シリコンバレーよりエキサイティング!?インド スタートアップカンファレンス&ダブルスクリーン動向【西村 真里子】

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 TechWaveインドツアーに参加してくれたバスキュールの西村真里子さんからのインドレポートです。西村さん、ありがとう。(湯川鶴章)

「21世紀はシリコンバレーてはなく、インドからパラダイムシフトが生まれるのではないか?」TechWave 湯川鶴章編集長が提唱し続ける”仮説”が、世界にチャレンジする日本人(=自分) への”回答”となるのではないか?

 その答えを探りたく2012年11月4日~11日のTechWave主催のインドツアーに参加して来ました。結果としては① IT開発現場でのオフショア/インドの台頭、マーケティンク”費用のアロケーション変化などIBM / Adobe勤務時代に直面した米国企業のインドへの注力結果を現地企業訪問する事により現状の把握ができた② 世界的なモバイル普及がインド12億人に及ぼす影響をスタートアップ起業の祭典「NASSCOM Product Conclave 2012 (ナスコム・プロダクト・コンクリーブ)」でインド開発者/起業家達と一緒に考えることができた③所属するバスキュールが目指す「大量の人数がリアルタイムに参加する(マス×インタラクティブ)新エンターテイメント」の一例としてのダブルスクリーン・ムーブメントのインド最新動向を得られた、というような成果があり、いままでシリコンバレーを中心に世界動向を追っていた自分へ新たな視点が生まれました。まだ”回答”は 得られてないですし、今後も定点観測しないといけないのですが、回答を得るプロセスには入れたと感じています。


 インドのポテンシャル、スタートアップカンファレンス状況、モバイル普及がもたらす未来につい てのヒントは「モバイルは30年に1度のビックチャンス 新興国に吹く追い風【湯川】 はじめ、TechWave湯川編集長の記事を追いたと思いますので、当記事ではバスキュールも注力しているダブルスクリーン体験へのインド最新動向に絞って紹介したいと思います。

※ 当記事では家庭内におけるテレビを中心としたモバイル/スマホ/タブレット 2デバイス以上でコンテンツ視聴、サービスを楽しむ体験を総称して「ダブルスクリーン体験」と定義します。

選挙のためにテレビを配る!大手テレコム Airtel は無料てデジタルTV STBを配る!ボリウッ ド好きな彼らは3Dテレビを待ち望んでいる?!

 人口12.1億人のインド(2011年4月、国勢調査の暫定的データ)は世帯数で言うと2億5千万世帯、1 世帯あたり約5人という家族構成です。2011年には全世帯の20%がデジタルテレビを保有しており、 2020年には人口の61%かデジタルTVを保有するとのニュースもあります。人口も増えるので今後10年以内に6億人程がデジタルTV保有するとの予測です。 (http://www.abu.org.my/Latest_News-@-Indias_digital_TV_penetration_to_rise_to_50_percent _by_2016.aspx) (ちなみに本年11月に総務省から発表された内容によると日本のスマートTV利用 台数は2011年度末時点の27万台から16年度末に610万台に伸びる見通しだそうです。)

 また、Product Conclaveスタートアップカンファレンス参加者、タクシー運転手など様々な方にヒアリングしても、インド人のエンターテイメントはボリウッド映画鑑賞かクリケット観戦らしく、「テレビ視聴」と答える方はおりませんでした。

 モバイルは既に保有している、テレビはこれからというインドの家庭にどのようにテレビ普及するのでしょうか?

