「じゃあいくら儲かるの?」本音で議論していきたい― ad:tech kansai 特集(3)ダイキン工業 片山義丈氏

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ad:tech kansai ボードメンバーインタビュー特集
関西地域3拠点を舞台に繰り広げられる「ad:tech kansai」のボードメンバーの方々のインタビューを連載形式でお伝えします(特集一覧はこちら)。

ダイキン工業株式会社 総務部広告宣伝グループ長 部長 片山義丈 氏

ad:techの関西開催が始まった初期からad:tech事務局をサポートしてくださっているダイキン工業株式会社総務部広告宣伝グループ長部長の片山義丈氏。広告主側から見たad:tech関西のお話を通じて、カンファレンスやイベントを媒介にしたad:tech活用のコツが見えてきました。

—「ad:techに参加するからには“元を取ろう”という意識を持ってほしい」と。

決して安くはない金額を払って参加するのですから当然です。だからこそ今回のad:tech関西が通し参加券以外に1日参加券の仕組みを導入したことは、関西企業がデジタル系のイベントにお試し参加するいいきっかけになると思っています。関西はデジタルマーケティング関連のカンファレンスがほとんどありませんから、お金だけでなく時間もかけてわざわざ東京に行くのはかなりハードルが高いですよね。それが会社の近所にちょっと出かけるだけの参加ができるようになりました。

—関西企業にとってデジタルマーケティングはまだ縁遠いものというイメージがあるのでしょうか

そんなことはありません。新しいもの好きが多いですよ。ただ、「流行っているから」という曖昧な理由では導入しない堅実さもあります。実利に結びつくのだとわからないとそもそもカンファレンスにも行けません。「じゃあいくら儲かるの?」というぶっちゃけた議論をad:tech関西ではしていきたいですよね。せっかく生でのコミュニケーションが可能なんだから本に書いてあること以上の話が聞きたいじゃないですか。そこはad:techを単に東京から持ってきただけにはしちゃいけません。放っておいても関西人は本音しか喋れませんから自然とそうなることを期待していますが(笑)

—片山さんご自身もad:tech関西をきっかけに新たにお仕事を始めた企業と出会ったことがあるとか

もちろんあります。技術的な話だけでなく、実利に結びつくこと少しでもイメージできるような効果についてもアピールしてくれた企業とはいいネットワーキングができますから、後日具体的な商談にもつながります。

—実ビジネスに繋がるネットワーキングは、参加者にとって最も大きな財産になりますね。

聞く側とも心構えが大切ですよね。スピーカーの話を聞いても「凄すぎてウチでは無理」となるだけでは、参加した分の元は取れません。自分たちとの「違い」を探すのではなく、成功事例と自分たちの「同じところ」を探すのです。「同じところ」は社内の雰囲気でも扱っている商材のジャンルでも課題感でもなんでもいいのですが、その同じ部分をもとに、「ウチでやったらどうするか」を考えるのです。

—今回のad:tech関西で話題となりそうなトピックスはありますか?

業界全体で “広告の効果” をもっとしっかり捉えていかなければいけないな、ということを問題意識として持っています。効果というのはKPIやブランドリフトなどの短期的に見える数字のことではなくて、「モノが売れるかどうか」という部分です。特に私たちのような耐久消費財の会社はお客様と接触してから実際の購買までに様々な検討過程を経ますし、時間がかかります。「一瞬の恋」で購買まで達するダイレクト系と違い、「結婚」に近いのです。

—「結婚」も短期的な数字が大事だというイメージがありますが?

確かに売れたかどうかの効果を検証するのに数字は必要です。データドリブンであることは、マーケティングの基本であり言わずもがな。今設定しているKPIが上がることがすなわちモノが売れることに本当につながっているのか?そもそも現状の効果測定はデジタル広告がブランド棄損しない媒体に発注した回数見えるところに広告表示される前提で設計されています。‘広告の効果’をしっかりと、とらえようとするとデジタル広告の透明性の問題も自ずと向き合わないといけない。見かけ上の数字至上主義になってしまい、3文字用語で見えるものだけで思考停止してしまっていないでしょうか。KPIの数字に表れなかったデータはないか、単一指標のわかりやすさに依存していないか。広告主もしっかりと勉強して考えなければいけません。ad:tech、デジタルはマーケティングのレイヤーのひとつにしかすぎないのですから、もっと視野を広げていかなければいけませんよね。

−マーケティング全体を俯瞰して捉えていく力が業界に必要だということですね

その点でad:techはマーケティングに関する幅広いテーマを扱っているので学ぶ気持ちがあれば得られるものは多いはずです。イベントのタイトルで誤解されがちですが、テック系以外の話も盛りだくさんです。それだけのマーケティングに関わる人たちが集まる場所だからこそ、参加する際に「元を取る」という意識がないともったいないんですよ。ad:techという枠の中でもきちんとマーケティングしないとね。スピーカーも参加者も企業の中から選抜されてきたエース級、リーダー級です。どんどんコミュニケーションしていきましょう。

−ad:techの枠の中でもマーケティングを、とはまさにおっしゃる通りですね。ありがとうございました

 

片山義丈
ダイキン工業株式会社 総務部広告宣伝グループ長 部長

1988年ダイキン工業入社、総務部宣伝課、1996年広報部 広報担当、2000年広報部広告宣伝・WEB担当課長を経て2007年より現職。 業界5位のダイキンのルームエアコンを一躍トップに押し上げた新ブランド「うるるとさらら」の導入や、ゆるキャラ「ぴちょんくん」ブームを仕掛ける。 企業ブランド構築、メディアでの商品広告、媒体購入、全社WEB統括を担当。

ad:tech kansaiの詳細はこちらから

アドテック京都
日程:2017年7月18日(火)
場所:みやこメッセ
参加者数:1,800名+

アドテック大阪
日程:2017年7月19日(水)
場所:堂島リバーフォーラム
参加者数:200名+

アドテック神戶
日程:2017年7月20日(木)
場所:KIITO(デザイン・クリエイティブセンター神戶)
参加者数:1,000名+

うえの みづき

うえの みづき

お茶の水女子大学卒、民俗学を専攻し在学中はセーラー服やルーズソックスなど女子学生の制服文化について研究。新卒入社した出版社のベンチャー部門で法人営業を担当するも、クライアントの「紙媒体の予算はデジタルに回すことにしたんだ」の一言にショックを受け、web業界へ。
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