<まとめ>
色々な事が出来るのだが、盛り込みすぎで使いにくい印象。ページの配置に関しても何を一番にさせたいのかユーザを迷わせる設計。ただ、旅行前の情報収集としては利用者が多いところであれば使えそう。
ちなみに、自分の今回の旅行はこんな感じ。
http://www.gogobot.com/manami_suzuki-going_to_amsterdam_netherland-trip
オンライン予約の旅程表を1つにまとめるサービス「tripit」
<サービス概要>
旅行のプラン(旅程表)を作れる。同サービス宛てに旅行予約の確認メールを転送すると旅程表が出来上がる。他者と共有も可能なので、友達と一緒にプランを立てることも出来る。
※サービスの詳細はこちらを参照→オンライン予約の旅程表を1つにまとめるサービス
<長所>
- 旅程表が作れる(時間軸がある)
・旅行予約の確認メールを転送すると旅程表が出来上がる。
・メールの取り込みをしなくても手動で便名を入れると、発着時間などが自動で入力される。
・必要事項をまとめられるので旅行時に便利 - 友達ともプランを共有できる
※同時編集機能などがあるとさらにいいのに・・・
<短所>
- 住所などを入れないと、行ったことがある都市として認識しない
・都市レベルでの登録が出来ない
・そのため、昔の旅行を遡って登録しにくい。
※過去の軌跡を残すにはハードルが高い。 - 勝手に項目として追加される「Map of …」や「Directions…」が結構じゃま
・ホテルのチェックイン時刻を変更しても、それに付図した地図の時間が変わらない - 旅行前の情報はない
- アドバイス機能などはない
<まとめ>
目的が「旅の予約情報をまとめる」ことなので、過去の軌跡を残しにくいことや、旅行の情報がないのはしょうがない。旅行時に持ち歩く用の旅程表として利用出来る。旅程表が作れる(細かい時間軸がある)のはこのサービスだけだった。
ちなみに、自分の今回の旅行はこんな感じ。
http://www.tripit.com/trip/public/id/81325EAADFF3
Google Maps上に視覚的な旅程作りを楽しめる「tripline」
<サービス概要>
旅行する都市を登録すると、それをGoogle Mapsに視覚化し簡単に色々な人と共有出来る。旅を追体験出来るサービス。
※サービスの詳細はこちらを参照→計画の旅, 実際の旅, そして架空の旅, 地図上で対話的/視覚化な旅程作りを楽しめるTripline
<長所>
- Google Maps上にポイントだけでなくラインが引かれる(時間軸がある)
・全体像を把握しやすい - 各種サービスの位置情報(チェックイン情報)をインポート出来る
・FBplace、4sq、Twitter、tripit、gowalla
・時間と場所が自動的に登録される - 写真を外部サービスから取り込める
・Flickr、Picasa、Facebookと連動
<短所>
- とにかく作りにくい
・後からスポットを追加したり、順番を変えたり出来なかった。
・作成後の修正が難しく、スポットの順番を間違えると、また最初から作成になる。
<まとめ>
ルートがGoogle Mapsにラインで示せるという視覚的な楽しさがある。時間軸があるので旅程として共有が出来る。外部サービスとの連携によるチェックイン情報や写真の取り込み部分は素晴らしい。
ちなみに、自分の今回の旅行はこんな感じ。
http://www.tripline.net/trip/beer-trip-243264472643100481FDFEB85ADBFB6A
日本最大級の旅行クチコミサイト「4travel」
<サービス概要>
日本の旅行クチコミサイト。旅前の情報収集や、ツアーの比較などが出来る。また、旅の後の旅行記が簡単に作れる。
<長所>
- 旅の前の情報収集が出来る
- ツアーやホテル予約に関して比較が出来る
- 旅行記を作れる
・他人からの評価もある
※チェックインサービスとの連動や時間軸もあるといいのに。 - 塗りつぶし地図がある
・旅行記を作成した国に関して、地図上に色が塗られる
<短所>
