蜷川真夫著『ネットの炎上力』(文春新書 2010年2月刊)
2008年6月に起こった毎日新聞「変態記事事件」を覚えているだろうか。
毎日新聞英語版サイトに、「ファストフードで女子高生が性的狂乱状態」「六本木のレストランで豚を獣姦し、その後食べた」などの「変態ニュース」が配信され、問題になった事件である。「まとめサイト」が登場して毎日新聞社に抗議を呼びかけた、とネットニュースが報じ、騒ぎが大きくなった。
ニュースサイトのコメント欄に毎日新聞社を非難する書き込みが激増したが、話題が話題だけにテレビニュース等では一切報じられない。ネット上では騒ぎが大きくなり、2チャンネルでは1週間も経たないうちに書き込み総数が23万件を超えたという。
とうとう毎日新聞社への講義デモまで行われ、毎日新聞に広告を出している企業に抗議電話をかける「電突」と呼ばれる抗議行動の結果、毎日のWebサイトにしばらく自社広告以外の広告が掲載されなくなった。
恐るべし、ネットの炎上!
本書は、この事件のようにネットが炎上した事例を集めた本……ではない。