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主張を180度転換したのでボツにした原稿です。何かの役に立てばと思いアップします。未完成原稿ですので、未確認情報が含まれます。ご注意ください。
▼情報の受け手から情報の発信者へ
究極の未来には、消費者が完璧な主導権を握っているかもし
れない。しかし現状では、大半の消費者はやはりまだ受身である。ユーザー自らの情報発信をベースにしている「関心ドットコム」というサイトがある。ユー
ザーが自分の気に入った製品やサービス、場所のことを簡単に説明し、同じ製品やサービスや同様のものに関心のあるユーザー同士がつながっていくサイトだ。
このサイトを運営する株式会社関心空間の前田邦宏さんは、「ユーザーの積極的な情報発信に頼るサイトを運営しているにも関わらず、こんなことを言うのはおか
しいかもしれませんが、自ら情報発信するユーザーは一握りです」と言う。
こうした受身のユーザーが今後どの程度能動的なユーザーに変わっていくのだろうか。情報発信ツールの改良も必要だろうし、ユーザー自身が表現することに慣れて行く必要もある。世代的なライフスタイルもあるだろう。
ブログが登場したことで表現者の裾野が広がった。はてなブックマークやはてなスター、ニューシングなどのサービスは、ネット上に気に入った情報があれば
「ブックマークに追加」「○」などのボタンを押すだけ。非常に簡単に自分の考えを表現できる。最初は表現にとまどっていた人たちも、次第に表現し始めてい
る。参加型百科辞典のウィキペディアや知識共有サイトの「教えてgoo」「Yahoo!智恵袋」は、スタート当初は閑古鳥が鳴いていたが、今は多くの書き
込みでにぎわっている。
高校生はケータイを使って友人との間でしきりにメールをやり取りしているし、プロフと呼ばれる自己
紹介のページを作成し交換し合っている。自分自身を表現し、他人とつながることに多大な時間を消費している。「他人のメールやプロフを読むだけ。自分自身
は情報発信しない」という若者はほとんどいない。だれもが積極的な表現者である。
▼試行錯誤が続く過渡期の広告
受動的な消費者は、いつ能動的な消費者に変貌していくのだろうか。
IBMのレポートでも、消費者の変化が今後どのようなペースで進行するのかが、広告業界の未来を占う上での不確実要素の1つとして挙げている。
とは言っても、広告視聴の主導権が消費者側に移行していることだけは紛れもない事実。番組が面白くなければリモコンをガチャガチャと操作しチャンネルを変
えていた消費者が、今ではコマーシャルを簡単に飛ばしてしまうようになっている。どれだけクリエイティビティに富んだ広告を製作しても、スイキップされて
いては何の価値も生みださない。デジタルレコーダー大手の米TiVo社の調査によると、クリエイティビティの高い広告よりも関連性の高さのほうがスキップ
される確率が低いことが数字としても明らかになっているという。
広告会社としても、よりスキップされない広告作りに励み始
めた。日本のあるバラエティ番組でも番組内の定番コントの登場人物に扮したままでコメディアンが乗用車のコマーシャルに出ているのを見かけたことがある。
番組視聴の流れのままでコマーシャルまで見てもらおうという試みだ。
広告主である家電メーカーの家電製品がドラマの部屋の
中にさりげなく置かれていたりするプロダクトプレースメントと呼ばれる広告手法があるが、IBMのレポートは、こうした番組と同じ流れのコマーシャルやプ
ロダクトプレースメントなどの新しい広告手法はますます盛んになるであろう、と予測している。ネット上でも新しいタイプの広告手法の試行錯誤が今後も続く
であろう、としている。
またテレビ番組と関連性の強い広告や、視聴者一人ひとりの興味の対象に関連性の高い広告を表示する技術の開発が今後も進むだろう。
クリエイティビティに関する部分のまとめとしてIBMのレポートは「より幅広いコンテンツのクリエーターの登場で、コンテンツはコモディティー化、低価格化が進む。広告会社は、より積極的、創造的にクリエイターを取り込んで行く必要があるだろう」と結んでいる。
わたしがこれにさらに付け加えるとすれば、広告会社の目指すべきことは2つある。1つは、共有を前提にした広告、消費者間の新しい形のコミュニケーション
のベースになるような広告に力を入れるべきだということ。もう1つは共有を前提にした広告メッセージを、そのメッセージを求めている消費者、そのメッセー
ジが効果を生むような消費者に向けて効率よく届ける仕組みをテクノロジーを使って作り上げることである。テクノロジーを使ったメッセージの適所への配信の
仕組みの1つの例は、検索連動型広告である。このほかにも、テクノロジーを使った配信の仕組みは今後次々と出てくるであろう。
序章 経済リワイヤリング-ボツにした未完成原稿vol.0
IBMが読む広告の未来-ボツにした未完成原稿からvol1
分断される消費者の関心-ボツにした未完成原稿vol.2
メディア消費の過渡期と3層並存論-ボツにした未完成原稿vol.3
テレビCM崩壊は日本でも起こるのだろうか-ボツにした未完成原稿vol.4
ニコニコ動画に見る日本のクリエイティビティの実力-ボツにした未完成原稿vol.5
アマチュア作品はプロに勝てるのか-ボツにした未完成原稿vol.6
オンデマンドで儲からないのは当たり前-ボツにした未完成原稿vol.7
表現者にとっていい時代になるのか悪い時代になるのか-ボツにした未完成原稿vol.8
セミプロ、アマチュアが作る広告-ボツにした未完成原稿vol.9
消費者が主導権握る広告-ボツにした未完成原稿vol.10