 地方の貧しい地域では選挙活動のためにお米とともにテレビを無料配るという立候補者がいるらしいです。さすがにインド全域の選挙活動でテレビ無料配布は実施しないと思いますが、テレビを無料で配るという方法でも普及率アップに貢献している事実にびっくりいたしました。

 さて、富裕層は1,500万世帯あるらしいので、その家庭にはテレビは普及していると考えられますが、 富裕層も拡大すると考えられます。スタートアップカンファレンスProduct Conclaveにはシリコンバレーからインドに戻りビジネスをしているInMobi CEOが基調講演を行い、世界中の投資家がインドスタートアップに注目し「1000年に一度のインドのチャンス」と語るスピーカーもいました。成功起業が増え豊かになるとテレビの普及が伸びると考えられます。さて、そこで手に入れられるテレビは最新のテレビになると思うのですが、SamsungやLGは大々的にスマートTV(多機能TV)を宣伝しています。

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 SoftBankとの合弁会社Bharti SoftBankを作った大手テレコムAirtelは無料でデジタルTV STBを配るサービスを開始しています。Yahoo! JAPANが街頭にて無料Yahoo! BBを配りブロードバンド化が加速化した時代を思い出し、デジタルTV普及加速化が想像できます。

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 さて、少々前に話題になった3D TVの新聞広告や街頭展示も目につきました。日本ではあまり定着していないと伝えるとボリウッドの派手なエフェクトを好むインドの人には3D TVは受入れられるだろうとInfoTechのAssociate Vice PresidentのSanjayさんは答えてくれました。たしかにボリウッド映画もそうですが、TV CMでも派手なエフェクトが使われていたのでインドの方には派手演出が受入れられそうです。

スマートTVが普及した後何が変わるのか?

 世界最大級のモバイル広告ネットワークであるInMobiは、バンカロールを拠点に人材豊富なインドから次世代モバイル広告の勝者を狙っています。InMobi CEO Naveen Tewari氏はモバイル広告は今後10年で5000億ドル市場になり、その市場を取に行く、と力強く語っておりました。

 また同InMobi のプロダクトマネージャーがスタートアップカンファレンスProduct Conclave内でインドの開発者に向けての「Mobile App Monetization(アプリ課金について)」セッション内で「広告、アプリ課金の未来はデュアル・スクリーン体験にあるかもしれないので、開発者はスマートTV、ダブルスクリーン体験も考慮にいれておくように」と述べていたのも印象的でいした。

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 また、家庭内にスマートTVが普及する際には「テレビが家庭のデジタルハブになる」とInfoTech Sanjayは述べます。彼らが注力しているWIFI DirectやDLNA の動きも含めて考えると、まずはインドの富裕層は家庭内でテレビをハブとしてデジタル環境が整って行くだろうという予測も、ランチタイムの会話の中で飛び出しました。

 オフショア開発でITスキルを身につけたインドの開発者、起業家には投資家も注目していますし、「1000年に一度のインドのチャンス!みんなでインドのGDPをあげよう!」とモチベーションも高いです。個々人がモバイル/スマホを、そして家庭にはデジタルハブとしてのスマートTVが存在する巨大な市場ができあがる事が想像されます。

 最後に、インドの方々に日本についてどう思う?と聞いてみました。「素晴らしい品質の製品を提供する国」「津波にも負けないファイティング・スピリッツを持った尊敬する国民」などのコメントを頂戴しました。またスタートアップカンファレンスProduct Conclaveの主催者NASSCOM M.R.Rangaswamiはインド人にはマーケティング能力とセールススキルがまだまだ足りないとおっしゃってました。「大量の人数がリアルタイムに参加する新エンターテイメント」を試してみたい魅力ある市場だと考えます。


著者プロフィール:西村真里子
最高峰のクリエイティブ & コミュニケーション企画力を武器にソーシャル & スマートフォンのアプリケーションやサービスリリースにチャレンジする「バスキュール」の一員。
IBM、Adobe、Grouponを経て現職。テクノロジーと マーケティングとお酒に強い。
バスキュールの「大量の人数がリアルタイムに参加する(マス×インタラクティブ)新エンターテイメント」の代表事例:
TBS「大炎上生テレビ オレにも言わせろ!」(2012年9月28日)、フジテレビ「にっぽんのミンイ」(2012年10月15日~)、日本テレビ「JoinTVプロジェクト」、mixi Xmas「インタラクティブCM 小さなサンタクロース」( http://pieces.bascule.co.jp/2012/mixixmas/ja/cm/ ) があげられる。
バスキュール: http://www.bascule.co.jp/
ツイッターアカウントは@mariroom

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