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お役所が発表する文書、IR情報など、なぜかわざわざ画面で見にくいPDFフォーマットで公開され続けている。スマホなどでは見にくい限りだし、リンクなども正常に貼られておらずナビゲーションも最悪。それでも「公式文書はPDFが当たり前」とでもいうがごとく、文字だけの情報だとしてもわざわざPDFで公開する慣習が消えないのはなぜでしょうか。
PDFは期待の文書フォーマットだった
1990年代ー、AdobeのPDFフォーマットは、まだパソコンが一般化されていない時代に産声を上げました。当時、文書作成ソフトはさまざまな種類があり、今のように「Officeがあれば一発」という状況ではありませんでした。ソフトウェアから作られた文書ファイルは、そのソフトでしか開けない。そんな状況を打破すべく、どの端末でも開くことができる共通ファイルフォーマットとしてPDFは注目を集めました。
現在でも、イラストレーターなど紙のレイアウトでつくられたファイルは、PDFに変換することで誰でも閲覧できるだけでなく、軽量化することができるなどの大きなメリットがあります。しかし、ウェブページに掲載するような文字と図だけの情報をPDFに変換する意義はあるのでしょうか?
PDFは紙に印刷することを前提とした情報などには最適かもしれませんが、検索性に劣り、PDFファイルの種類によっては正常にテキストなどのコピーすらできないようなPDFをすべての文書につかうべきか?すくなくとも英国政府はそうは思っていないようです。
英国政府は
英国政府のサイト「GOV.UK」で2018年7月16日、政府が発行する文書はPDFで発行すべきではないというブログ記事を公開しました。
理由は単純です「見つけにくい」「見にくい」「メンテナンスしにくい」「アクセシビリティが悪い」など、大量の情報を扱うには十分な機能が備わっていないからです。
それでも結局、GOV.UKにはまだ約20万件のPDFがあり、毎月数万件の新しいPDFを公開している状態です。結局PDFがどうしても必要になるケースは出版物との関わりがあります。文字だけを編纂するプロセスと、紙の出版物をさらにれうアウトして作るプロセスが違う。英国政府は、すべての情報はHTMLで作成し、必要な場合だけPDFも発行しますが、ゆくゆくはHTMLを優先する文化に移行することを願っているようです。
【関連URL】
・[リリース] Why GOV.UK content should be published in HTML and not PDF – Government Digital Service
蛇足:僕はこう思ったッス
「AIが仕事を奪う」なんて話が昨今話題になっていますが、そもそもAIの定義がハッキリしてないのでざっくりとした話のまま。要するにITおよびインターネット、それを司るソフトウェアによって、さまざまな情報やシグナルがパッケージ化されていることによって仕事の流れが変容しているという話。PDFは、そもそもが当時出版業界の仕事だった文書の制作のスキームを簡便化するものだったのだけど、デバイスなどの進化浸透により紙の出版ニーズが減少してしまい、その逆風にやられてしまっているという話。