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今回からニフティさんの協力、富士通さんのスポンサーでポッドキャスティングを本格的に始めることにしました。これからIT業界のキーパーソンを次々と取材していき「IT業界」、「社会の潮流」を探っていきたいと思います。
今回は、株式会社はてなの近藤淳也社長を取材してきました。
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株式会社はてな、というと、はてなダイアリーなどのサービスで有名なIT企業。詳しい説明はwikipediaなどがうまくまとめてくれている。
僕がはてなをおもしろいと思うのは、世界的なネット上の技術動向を後追いするのではなく自分たちの考え方で進んでいるところ。日本のネット上のサービスのほとんどはアメリカのネット企業の真似だったりする。はてなも、アメリカの新しいサービスをいち早く取り入れることもあるけれど、自分たちで考えて開発したらアメリカで生まれたものとそう変わらなかったというケースが多い。
「はてなダイアリー」もそう。日本のポータル各社がブログを導入するずっと前からブログ的な機能を持つ「ダイアリー」を運営していた。アメリカのブログの物真似じゃないので、キーワードを通じてほかのダイアリーとつながるといったような独自機能が搭載されている。
もう一つ興味をひいたのは、シリコンバレー在住のコンサルタント梅田望夫さんがはてなの取締役になったこと。僕は梅田さんを尊敬して止まないのだが、その梅田さんがなぜこの20人足らずの会社の取締役になったのだろうかと思って、がぜんはてなに注目し始めた。
さてインタビューさせていただいた近藤社長のことは、いろいろなところでうわさを聞いていた。「情報公開に熱い思いを持っている」「ネットを通じた集合知に絶対的な信頼を置いている」などなど。インタビューの中でも、やはりその「情報公開に対する熱い思い」が何度か出てきた。
近藤さんの経歴はご自身のブログによると次の通り。
「近藤淳也。1975年生まれ。三重県育ち。京都に10年住んで、現在東京在住。」
CNETのインタビュー記事には次のような記述がある。「1994年に京都大学の理学部に入学し、地球物理を専攻していました。大学のときは自転車と写真に夢中でしたね。写真関連の仕事をしていたこともあります。その後、大学院へ進み、2001年7月に起業しました。」
このほかホットワーヤードのインタビュー記事、ITmediaの記事なども参考になる。ITmediaが近藤社長の奥さんの近藤令子さんをインタビューした記事もおもしろい。奥さんの話を通じて近藤社長の一面を見ることができるからだ。近藤令子さんは、はてなの広報を担当していて、今回のインタビューでもお世話になったんだけど、なんでもないような会話の中にご主人への思いが伝わってきてほのぼのとした気分になった。令子さん、ありがとうございました。
インタビューの音声は3回に分けてお送りします。
1回目は、はてながどんな会社かという話。近藤社長は翔泳社から「へんな会社の作り方」という本を出されたのだが、どの辺りが変なのか、という話を聞いた。
お話の中で僕がぜひメモを残したいと思った近藤社長の発言は次の通り。
- 「『へんな会社の作り方』とかいうタイトルつけているんですけど、変だとは思っていないんです。奇をてらっているわけじゃないんです。どうすればいいか悩みに悩んで試行錯誤した結果、有効なことは続けてやっているというだけなんです」
- 「情報は基本的に出す。出してはいけないと理由がない限り出す」
- 「個人間のささいな喧嘩から国家間の戦争まで、社会の嫌な部分の多くは、情報の隠蔽やコミュニケーション不足、意思疎通の少なさなどによって生じていると思うんです」
- 「情報技術でちょっとでもいい社会になればいいなと根底で思っているから、会社としても基本的には情報は出したほうがいいに決まっていると思う。しかも安価に簡単にできる。だからいろんなことをオープンにしているんだと思います」