4技能化する「英検」学習の最適解、リアルとネットを融合して挑むSAPIX YOZEMI GROUP

教育

2020年大学入試改革の新テストに向けた流れがすでに始まっています。英語については4技能化、つまりこれまでの「読む」「聞く」だけではなく、「書く」「話す」を加え評価することでグローバル社会に出ても通用するスキルを身につけられるようにする動きが顕著になっているのです。すでに一部の大学入試では「英語4技能」の活用が増加しており、英検についても2017年度(初回は6月開催)から「3級」以上の全てにおいて「4技能」を評価する試験が始まります。

「4技能」を対象とする英検の学習方法はこれまでとは大きく違います。なぜなら「書く」=作文、「話す」=面接は、集団での授業では十分にフィードバックを得ることが難しく、また独学でも学ぶことが困難だからです。そこで大学受験の「代々木ゼミナール(以下、代ゼミ)および中学・高校受験の「SAPIX」を有する「SAPIX YOZEMI GROUP」は2017年4月13日、「4技能化」された英語学習のための新コース「英検対策講座」を発表しました。



SAPIX YOZEMI GROUPの「英検対策講座」は、代ゼミが得意とする映像授業を校舎で受講しインプット。その後、自宅などでネットから「書く」「話す」というアウトプット側の実践トレーニングを行うこというハイブリッド型のコースです。実践トレーニングはグループ会社であるベストティチャーが提供するネットベースのサービスを利用します。

インプットとなる動画授業は代ゼミの生徒からの評価が高い講師が担当しており、45分の授業が8回から10回受講可能です。アウトプットの実践はベストティーチャーのサービスを利用し、英作文とSkypeによるネイティブ講師とのレッスンが2回から4回利用することができます。価格は、英検3級で1万3000円(税込み)、英検2級で2万3000円とリーズナブル。代々木ゼミナールの各校舎および全国400校以上あるサテライト予備校(グループの校舎)で申し込みおよび受講が可能となっています。

対象は小中学生から、SAPIX YOZEMI GROUPとしての新たな取り組み

「テキストは旺文社さんのものを使用しているのですが、映像授業はその内容の解説ではなく、たとえば英作文はどうすればいいとか学び方の秘訣だとかノウハウを説明するように内容もふんだんに用意されています。つまり、単に知識を入れるだけのインプットではなく、ライティングやスピーキングといったアウトプットを踏まえた実践的な学習、リアルとネットを組み合わせた学び方そのものが新しい取り組みになっています。

また、英検というと「X級に合格」というテストのスコアで一定数以上を獲得することを目的にするというイメージが強いかと思います。代ゼミとしても、かつてはそこを目指していた部分があります。しかし、新しい英検では、国際標準規格CEFRに対応した「英検CSEスコア」というものを設けています。スコアは「読む」「聞く」「書く」「話す」それぞれの技能において均等な配点になっており、バランスよく実力をつける必要があるんです。大学入試ではスコアの一部を加点対象とすることが増えている状況で、単に合格するだけでなく4技能それぞれをレベルアップしていく必要があります。

ですから、大学受験への対策という一つの目的はありますが、英検自体は学年に関係なく受験できますので小学生でも中学生でもこの講座を何度も利用してスキルアップしてもらえればという思いから、今回SAPIX YOZEMI GROUP全体としての取り組みとして初めてグループの冠をつけた講座名となりました。今後、大学受験の代ゼミではなく、こうした幅広い教育プログラムをグループで展開できるようにしていきたいと考えています」(代々木ゼミナール 教務本部 教務企画部第3企画室 部長 中川智弘氏)。

代々木ゼミナール 代ゼミタワー校教務部 教務室(サテライン教育コース)室長
中川智弘氏

リアルとネットの中間地点

今回の取り組みにおけるネット側の事業を構築してきたベストティーチャーはもともとスタートアップで、2016年に買収されグループ傘下に入りました。5年間社会人向けにネットを使った学習サービスを展開してきて感じたのは「ネットだけでもなく、リアルだけでもない」とベストティーチャー代表取締役社長 宮地俊充氏は言います。

