「もしFacebookが匿名だったら?」 月間1000万ユーザーを超えた日本グロースマネージャー 児玉太郎氏が過去と未来を語る 【増田(@maskin)真樹】

NewsFacebook, fMC, 児玉太郎


[読了時間:3分]

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 2月29日ニューヨークで開催されたFacebookのマーケティングイベント「fMC」のサテライト版イベント「fMC Tokyo」が東京ミッドタウンで開催された。

 キーノートには、アジアパシフィック担当副社長 Eric Johnson氏、Facebook初期から開発に関わり初代広告システムを開発したエンジアリングディレクター Mark Rabkin氏、グローバルマーケティングコミュニケーションディレクターHeather Freeland氏らが登壇。世界のコミュニケーションを担ってきたFacebookの存在の意義から、最新の広告プラットフォームの狙いまで多様なストーリーが紹介された。

 当日は日本代表という位置付けであるグロースマネージャーの児玉太郎氏がMCを勤めつつ、Facebook Tokyoの歩みと今後というテーマでスピーチがあった。目ざましい日本での成長を振り返るのに最適な内容なので紹介しよう。

携帯未対応のまま日本参入した2008年




 Facebookが日本に参入したのは2008年。マーク・ザッカバーグも来日したローンチパーティが開催されるが、それを知るのは感度の高いIT業界人か海外生活経験がある人のみで、そういったユーザーを中心に少しずつ普及していった。という。

 そんな中、Facebookは東京にグロースオフィス(Growth Office)を設立することを決断。これは日本におけるユーザー数の拡大を狙うための拠点で、2010年都内某所に設立された。Facebookの拠点であるカルフォルニアからマルチタスク(マルチタレントタレント?)なエンジニアが日本に呼ばれたのだが「エンジニアを本国米国から派遣するのは日本が始めて」と児玉氏は語る。

 「彼らは日本で快適にメンバーとコミュニケーションできるようにするため、何ヶ月も前から米本社に日本語の先生を呼び日本語を習得してきました。Facebookは世界中の人々がつながり、様々なことを共有できるような世の中にするということを目標していきます。そこで日本だけが例外となることはありえません。

 特にどうしろという指令が下されることはなく、試行錯誤の日々が続きます。そんな中、日本の携帯を買い集めてFacebookのテストをするのですが、ほとんどの機種が未対応でした。これでよく日本版ローンチといったものです。

 クセのある日本の携帯。しかし、日本のみの仕様を世界標準にするわけにはいけません。また、当時英語の名前はサービスの根幹で、日本語をどう使えるようにするかは大きな課題でしたが、これらの難題をクリアにする多言語プラットフォームを実現し、かつさまざま国内モバイルプラットフォーム連携をするパートナーと協業しながら現在のようなサービスとなることができました」(児玉氏)。

もしFacebookが匿名だったら?

 「日本では実名のソーシャルネットワークは定着しないという意見もありました。だから、一度だけFacebookが匿名だったら?という議論を真剣に行ったことがあります。

 結局、実名だからこそ友達が見つかって、実生活の拡張として世の中の役に立つことができる。仮に実名を抜いて成長したとしても、Facebookが抱えるミッションを納得の行く形で実現することはできないと判断したのです。

 きっと実名であることの価値を分かってくれる。そう信じていました」。

 日本参入から4年。月間1000万ユーザーを達成(一度でもログインしたユーザーの数)。「直近の数字ではなく、じっくり顧客との信頼を築いていく、そんな時代がもうすぐそこまで来ています」と児玉氏は言う。「成長の源動力となるものは国によって多様ですが、日本の場合は、既存の顧客が、新しい顧客を連れてきてくれる作用に注目しています。実名のコミュニケーションを活性化させることこそが成長の鍵と考えています」。

 現在シンガポールで主に行なっている広告関連業務や企業アライアンス業務の多くを東京オフィスに移管(注:新規で採用して開始するとの捕捉あり)。日本国内でも人材採用を開始。パートナーの開発支援をするエンジニア、プラットフォーム活用を相できる担当を採用し、多様なインテグレーションニーズに対応。また、Facebook Marketing Solutionの日本語版となるページを開始し、情報発信のみならず。多様な展開をしていく考えだという。

 残念ながらユーザー規模や営業売上の目標値などは公表されないが、2012年末は国内SNS大手を凌駕するソーシャルメディアマーケティングの一大プラットフォームに成長することは想像にたやすい。

【関連URL】
・fMC
http://www.facebook.com/business/fmc
・Facebookキーマン「世界につながるアプリで未来を作るべき」、F8 TOKYO開催【増田(@maskin)真樹】
http://techwave.jp/archives/51705602.html

蛇足:僕はこう思ったッス
Facebookは2008年から使用しているが、当時は「日本でローンチ&普及するのはまだまだだろうなあ」と思っていて、憶測はだいたい当たっていた。それよりも実名が受け入れられるのは時間の問題と思っていて、Facebook日本はその部分を成長の原動力としているところに共感したというかすごいと思った次第。

著者プロフィール:TechWave副編集長・イマジニア 増田(maskin)真樹
 8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代は週刊アスキーなど多数のIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーでベンチャー起業に参画。帰国後、ネットエイジ等で複数のスタートアップに関与。関心空間、@cosme、ニフティやソニーなどのブログ&SNS国内展開に広く関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。 DJ、emacs使い。大手携帯キャリア公式ニュースサイト編集デスク。TechWaveでは各種イベント、創出支援、スタートアップ支援に注力。メール等お待ちしております!

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Editor In Chief at TechWave.jp
1990年代初頭から国内外のソフトからハードまで50以上のスタートアップ立ち上げを経験。平行して雑誌ライターとして疾走。シリコンバレーでガレージベンチャーに参画後は、ネットエイジを筆頭にスタートアップに多数関与。ブログやSNSの国内啓蒙、ソニーの社内イノベーション事業など関与。直近では通信キャリアのニュースポータルの立ち上げ期の編集デスクとして数億PV事業に育てた後、TechWaveにジョイン。世界最大のIT系メディアであるスペインの「Softonic」に参加後、2016年からTechWave第三章として新興メディアの開発を再スタート。国内最大規模のスタートアップ&B2Bイベント「アプリ博」のオーガナイザー。
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