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男性なら、子供の頃一度は体験したことがあるのが「ハンダ付け」。女性であれば、裁縫やビースを使ったアクセサリーづくりだろうか。私が子供の頃は、こうしたジェンダーに合わせた「工芸」を習ってきた。
そんな区分を意に介さず、アナログからデジタル、2Dも3Dも作れてしまうのが、「ものづくり系女子」だ。リーダーの神田沙織さんによるとメンバーは現在約80名。色々な得意ジャンルを持った女性が集まることで、思いがけないコラボが生まれることが特徴だという。
上の写真で彼女たちが作っているのは、LEDを使った点灯(点滅)するネックレス。透明アクリル板で出来た胸元のペンダントに、LEDが嵌めこまれる設計だ。首の後ろに電池ボックスがあり、その間を電気が通る糸を繋ぐことで通電している。糸が絡まるとショートする危険があるため、糸の周りをビーズで被覆することによって安全性も確保している。
このLEDネックレス。今回、なぜか私がモデレーターを務めることになったイベント「ものづくりカフェ大集合。トウキョウは今、作りたい気分。」(5/28)に合わせ、彼女たちに、カフェを横断する作品として作ってもらうことになった。
私もこれまで知らなかったのだが、今「ものづくりカフェ」と呼ばれる、加工用の機材があったり、そういうことに興味のある人が集まれるカフェが、東京に複数出来ている。
最初の写真は、秋葉原にある「はんだづけカフェ」。その名の通りハンダ付けなど電子工作が出来る場所。神田さんたちは、カフェスタッフのアドバイスも参考にして、設計から部材の選択、固定方法、安全性などを加味しながら、回路を作っていった。
ペンダントは蝶の形をしていて、アクリル板にカラフルなマスキングテープを貼り、それをレーザーカッターで加工している。テープを斜めに貼っているため、カット位置によって一つ一つ違ったデザインの「蝶」が切り出される。この作業は渋谷にあるFabcafeで行った。
アクリル板にマスキングテープを貼るのは、あまり例のないことだそうで、結果はやってみないと分からない。レーザーで切るため、熱も発生する。その熱でマスキングテープがどのように変化するか? 場合によっては焦げる可能性もあるらしい。
彼女たちが短い期間で作り上げたLEDネックレス。どんな出来栄えになったか、興味のある人は5月28日のイベントを見に来て欲しい。イベントでは、ものづくりカフェの運営者の方にもお集まり頂き、ものづくりの今についてのトークショーも行う予定だ。
TechWaveで普段取り上げているのは、ソフトウェアやアプリといった、web・インターネットに関する企業や人々です。産業としては「ものづくり」よりも、情報産業がこれからの日本を牽引していくと私は思っています。
そういうこともあって、「ものづくり」というキーワードにはこれまで縁遠い部分もありました。しかし裏返すと、大規模な産業としての「ものづくり」が後退し、また、シェア的な精神の影響を受けた、ものづくりカフェのような共同スペースが出来ることは、情報産業の興隆と合わせ、時流に沿った動きでしょう。その中で、趣味や創作活動として「ものづくり」が、デジタルツールも含め安価な機械の普及と相まって、新しい価値を持ち始めました。
5/28のイベントでは、ものづくりの楽しさを語ってもらうと同時に、そのような背景についても登壇者の方々に伺ってみたいと思います。
写真家、広義の編集者。TechWave副編集長
その髪型から「オカッパ」と呼ばれています。
技術やビジネスよりも人に興味があります。サービスやプロダクトを作った人は、その動機や思いを聞かせて下さい。取材時は結構しっかりと写真を撮ります。
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