ベストティーチャー代表取締役社長 宮地俊充氏

「ネットの方がうまくいくもの、リアルの方がうまくいくものがあると思っていて、ゲームなどは明らかにネットやスマホのほうがうまくいくと思うんです。一方で勉強についてはそもそもやりたくないものなので、リアルで誰かが観てあげてないとやれないというものだと思うんですね。それをネットだけでやってみてうまくいっていない、というのがうまくいってないEdTechに共通することだと思うんです。それの中間点を狙っているところなんです。つまり、リアルのままでうまくネットを活用する、それが私たちの結論でした。特に今回の英語4技能化は、テクノロジーを効果的に活用すべき大きなテーマであり、値段以上の価値を出せるところだと思いました」(ベストティーチャー宮地氏)

代々木ゼミナール 教務本部本部長 林正和氏

「まったく同じ意見ですね。作文とスピーキングは講師からのフィードバックが不可欠ですが、24時間いつでもというわけにはいきません。時間の制約がどうしてもあるわけです。

話は変わりますが、2016年4月にネットの高校を目指したN高等学校が開校しました。そして連携協力する形でNスクールをスタートしたんです。ネットだけでスタートしたのですが、やはり入学した生徒と保護者の意見を聞くとリアルの場所が欲しいという声があり、2017年4月から通学コースを設け東京と大阪に拠点を設けたんです。リアルの場も必要だということで現在進行形で進めているんです」(林正和氏)。

4技能化した英検の第一回は2017年6月。その対策として他社に先駆けて「SAPIX YOZEMI GROUP英検®対策講座」を2017年5月1日にスタートします。英検受験者は各級にて数十万人はいるとみられていますが、その1%を獲得していきたいと考えているとのことです。

【関連URL】
・SAPIX YOZEMI GROUPの英検対策講座
http://eiken.fourskills.jp
・代々木ゼミナールとベストティーチャーがタイアップして、「SAPIX YOZEMI GROUP英検®対策講座」を新規開講
https://eiken.fourskills.jp/news/902

蛇足:僕はこう思ったッス
maskin-bit-2016 学習の仕方や試験のトレンドは常に変化しているものの「基礎力ができているかが学力向上のキモ」(代ゼミ中川氏)とのこと。授業についても聞き流すだけでなく、実践的な小テストを授業中に実施するなど、点を獲得することを目的とした詰め込み型の学習から実践して能力を高めるという流れは着実にきているとのことだった。ただ、EdTechが教え方の技術を含めると考えると、まだまだ進歩の余地があるように思う。なお、SAPIX YOZEMI GROUPは、この講座以外にも4技能化英語力向上の様々なコースを用意しているとのこと。

maskin
Follow me

maskin

Editor In Chief at TechWave.jp
1990年代初頭からソフトからハードまで50以上のスタートアップ立ち上げを国内外で経験。平行して雑誌ライターとして疾走。シリコンバレーでガレージベンチャーに参画後は、国内でネットエイジを筆頭にスタートアップに多数関与。ブログやSNSの国内啓蒙、ソニーの社内イノベーション事業など関与。通信キャリアのニュースポータルの立ち上げ期の編集デスクとして数億PV事業に育てた後、TechWaveにジョイン。世界最大のグローバルIT系メディアであるスペインの「Softonic」の元日本編集長
https://www.wantedly.com/users/24387
https://keybase.io/maskin
maskin
Follow me

最新情報をお届け

こっちはいろいろ

PAGE TOP
More in 教育
プログラミング教育は世界共通、CA Tech Kidsがルワンダで次世代のリーダーを創る授業

SpeakBuddy 人工知能ロボット相手に英語スピーキング学習できるアプリ 【@maskin】

アメリカのデザイン学校、Parsonsの学生が挑戦する、日本の伝統文化とIoTのコラボレーション

Close