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2011年12月22日に公開されたschoo(スクー)WEB-campusは、動画による生放送をベースにしたオンラインの学びの場である。ターゲットはビジネスにクリエイティビティが求められる全ての人とし、講師の話を受け、ユーザーみんなで意見を交わし合える仕組みを用意しているとのこと。
初回の配信は2012年1月12日。ロケットスタートの古川健介氏による「ビジネスアイデアとは何か」からスタート。その後もカヤックの柳澤大輔氏、ハイパーインターネッツの家入一真氏などTechWaveの読者にとっても豪華な講師陣が名を連ねている。登録・受講ともに無料。
早速、株式会社スクー(schoo,inc.)代表の森健志郎氏にその狙いを聞いてきた。
スクーを作った理由や経緯
「学び」は今でもまだ「奈良時代からあったような方法が続いている」と森さんは切り出した。つまり、黒板の前で座って一方的に聞くだけ。それぞれ何かを得るだろうが、受講生間での共有もなされない。「新しい学びの選択肢を打ち出すことで、解決出来ない問題を解決したい。そのためのプラットフォームがスクーwebキャンパス」である。
森さんは自身を「完全に右脳タイプの人間」と評価する。
「今回のプロジェクトも『webに学校をつくろう、あったら面白いんじゃないか』と周りの人に言ったら、協力してくれてこんな形になった。思い立ったのが3月下旬、周りのロジックは周りが助けて詰めてくれた。」
中西さんによると、実は最初森さんは「国を作りたい」と言っていたそうだが、中西さんを初め集まったメンバーが上手にブレイクダウンした結果がここに結実したわけだ。
また、教育に着目した理由は、教育の仕組みを変えたいのではなく、世の中を変えたいという思いの方が強いという。
「なぜ教育を選んだのかは、教育がすべての根源だから。世の中の問題は教育が良くなれば、全て加速度的に良くなるのではないかと思っている。そういう一番根幹のディープな部分に自分の一生を捧げる方が面白いというのが一番の理由です。」
授業の特徴
既に発表されている授業予定ページを見るだけでも、参加したくなるような講師陣が名を連ねる。
授業では答えのないテーマを扱う。例えば柳沢さんは「ユニークとは何か?」、家入さんは「応援されるアイディアとは何か?」。そういったテーマについて講師が私見を出し、それを聞いたユーザーたちが授業後にコメントをしていく。意見が重なったり、違う人の視点から広がったりするところを目指していきたいとのこと。
機能としてはUstreamをマッシュアップしたサービスになる。まだ画面は見せてもらえなかったが、森さんらの一番やりたいことは、やはり授業終了後ユーザーに感想をアウトプットしてもらうことにある。
「今の世の中の学びって、インプットしておしまいということが多い。例えば、(あるwebのコンテンツに)『いいね!』を押してFacebook上に公開して終わり。その先に他の人がどう思ったのかという意見の広がりが見えない。それって本当に学べてるんだったっけ? そういうところに僕達は疑問を持っていて、僕達の授業は受け終わった後、その授業についてみんなで意見を交わし合うということを大事にしている。だから、授業が終わったら、みんなに書いてもらいたい。」
今後について
登録の認証にはFacebookが必要だ。これは、荒らし対策以上に今後の機能追加を見据えた措置である。例えば、同じ分野を学びたい人同士が繋がったり、そういう人たちが地域や知り合いかどうかを超えてグループを作ったりすることが出来るようになる。
さらに長期的には、誰でも私塾を持てるサービスにすることを目標にしている。ユーザーがスクーwebキャンパス上で、自分の得意な分野で何かを伝えるプラットフォームにしたいそうだ。
取材協力(会場提供):Lightningspot
私も、TechWave塾という少人数制の勉強会の運営に関わっています。そこで講師の話以上に重視しているのが、受講生のディスカッションや質疑応答。それが講師に対する最大の返礼ですし、受講生の数を絞っているのも、ここの質を上げたいからです。
スクーは僕らと考え方は近いですが、実名とはいえオンラインで多数の人が集まる点が異なります。意見を出し合うことは出来ますが、それぞれがバラバラに分散されず、議論の流れが上手く見えるような仕組みがあるといいなと思います(まだ実際のサービスを体験していませんが)。もしかしたらそれは、人間によるファシリテートなのかもしれません。
「敷居を低く、ファミレス気分でみんなが当たり前に使う場所になりたい」と語る森さん。いずれにせよ、年明けの開講が楽しみです。
写真家、広義の編集者。TechWave副編集長
その髪型から「オカッパ」と呼ばれています。
技術やビジネスよりも人に興味があります。サービスやプロダクトを作った人は、その動機や思いを聞かせて下さい。取材時は結構しっかりと写真を撮ります。
http://www.linkedin.com/in/okappan
iiyamaman[at]gmail.com