位置情報ソーシャルマーケティング始まる。チェックインを集約して可視化する「T-rexa(トレクサ)」ベータが公開 【増田(@maskin)真樹】

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[読了時間:3分]

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 2011年6月に1000万ユーザーを獲得したfoursquareが9月20日、10億チェックインを達成した。北米で大ヒットの位置ゲー「MyTowm」も国内参入するなど位置情報連携サービスはますます勢いを増しそうな様相だ。しかし、ソーシャルメディア上にあふれる位置情報付き投稿はどうなっているか? いまいち活用し切れてないような気がしてならない。

 そんな中、ナイトレイは9月27日、ソーシャルネットワーク上に配信されている位置情報付きの発言を集約して解析する新サービス「T-rexa(トレクサ)」のベータ版を公開した。「foursquare」や「ロケタッチ」といった位置情報連携サービスで発信された情報を横断的に集約し、店舗や施設等、地域における消費者の動向を解析できるウェブベースのサービスで、無償で利用できる。



 現在、対応している位置情報連携サービスはfoursquare、ロケタッチ以外にもInstagram、はてなココ、Gowalla、レコチェック、ランブリンがあり、公開されているデータを月間で40万件ほど収集&蓄積している。現在は100万件ほどのデータが蓄積されている。β版とはいえ、各拠点ごとに、何の位置情報サービスを利用し、どのような投稿をしているかを表示するだけでなく、訪問人数、訪問者リスト、コメント一覧、日別、時間帯別、曜日別の推移などを解析可能。機能制限はないため、店舗を運営する企業によるキャンペーンの効果測定や消費者とのコミュニケーションに活用できる手軽な「ソーシャルマーケティングツール」として活用することができる。

 情報の検索は、スポット名もしくはユーザーコメントに対しキーワードマッチで行うもので、地名や駅名、施設の名前を入力する。

チェックインされてる店舗やスポットがまるわかり

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 上の図は「渋谷」で検索したページのトップ。単純に“渋谷”という名前で登録されたスポットが検索対象となっている。Activityは投稿数。Peoplesは投稿したユーザーの数だ。検索結果に表示されたスポットリストを選択して詳細解析を見ることもできるが、絞り込まずにこのまま解析結果を見ることも可能。駅中心の都市部であれば、駅名がついたスポットが多いため、「渋谷駅」とするよりも「渋谷」逆に詳細に渡り解析できる印象だ。

 興味深いのは「チェックインの多いプレイス 上位20位」と「発生頻度の高いワード 上位20位」。例えば東京の交通の拠点、渋谷駅なら、ホームやバスターミナル、待ち合わせスポットが上位に浮上する。

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 一方で、沿線駅などで検索すると、駅だけでなく人気のお店やコンビニなどが浮上してくる。そのスポット周辺での消費者の行動概要が反映されていることが伺える。以下は、東急井の頭線「神泉」駅をターゲットにしたもの。渋谷から1駅しか離れていないのに、チェクイン上位、ワード発生上位ともに特徴が全く異なる。

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 もちろん、施設名でも検索できる上、フランチャイズ等のブランド名を入力すれば「ある牛丼チェーンで最もチェックインされている店舗はどこ?」といったことも見えてくる。巨大な施設では “何をやっているか” が見えるし、特定の店舗名に絞り込めば、よく言及されているメニューがわかったりする。

 検索するだけで、自分が日頃利用するスポットで誰が何をしているのかだけでなく意外な発見もあったりする。データは、リアルの世界に密接でかつ行動に直接関係のある消費者の投稿であるため、ソーシャルメディアの投稿テキストだけを分析した場合とは比較にならないほど精度が高い。さらにデータ数が豊富になったとすれば、仮に企業などが「人気のこの場所に、消費者の行動にマッチしたインタラクティブ広告を打ちたい」と思った時に、強力な指標データが得られると考えられる。

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時間や曜日ごとの投稿頻度などを確認可能

 同社 CEO 石川豊氏は、ネットエイジでモバイルポイントや携帯広告などの事業を手がけてきた中で、いよいよソーシャルマーケティングの時代が到来すると確信したのだという。「店舗スタッフとお客さん、お客さんとお客さん同士のコミュニケーションを豊かにしたいという考えと持っていたんです。スマートフォンが普及したり市場環境が変化し、いよいよこの事業を本格展開できると判断しました。位置情報解析市場は2016年に90億米ドルになるという調査もあり、企業向け情報提供が主力となりそうですが、消費者向けのサービスにも力を入れつつコミュニケーションをよりリッチなものにしていきたいと考えています」。

 ナイトレイは今後、情報収集能力を向上し、月間で国内は150万件、北米やアジア、中国でも月間1000万件ほど獲得ていく考え。企業向けにソーシャルマーケティング機能を拡張したT-rexa有料版や、データ解析結果から有効なアクションに結びつけるためのコンサルティングサービスの提供も予定しているとのことで、どんな内容になるか注目される。

【関連URL】
・T-rexa(トレクサ)
http://t-rexa.com
・ナイトレイ
http://nightley.jp/
・ナイトレイ Facebookページ
http://www.facebook.com/Nightley

蛇足:僕はこう思ったッス
プライバシーに留意する必要はあるが、位置情報連動型サービスを受け入れる流れがおさまる気配がないように思えるのは強力な追い風になるのではないだろうか。

著者プロフィール:TechWave副編集長・イマジニア 増田(maskin)真樹
 8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代は週刊アスキーなど多数のIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーでベンチャー起業に参画。帰国後、ネットエイジで複数のスタートアップに関与。フリーで関心空間、富裕層SNSのnileport、@cosme、ニフティやソニーなどのブログ&SNS国内展開に広く関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。“IT業界なら地方で成功すべき”という信念で宇都宮市から子育てしながら全国・世界で活動中。emacs使い。イベントオーガナイザー・DJ・作詞家。 / ソーシャルアプリ部主宰。大手携帯キャリア公式ニュースポータルサイト編集デスク。

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Editor In Chief at TechWave.jp
1990年代初頭からソフトからハードまで50以上のスタートアップ立ち上げを国内外で経験。平行して雑誌ライターとして疾走。シリコンバレーでガレージベンチャーに参画後は、国内でネットエイジを筆頭にスタートアップに多数関与。ブログやSNSの国内啓蒙、ソニーの社内イノベーション事業など関与。通信キャリアのニュースポータルの立ち上げ期の編集デスクとして数億PV事業に育てた後、TechWaveにジョイン。世界最大のグローバルIT系メディアであるスペインの「Softonic」の元日本編集長
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