リアル x IT=? 元ドリコム創業メンバー 安藤正樹 氏が仕掛ける新事業は.. @maskin

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2001年、ネットビジネスを展開する学生スタートアップ「ドリコム」に創業メンバーとして若干20歳で参画し上場まで導いた安藤正樹 氏が、再びネットベンチャーの世界に戻ってきます。

その会社名は「REXIT」(リクシィ)。2016年5月に創業されました。リアル x ITという意味の言葉です。最初の事業、結婚式場選びを支援する新サービス「gensen wedding(ゲンセンウエディング)」が本日、2017年1月23日に正式に発表となりました。

このサービスは、古くから変わらず続く結婚式場ビジネスを、ITなどを駆使してより充実したものにしようというものです。とはいえ、すべてをITでどうにかしようというわけではなく、現時点では結婚式のプロによるカウンセリングが主体で、銀座エリアに相談窓口を設置したりと、テクノロジーとリアルの最適な組み合わせを模索した上での事業になっています。

「結婚式が好きになった」

安藤氏は、学生ベンチャー「ドリコム」を共同創業者として東証マザーズ上場まで導いた後、結婚式のパーティー会場運営ビジネスを展開する「エスクリ」に籍を移し、再び東証マザーズ上場に貢献します。最終的には、常務取締役として事業部門を管掌し、東証一部指定替に貢献しています。

新会社は、IT&ネットでリアルの事業に新たな価値を創造するという社是のもと、まずは結婚式業界に構造変革を行っていこうと走り出しはじめました。

「7年に渡り結婚式関連の事業をやってみて、この事業が好きになりました。一方で、長年に渡り「業界が変わっていない」ということに気がついたんです。例えば、結婚式場に直接来場して相談したところ、セオリー通りに話が進んでしまい、いざ進めてみると “やっておけばよかった” とか “イメージとは全然違う”、“こんなにお金がかかるの?” といった行き違いが多く発生するんです。

結婚式の数だけ幸せが広がってゆくのだとしたら、こうした問題は社会的損失といってもいいと思うんです」(安藤氏)

そこで「REXIT」が注目したのはプランニングサービスの提供。東京を中心とした主要都市で、REXITが定義するおよそ80項目に渡る評価ポイントで基準に適合した結婚式場と連携し、顧客の理想に見合うウエディングプランを無料で提供するというもの。式場の見学をする前に、予算を含めたプラン(プロデュースノート)の作成を無料でサポートします。




公式サイトに公開されているプロデュースノートのサンプル。コンセプトキーワードが並び、どういった流れかストーリー仕立てで理解できるようになっています



「現状、結婚式場選びは施設や料理など “ハード” が主役。契約が先行し、中身を決めるのが後になってしまうのです。だから、残念に思うようなことが起こってしまいます。それに対してREXITの「gensen wedding(ゲンセンウエディング)」では、結婚する二人の気持ちや考えをくみとり、さまざまな要素を式場側と協議しながらまず最適なプランを無料で提案するんです。

窓口となるのは結婚式業界の経験があるプロのスタッフ。銀座にある窓口に直接来てもらっても相談は無料です。予算にあわせてプランを調整するのはもちろん、料理やドレス、ブーケ、演出などを細かく提案してゆきます。なぜこの金額になるのか? 納得いただけるように提案し、最終的に 提案の内容どおり式場と契約するというところまでサポートしてゆきます」(安藤氏)。

リアルの価値ににじみでるようなIT活用

こうしたリアルの結婚式プロデュース事業に、なぜネットベンチャーの草分けの安藤氏が注力するのか? 冒頭で述べた通り “結婚式” という1兆4000億円の市場に魅力を感じたのは間違いないのだが、その背景には “これからは質が求められる時代” という安藤氏の理念が込められている。

「企業側から事業というものを考えた時、情報を消費者に広く届ける時代から、消費者がSNSなどで口コミし拡散する時代へとシフトしてきました。しかし、それも過去のものとなり、これからはサービスの “質” が求められるようになるのは間違いないと思うんです。

いかに、消費者の深いところまで理解し、驚くようなサービスが展開できるか。その点、結婚式というのは、家族や親類の誕生日から食べ物の好き嫌い、アレルギー情報まで非常に深い領域まで入り込んで最も最適なものを提案しなければ成功しません。そのためには、多様なデータを蓄積し、最適なサービスを実現する専門家を編成できる体制を構築する必要があるんです」(安藤氏)。

現時点の「gensen wedding(ゲンセンウエディング)」は、一つの相談&提案事業に過ぎませんが、消費者の声を汲み取り、より深いサービスを展開することで、その後に続く「記念日サービス」や「家族へのサプライズ企画」などをより価値ある形で展開したいと考えているとのこと。そうした価値づくりの過程にIT基盤の活用は欠かせず、しかしIT的な常識が全面に押し出されることなく本質的な事業の価値を高めるために有効利用されていくイメージということです。

ウェディングノート的なメディア、人材・コンサルティング事業も

「gensen wedding(ゲンセンウエディング)」では今後、提案資料「ウェブディングノート」のようなストーリー仕立ての結婚式づくりの世界を伝えるためのオンラインメディアを展開する予定です。また、フリーで活躍することの多い、ヘアアーティストやカメラマン、進行スタッフなどの人材の流動化を支援するために人材紹介事業を、また結婚式に関係するコンサルティング事業を展開することで、あらゆる角度から結婚式のビジネスをカバーし、IT活用による新たな価値づくりへと発展させていきたいと考えているようです。

安藤氏のビジョンは「日本で結婚式ビジネスの5%のシェアを獲得」すること。将来的には、日本のサービス業の「おもてなし」をITとの掛け算で世界に輸出していきたいと考えています。

【関連URL】
・gensen wedding
https://gensenwedding.jp
・REXIT
http://rexit.co.jp

蛇足:僕はこう思ったッス
maskin-bit-2016 ITはもはや水道のようなもの
インターネットが普及期に入り、すでに20年以上が経過した。パソコンやスマートフォンだって、多くの人が日々利用している状態だ。にもかかわらず、いわゆるIT的な事業やプロダクトが多い状況。ニコラス・カーさんの著書
が主張するように「もはやITに戦略的価値はない」のである。そういう意味では一見、IT色を感じることができない「REXIT(リクシィ)」に期待せざるを得ない。gensenは、「GENuine(本物の)&SENtence(ふたりの文脈)」「GoodなENとSmartなEN」「厳選&源泉」の3つの意味を込めているとのことで、こちらもあくまで本質的な価値づくりにフォーカスしており、ITは黒子みたいな位置づけだ。だからこそいい。本物を求める時代だからこそ、安藤さんの理念や経験がどこまでにじみ出てくるか期待したい。

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Editor In Chief at TechWave.jp
1990年代初頭からソフトからハードまで50以上のスタートアップ立ち上げを国内外で経験。平行して雑誌ライターとして疾走。シリコンバレーでガレージベンチャーに参画後は、国内でネットエイジを筆頭にスタートアップに多数関与。ブログやSNSの国内啓蒙、ソニーの社内イノベーション事業など関与。通信キャリアのニュースポータルの立ち上げ期の編集デスクとして数億PV事業に育てた後、TechWaveにジョイン。世界最大のグローバルIT系メディアであるスペインの「Softonic」の元日本編集長
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