- ソーシャルメディア活用がない
<まとめ>
旅の前の情報収集としては、日本語なので一番役に立つ。旅行記に関しては、登録しなければいけない項目が多かったり、写真を用意しなければいけなかったりと、作成までに時間がかかりハードルが高い。ただ、塗りつぶし地図が好き。
ちなみに、自分の今回の旅行はこんな感じ。
http://4travel.jp/traveler/takiren/album/10603647/
http://4travel.jp/traveler/takiren/album/10603981/
http://4travel.jp/traveler/takiren/album/10603994/
総括
- 旅行前の情報収集
→レビューサイトである「4travel」「gogobot」
→リアルな友達にアドバイスをきく「gtrot」 - 旅行プランを友達と共有、そして旅行中の自分メモ
→tripit - 旅行後の共有
→4travel、tripline
という使い方だろうか。
個人的に一番おもしろいと感じるのは「gtrot」。今のところはシンプルな作りのため出来ることも少ないが、それがよくも思える。また、他にはない「リアルな友達がその都市に来たことがあるかどうかが分かる」というソーシャルグラフ活用が入っており、今までとは違う形の旅の情報収集の提案が入っている。
なので、その部分を強化するためにも、4sqのチェックイン情報も反映してほしい。あとは、アドバイスのやり取りをもっとcoolにしてほしい。例えば、ナレッジ(Q&A)をため込める形にするとさらにいいと思う。と、サービス提供者の視点から見ると改善の余地があるという意味で、一番料理のしがいがある気がする。
また、他のサービスで好きな点は、
・triplineの見せ方と外部サイト連携
・旅行プランという意味では唯一tripitだけ(日本では旅スケがあるが・・・)
この2つのサービスは「旅のストーリーが分かるだけの時間軸がある」ことも好き。
そして
・4travelの塗りつぶし地図
また、ゲーミフィケーション的な要素は、サービスを利用するモチベーションとしてとても重要だと思う。どのサービスも行ったことのある国数や都市数などの視覚化(数値化)はしていた。もっとゲーミフィケーション的見せ方をすれば、利用も増えるだろう。
バッジという形でゲーミフィケーション要素を取り入れていたのは以下2サイト
・grtot
・gogobot
4travelの塗りつぶし地図はすごくそそられたが、塗りつぶすためには旅行記の作成が必要で、その旅行記の作成に時間がかかるため、途中で挫折してしまった・・・。登録をするモチベーションとしてはすごくいい要素なのに、それ以上に旅行記作成のハードルが高すぎた。私は自分の今までの旅の一覧を作りたかったが、その欲求に初めて答えてくれたのは「gtrot」だった。
今回自分の旅一覧を作り切れた要因は、以下の2点のような気がする。
・シンプルな作り(登録が簡単)
・旅単位でまとめられることが出来た
gtrotに塗りつぶし地図がついたら、行ったことのある国の登録数がきっと増えると思う。登録のハードルが低いから。
サービスは機能を盛り込みすぎると使いにくくなる。gtrotは今はシンプルだからいいが、今後機能を追加する際に「使いやすさ」は捨てないで欲しい。
旅行サービスに全般に関して
・位置情報系サービスの活用
・ゲーミフィケーション要素の活用
・ビジュアル的な見せ方の工夫
・使いやすさ
においてのさらなるバージョンアップを期待したい。
※今回は以下にまとめたサイトのうちの5サイトを試してみた。
▼気になる旅行サイトまとめ
http://matome.naver.jp/odai/2131184002827375501
2000年からITの世界に入り、 地図、乗換と生活に密着した便利系サイトのプロデューサーと、経営企画や新規事業企画などを担当。 今の興味はSOLOMOCO(Social Local Mobile Commerce)、テイストグラフ、ビッグデータ。
位置情報サービスの企画、コンサルします。連絡先はrin2tree[アットマーク]gmail.comまで。