9兆円の市場!?ソーシャルリクルーティングの可能性と、その重責。【池見幸浩】

寄稿

[読了時間:1分]

 今日(2011年12月1日)は、日本経団連の新方針に準じ、大手求人サイトが2013年度新卒採用のページを正式にオープンする日です。また、FacebookはKDDIと共同で特設ページ「就活応援サイト」を開設します。
 さらに昨日(11月30日)、サイバーエージェント・ベンチャーズ(CAV)がソーシャルリクルーティングサービスに関する企画・開発企業garbs(ガーブス)への出資を発表。早速、ソーシャルリクルーティング市場の今後の可能性についてgarbs池見さんから寄稿頂きました。(本田)

池見幸浩

 初めてソーシャルリクルーティングに関してTechWaveに寄稿させていただいてから、約半年。この間にソーシャルリクルーティングを取り巻く環境はおかげさまで激変しました。

 ソーシャルメディアを活用した人材採用/就職活動の手法である「ソーシャルリクルーティング」という用語の認知度は劇的に上がり、多種多様なサービスも生まれ始めました。

 今回は改めて、ソーシャルリクルーティングの「可能性」と、その「重責」についてまとめます。

大きな「うねり」を迎える9兆円超の人材サービス産業

recruiting-logos 11月21日(月)、人材サービス産業の民間団体である
・社団法人全国求人情報協会(会長:丹澤直紀)
・社団法人日本人材紹介事業協会(会長:佐々木和行)
・社団法人日本人材派遣協会(会長:坂本仁司)
・社団法人日本生産技能労務協会(会長:清水竜一)

が、人材サービス産業の機能や社会的役割、今後の労働市場の課題に関する研究報告をまとめ、人材サービス産業の取り組みに関する共同宣言を発表しました。

 4団体では、労働市場の変化や人材サービス産業が果たしてきた役割、今後の労働市場を踏まえ「人材サービス産業が取り組むべき5つのテーマ」を設定し、このテーマの推進に向け、人材サービス産業を横断連携する組織である「人材サービス産業協議会(仮称)」を発足させ、5つのテーマを推進するためのプロジェクトを立ち上げ、取り組みの具体化に向け検討を開始するとのことです。

【人材サービス産業が取り組む5つのテーマ】
1.マッチング・就業管理を通じたキャリア形成の支援
2.採用・就業における「年齢の壁」の克服
3.異なる産業・職業へのキャリアチェンジの支援
4.グローバル人材の採用・就業支援
5.人材育成を通じた人材サービス産業の高度化

 また、下記のとおり人材サービス産業の市場規模は、介護、衣料品、電子部品・デバイスなどより大きく、国内で約9兆円であることも発表。

図1
出展 2020年の労働市場と人材サービス産業の役割 人材サービス産業の近未来を考える会

 上記にある「人材サービス産業が取り組む5つのテーマ」を実現させる上で、また、現在存在する801万件の求人と、475万人の求職者をマッチングする上で、インターネットの力は必須となり、その一つが企業のソーシャルメディアを活用した採用手法であるソーシャルリクルーティングであることは間違いなく、ソーシャルリクルーティングの進化と発展は、もはや日本経済にとって、非常に重要な要因です。

 人材サービス産業が、今まで日本経済に貢献してきた役割は、転職コストの軽減、成長産業への労働移動への促進、労働市場への参入・再参入支援、啓発活動による構成な採用の促進など(出展 人材サービス産業の近未来を考える会)がありますが、「より良い未来へのきっかけを提供する」ために、業界全体で新しい可能性となるインターネットを最大限活用し、更なるサービスの向上を目指すことで、日本経済そのものの活性化につながると確信しています。

アメリカ労働省が、Facebookとパートナーシップを発表。

 とうとうアメリカでは、労働省が10%に近いとも言われる完全失業率のテコ入れに、ソーシャルリクルーティングを活用することを10月20日に発表しました。

 現在は、全米の大学や企業で構成されるNational Association of Colleges and Employers(NACE)、企業人事関連の非営利団体であるDirectEmployers Association、アメリカ各州の雇用支援機関National Association of State Workforce Agencies(NASWA)と連携する「Social Job Partnership(http://www.facebook.com/socialjobs)」というサービスをFacebook上で開始し、Facebookを使って求職した経験や、友人を手助けした経験などの情報を収集するに留まっていますが、将来的には、求人情報を「無料で」掲載することで、企業と求職者のマッチングを実現する予定とのことです。

図2 この背景は、統計的には、アメリカの就業者数1億3946万人(2010年米:アメリカ労働統計局「Labor Force Statistics」)中、実に61%となる8500万人以上の人々が積極的に求職に興味をもっており、その80%以上がFacebookを活用しているという事実があるためです。

 また、昨年同時期比で150%以上の伸び率となる全就業者中2200万人以上の求職者が、直近の仕事をSNS経由で見つけたという事実は、如何にアメリカでは、すでにソーシャルリクルーティングが一般的か理解できる数字です。

 我々の人材サービス産業では、人の人生を大きく左右する、とても社会的意義と重責をもった産業である以上、安易な考えのみでの新規参入は、決して望まれるものではありません。ただ、今はまだ、ソーシャルリクルーティングサービスを提供する各企業が、生みの苦しみとも言える試行錯誤の段階で、今までの慣習慣例、変化への抵抗などに負けることなく、決意と信念をもって日々精進することが、日本経済にとって大きなきっかけとなるのです。

池見幸浩著者プロフィール:池見幸浩(いけみ ゆきひろ)

株式会社garbs 代表取締役。
株式会社grooves 代表取締役。

2004年3月に3,000社以上が利用する国内最大の人材紹介会社向けのマーケットサイト「人財紹介net」の企画・運営を行なう株式会社groovesを設立。
2011年1月には国内初のソーシャルリクルーティングサービスの企画・運営を行なう株式会社garbsを設立。
現在、グループで世界19ヵ国、約3,500社のユーザーへインターネットサービスを提供している。

http://www.social-recruiting.jp/
http://twitter.com/Social_JOB

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