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前回に引き続き株式会社関心空間の前田邦宏氏にお話をうかがった。僕自身が参考になったコメントは以下の通り。
今後の方向性は-
・自分が関心を持っていることの1つ先のつながりを提示する。個人の置かれている状況に
合った個別の情報を提唱したい。実用性があるという情報よりも、意外なんだけど共感できる情報を出してあげたい。それが広告であっても構わない。メディア
の一部でも構わない。ウェブ上だけでなく、ユビキタスな環境の中でも。自分がしたいと思っていることのちょっと先で、意外で、共感に満ちたつながりが提示
されるようにしたい。・偶然に見える出会いも、自分が他人に明示的に見えている趣味志向データが「偶然」引き寄せている。リアルな世界で
は、服であるとか、車掌のバッジであるとかいろいろなものが、その人の一部としてメッセージを発信している。オンライン上だと、クエリーを投げないと、自
分を理解させることができない。そこで自分を代弁する物、心理学では「メディエイテッド・アーティファクト」と呼ばれるものが、もっと拡充していくだろ
う。・SNSだと友達形成を見ることで、本人がどういう人物かは分かるところもあるが、友達である、ないの2元的な情報だけでは、分からないことも多い。
・情報、広告のコンテクスト・マッチを技術的にどう実装するかは永遠のテーマだけれど、意外に簡単な方法で実現できるかもしれないとも思っている。例えば、野球場のデジタルサイネージでも応援しているチームが勝った観客と、負けた観客に対して、広告の内容も広告単価も変動してしかるべき。ウェブ上ではそうした心理的状況を無視して広告が配信されている。ウェブページの内容を言語的に解析し、マッチする広告を掲載しても、広告効果はそんなにも上がらない。しかしリアルの環境の中では、心理状況を把握しやすい。勝ったチームのファンに「居酒屋で祝杯を」という広告を打つことに、シソラス分析などの
高度な技術は必要ない。効果の高い広告を打てる状況がだれにでも分かるケースが世の中には山のようにある。にも関わらず、繁華街でも電車の中でも個別適合された広告の仕組みがない。・
地下鉄に乗換案内の紙が張られている。目的の駅と乗換路線が分かっていれば、何両目に乗るのがいいのか案内してくれている紙だ。一歩先の情報を提示してく
れている。紙というインターフェースでも一歩先の情報を提示できるのだから、これがネットワークにつながり、インタラクティブな要素を入れれば、もっとす
ごいインターフェースになるのではないかと思っている。消費者発信型広告について-
・みんなが同様の情報編集能力、情報発信能力を持っているわけではない。情報発信がたやすくなったいまでも、能力の高い人と受身の人の両方がいる。受身の人のニーズを見通せる人が情報を出すべき。「消費者に質問して次の商品が見つからない」と言われる。マスがまだ把握できていないニーズやウォンツを見つけ出せるのが、ヒット出せるきる開発者、マーケッター、広告マンだろう。口コミとはまた別。神の声が聞こえるクリエーターが存在する。口コミが広告のすべてになるとは思えない。