2011年国産コンテンツファームまとめ、各社の次期戦略は?【徳永達磨】

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[読了時間:2分]

まとめ記事の寄稿をいくつか頂いたのですが、こちらの原稿が最もよくまとまっていたので紹介します。個人的には、nanapiの記事は自分のFacebookのニュースフィードで多くシェアされている印象で、こういったコンテンツの持つ簡便さが好きです。(本田)

徳永達磨
(@TatsumaTokunaga)

 今年はグーグル社のパンダアップデートが話題となり、それに合わせて国産コンテンツファームが注目された一年でした。

 そもそもコンテンツファームとは、ライターが大量の記事を作成し、ニッチワードやスペルミスなどのクエリーの検索結果からアクセスを集め、読者に広告をクリックさせて収益を得るビジネスモデルです。米Demand Media社のeHowに代表される、品質の低い記事を毎日数千本も作成するようなイメージを持たれている方が多いのではないでしょうか?

 パンダアップデートでは、このような記事を検索結果のランキングから下げる、あるいは排除することを目的としていて、まさにコンテンツファーム対策とされていました。それを受けてか、国産コンテンツファーム各社も記事を大量に作成するフェーズから、戦略を練り直して次のフェーズへ向かおうとしています。

 今回は有名どころの次期戦略をまとめてみました。

  1. nanapi(ロケットスタート社)
  2. OKGuide(オウケイウェイヴ社)
  3. 知恵ノート(ヤフー社)
  4. その他(FC2ノウハウハウコレのうはう!Recipo

 ハウツーサイトとして認知されてきたnanapi、元祖Q&AサイトのOKWaveが運営するOKGuide、今月開始した最後発の知恵ノート、そしてそれ以外のハウツーサイトの4つに分類しました。

1.nanapi(ロケットスタート社)

図01 昨年、グロービス・キャピタル・パートナーズから3.3億円を資金調達したことで話題になりました。ハウツー記事のことを「ライフレシピ」と呼んでいて、ヘルプによると“生活の便利なテクニック”とのことです。空クエリーで検索したところ、執筆時点で27,754件の記事があるようです。各記事にはインタレストマッチ広告が掲載されています。

 「教えて!goo」への記事提供など、ポータルサイトへの記事提供も行なっています。
・教えて!goo ライフレシピ:http://oshiete.goo.ne.jp/liferecipe/

 初期のマネタイズとしては、企業とコラボした「スペシャルレシピ」という、複数の記事をまとめたページを展開していました。

 最近でも「はたらいく」とコラボしたスペシャルレシピが公開されていますので、これはこれで順調にマネタイズできていると思うのですが、今月大きく舵をきりました。「nanapi Web」という、“みんなで作る、Webサービスの使い方サイト”を公開したのです。

 nanapiは恋愛系の記事が充実している印象があったのですが、これからはWebサービスに特化したハウツー記事を集めていくようです。いくつかのWebサービスでは、ヘルプなどのリンクをクリックするとnanapi Webへ移動するようになっていたりします。このあたり、企業から依頼を受けて記事を作成し、報酬を得るというマネタイズが、今後考えられそうです。

2.OKGuide(オウケイウェイヴ社)

図02 元祖Q&AサイトのOKWaveが運営するハウツーサイトです。ハウツー記事のことを「ガイド」と呼んでいて、“生活の中で役立つノウハウ”とのことです。

 はじめての方へページを見たところ、執筆時点で60,695件の記事があるようです。今回取り上げたサイトの中では最多です。各記事にはGoogle AdSense広告が掲載されています。

 「OnGen」や「muzie」などの音楽サイトへサイトを丸ごと提供しています。これは、OKWaveが「教えて!goo」などへ提供していることを考えると、自然な流れのようです。
・OnGenガイド:http://www.ongen.net/guide/index.php
・muzie:http://www.muzie.ne.jp/okguide/

 初期のマネタイズは、nanapiと同じように、企業とコラボした「ガイドコレクション」という、複数の記事をまとめたページを展開していました。執筆時点で「真・女神転生IMAGINE」とコラボしたガイドコレクションが公開されています。

 他のハウツーサイトと異なり、ユーザー投稿の他に「R25」や「@ぴあ」などのニュースサイトから提供された記事も掲載しています。
・ちょっと一息 NIGIYAカフェ:http://okguide.okwave.jp/cafe

 また、次期戦略として、先日同社より知識流通事業「Abilie(アビリエ)」のプレスリリースが発表されました。同社のコーポレートサイトを確認すると、OKGuideのタグラインは「知識流通」とされていて、OKGuideの各ページにAbilieのバナーが掲載されていることから考えても、次期戦略としてはこちらへ移行するようです。

