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大学4年生 水谷翔
ソーシャルとソーシャルでないものをはっきりさせる
今の日本では、ソーシャルメディア、SNSなどのソーシャル関係の定義がめちゃめちゃで、混乱しています。その混乱の元となっているのが、「自称ソーシャルメディアマーケタ―」の方々による誤ったソーシャルへの見解が蔓延していることにあります。
彼らは哀しいことに、CGMやUGCなどの「人が集まる場所」と、ソーシャルメディアの区別がついていないのです。そこで、ここではソーシャルの定義をはっきりとさせたいと思います。
SNSの定義
まずはSNSの定義から入りましょう。ここがわかれば、ソーシャル、ソーシャルメディア、ソーシャルグラフという言葉等の意味も、自然と、概念的に理解できるはずです。なぜならSNSこそがソーシャルという概念を生み出した存在だからです。そしてこの定義は幸いなことにとてもシンプルなものです。
SNSとは、「実際の友人・知人との関係をネット上に移したもの」です。つまり、リアルの友人・知人との交流の場です。これだけです。ね、シンプルでしょう?
あなととても仲の良い人はSNSの中でも仲は良いですし、あなたにとって苦手な人は相変わらず苦手な存在です。インターネットに移動したからといって、あなたの人間関係は変わりません。
なぜSNSがこんなにも支持を得たのか。それは人間の根源的欲求である「コミュニケーション欲」をうまく満たしているからです。あなたは今まで一人の相手に対して、ケータイで電話をし、そしてメールをしてきました。それが今では、あなたの電話帳がネット上で一元的に可視化できるようになり、なおかつ一斉に彼らとコミュニケートできる。―しかもその方法は幾通りもある―これは楽しいでしょう。
え?そんなことはもうわかっている?
そうですよね。
重要なのは、このSNSと、ネット上に存在する似たような他のサービスとの区別ですよね。
ここまで来ればわかると思いますが、ソーシャルとは「リアルな友人との関わり合い」のことを指します。そしてそれはインターネット上の不特定多数からは見られることのないやりとり、つまり「閉じられた世界」です。