遂に始まる日本版「定期購入サービス」、協議会設立へ 【増田 @maskin】 #jsca

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 雑誌の定期購読のように、特定の商品を定期的に購入するサービスの健全利用と発展を促進する非営利団体「日本定期販売サービス協議会(JSCA:JAPAN SUBSCRIPTION COMMERCE ASSOCIATION)」が2012年8月20日、設立された。

 メンバーは、いずれも定期購入(販売)サービスを手がけるスタートアップで構成され、会長には、「BoxToYou」のGrow! Inc.一ツ木崇之氏が就任。副会長には、「SAKELIFE」の有限会社油忠 生駒龍史氏、「HATCH」のlap&co.,Inc. 三浦有人氏が就任した。

継続率を向上させる工夫さまざま


 EC等のみならず、一人の新規顧客を獲得するコストに対し、その顧客が継続的に購入を続ける確率は容易に上がるものではない。その点、定期販売サービスは、定期的に商品を送り続けるという継続が前提としたサービスであるため、売り切りとは異なる魅力作りや営業効率向上を計れる可能性がある。

 通販大国アメリカでは、少なくとも1990年代前半の時点書籍などを中心に定期通販サービスが浸透。その後、登場した米Amazonの定期購入サービスは定番となり、最近では日本でもスタートしている。それ以外にも、リコメンド(推奨)機能を組み込んだ定期販売サービスとして「ShoeDazzle」などユニークなアイディアのサービスが注目されている。

 特に、“人” を軸にした定期販売サービスが脚光を浴びることが多く、例えばセレブが選んだ商品が定期的に届く「BeachMint」を筆頭にベビー用品の定期購入「The Honest」までもが “タレント” をキュレーターとして起用するなどストーリーテリング型で継続購入を促進させる手法も確立している。

 日本では、通販業界における定期購入サービスは一般化しているが、ここに来てソーシャルグラフと連携したりECのノウハウを活用したスタートアップが急浮上。今回の協議会設立につながった。

 以下は、「日本定期販売サービス協議会」に8月20日時点で参加している企業のサービス。同じ定期購入サービスとはいえ、多様なコンセプトと商品構成があるのを理解していただけるだろう。

秋田の農家の皆さんがお届けするお米の定期販売サービス「トラ男一家」

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http://www.toraofamily.com/

秋田県の農家出身の27才 4名が展開するサービス。農業従事者の70%が65歳以上という現状でかつ流通経由での収入が低い状況を打破すべく、定期購入サービスにより消費者と農家をダイレクトをつなぐ事業を展開。

あなた×お酒をもっと楽しく。日本酒の定期購入サービス「SAKELIFE」

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http://sakelife.jp/

3000円と5000円という2種類のラインナップを持つ日本酒の定期購読サービス。サービスイン後3ヶ月で200人の有料会員を獲得というまずまずのスタート。1つの銘柄を購入し続けるのではなく、500年の歴史を持つ酒蔵の25代目が選定。日本酒のエピソードなども配信することで継続的に日本酒を楽しむ仕組み。

ライフスタイルアイテムの定期購入型EC「HATCH」

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http://hatch8.jp/

衣食住というカテゴリーで6人のキュレターが商品をセレクト、定期的にお届けする形式。料金は前払い。株式会社lap&co. 代表取締役 三浦 有人氏は「ZOZO TOWN」を運営する株式会社スタートトゥデイで経営企画室マネージャーとして活躍したあと起業。EC運営のノウハウやアイディアがふんだんに盛り込まれている筆者注目のサービス。

世界初の定期販売プラットフォーム「Box To You」

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http://box2you.com/

クリイエイターを支援する「Grow! button」を展開してきたGrow!が、手がける新サービス。Facebookを活用し、初期費用や月額固定費を無料にし、決済を北米の「stripe」を導入することで手数料10%を実現している。

【関連URL】
・定期販売サービス協議会
http://jsca.biz/

蛇足:僕はこう思ったッス
地方に住む自分にとって、「都心に近くないから」「話題になってないから」と日の目を見ない農家や工芸、それ以外の技術者や生産者が抱える「流通」と「露出/認知」の問題は軽視できない問題。いいものが認められる環境、人と人とが継続的に関係し続けことの意義を認識する契機を定期販売サービスが与えてくれるのではないかという印象を得ている。ITオンリーでは有料メルマガやサロン型の有料コミュニティも似たようなものだろうが、どちらかというと内向きで村化しやすい。定期購入サービスは、物によってゆるいつながりが継続する上に、“思い” を理解できるようになった物を継続的に得ることによって、物の価値を高め、物を軸としたソーシャルグラフが拡大するように思える。
著者プロフィール:TechWave副編集長・イマジニア 増田(maskin)真樹
 8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。道具としてIT/ネットを追求し、日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代はソフト/ハード開発&マーケティング→週刊アスキーなど多数のIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの起業に参画。帰国後、ネットエイジ等で複数のスタートアップに関与。関心空間、@cosme、ニフティやソニーなどのブログ&SNS国内展開に広く関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。 Rick Smolanの24hours in CyberSpaceの数少ない日本人被写体として現MITメディアラボ所長 伊藤穣一氏らと出演。TechWaveでは創出支援に注力。エレベーターピッチ絶賛受け付け中! (まずはAirTimeでどうぞ!)

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Editor In Chief at TechWave.jp
1990年代初頭からソフトからハードまで50以上のスタートアップ立ち上げを国内外で経験。平行して雑誌ライターとして疾走。シリコンバレーでガレージベンチャーに参画後は、国内でネットエイジを筆頭にスタートアップに多数関与。ブログやSNSの国内啓蒙、ソニーの社内イノベーション事業など関与。通信キャリアのニュースポータルの立ち上げ期の編集デスクとして数億PV事業に育てた後、TechWaveにジョイン。世界最大のグローバルIT系メディアであるスペインの「Softonic」の元日本編集長
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