 Abilieのサイトには「知識・スキルをみんなに販売するサイト」とあります。同サイトは来年2月開始とのことで、現時点でどのような商品が販売されるのかは分かりませんが、“生活の中で役立つノウハウ”を記事にすることから、実際に販売するフェーズへと進化することは間違いありません。

 OKGuideとAbilieの連携や住み分けなど、今後に注目です。

3.知恵ノート(ヤフー社)

図03 ヤフー「知恵袋」のサービス内に追加された「知恵ノート」です。ハウツー記事のことを「知恵ノート」と呼んでいて、“「知恵」を「共有」する「ノート」”とのことです。ノート一覧ページを確認すると、執筆時点で9,275件の記事があるようです。各記事にはPR広告が掲載されています。

 今月12日に開始されました。現状でのマネタイズは広告ですが、知恵袋には「専門家」や「アドバイザー」が多くいることから、ユーザー投稿以外に専門性の高いハウツー記事が増えていくことも考えられます。

 Webサービスに特化するnanapi、知識の販売へ移行するOKGuideに対して、ヤフーはどのような方向へ進むのでしょうか。最後発ながらポータルサイトの王様ヤフーが提供することから、今後の動きを追っていきたいと思います。

4.その他(FC2ノウハウ、ハウコレ、のうはう!、Recipo)

図04FC2ノウハウ(FC2 inc.)
 カテゴリ別に掲載されている本数を合計すると、執筆時点で12,056本の記事があるようです。nanapiの「スペシャルレシピ」やOKGuideの「ガイドコレクション」に相当するまとめページもなく、目立った動きは見当たりませんでした。

ハウコレ(Donuts社)
 空クエリーで検索したところ、執筆時点で1,990件の記事がありました。各記事にはGoogle AdSense広告が掲載されています。まとめページは「ヘアメイク特集」や「大恋愛したい」など女性向けの内容が目立ちます。最近の投稿を見ても、女性向けの記事が多く、女性の利用者が多く集まっていることが想像できます。ファッションやコスメなどのEC展開があるかもしれません。

のうはう!(FlyBridGe社)
 コンシューマー向けサイトですが、これに対してビジネス向けサイト「ノウハウ」も用意されています。コーポレートサイトによると、“企業のビジネス業務全般に関する業務にノウハウ・情報・マニュアルを企業(法人)・起業家・個人に提供する業務支援サイト”とのことです。次期戦略としてビジネス向けの展開を考えているようです。同社が記事を提供するのか、弁護士などの専門家が提供するのか、楽しみです。

Recipo(スモールイシュー社)
 空クエリーで検索したところ、執筆時点で5,836件の記事がありました。各記事にはGoogle AdSense広告が掲載されています。先に紹介したOKGuideに記事を提供しているようです(Recipoさんのマイページ:http://okguide.okwave.jp/users/recipo)。マネタイズは広告のようです。

総括

 国産コンテンツファーム各社は、広告以外のマネタイズ方法を模索しているようです。そんな中、現状では知識の販売へ移行するOKGuideが一歩抜きん出ています。もともと元祖Q&AサイトOKWaveを運営している同社は、コーポレートサイトによると190万人以上の会員ユーザを保有しています。今回取り上げたサイトの中で最多の記事数が投稿されている背景には、同社の強みである膨大な量のQ&Aコンテンツと、善意で回答してくれる会員ユーザの資産があります。

 フロー型のQ&Aから、ストック型のハウツー記事に、そして今度はストックした知識を販売するというステップは、情報を整理する意味においては、自然な流れのようにも思います。そういう意味では、ヤフー社も知恵袋という巨大なQ&Aサイトがありますから、知恵ノートも同じステップを踏む可能性も考えられます。

 この2社に対して、nanapiを運営するロケットスタート社はベンチャーながら、facebookページのいいね!数は73,198人と多く、着実にサービスのファンが着いてきています。Webサービスに特化することで、例えばOKWave社のFAQソリューションのように、さまざまなWebサービスのヘルプページや、使い方ページに記事提供することで大きくマネタイズに成功する可能性が考えられます。

 いずれにしても、国産コンテンツファーム各社は、まだまだ成長する余地が多くあります。まだマネタイズが確率されていない分野なので、来年新たに新規参入する企業もあることと思います。これからの各社の動きに注目です。

著者プロフィール:徳永達磨

携帯コンテンツプロバイダー、バイドゥ日本法人を経て、現在IT上場企業の事業戦略室に所属。コンシューマー向け事業・サービスの立ち上げから企画運用まで幅広くやっています。プライベートでは2010年10月に10歳差の中国人嫁と結婚。翌年長女誕生。今の興味はソーシャルコマース、eラーニング。

携帯コンテンツ、SEO、国際結婚のお手伝いします(笑)。連絡先はt.tatsuma[アットマーク]gmail.comまで。

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