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9月末刊行予定の拙著「次世代マーケティングプラットホーム」の中でウェブ解析を取り上げて以来、ウェブ解析周りの話が気になってしょうがない。
米人気ブロガーのスコーブル氏がウェブ解析の専門家Avinash Kaushik氏にインタビューした映像がアップされている。
幾つか気になる点をメモ(および雑感)。
【グーグルのinsights for search】
特定のキーワードを入力すると、そのキーワードを使った検索件数の推移がグラフで表示される。2つ以上のキーワードを比較することも可能。
実際に試してみた。
工人舎とEeePCで検索してみたら、EeePCのほうが検索件数が多いみたい。7月初旬にEeePCの検索が大きな山になっているんだけど、どうしてだろう。EeePC901の発売ってこの時期だったっけ。
検索を地域別にみたのがコレ。
群馬でEeePCが話題沸騰!どうして??
関連キーワードはコレ
急上昇キーワードはこれ
で、この赤丸急上昇検索キーワードって、マーケティングに役立つのでは、と思う。ブログを書く場合でも、急上昇キーワードを核にしたエントリーをアップするとかいう手法もありかも。
【集合知を使って経営判断】
「ある企業は、4種類の製品を販売していた。20ドル、40ドル、60ドル、80ドル。他社との競争の中で1つの製品を無料にすべきかどうかを検討してい
た。(試しにウェブサイトで5%のトラフィックに対して20ドルのを無料にした。そしたら他の製品の売り上げが伸びた。店舗では実験するわけにはいかない。顧客を交えたデータとテストで、わずか8日でこうしたことを実験できる。店舗では4ヶ月かかる」
EeePCを再度例えに使えば、EeePCってやはり国内のPCメーカーにとってはすごい脅威なのだと思う。EeePCに対抗する機種を赤字覚悟で出すべきかどうかを悩んでいるメーカー担当者もいるのではないだろうか。赤字で対抗機種を出して、その機種だけ売れれば、会社の業績が傾いてしまう。
一方で、対抗機種を出すことで、EeePCのメーカーとでも負けない効率経営の企業であるというイメージを打ち出すことができるかもしれない。そうなれば他の機種の売り上げ増につながる可能性がある。
どちらの戦略でいくべきか。
一か八かで決断するには、あまりにリスクが大きい。そこでオンライン販売の5%のトラフィックにだけEeePCと同じ価格帯の機種を販売してみた。そしたら他の機種の売り上げが伸びた・・・・あくまでフィクションですけど。
Kaushik氏の話は、分かりやすい例に当てはめれば、このような話になるだろうと思う。(実際には、僕は工人舎の一番安い機種を購入したんだけど、周りにはワンセグやオフィス搭載機種を購入した人が多い。EeePC対抗機種を出したことで工人舎は、低価格帯でも十分競争できる経営体質であることをアピールすることに成功した、ということなのかもしれない)
で、言いたいことは、経験と勘に頼る経営ではなく、消費者の集合知を利用したデータ主導の経営が可能な時代に突入した、ということ。
【Kaushik氏の3つの薦め】
- 解析ツールを使うべし。30%のFortune500は解析ツールを使っていない。。
- 数値データだけでなく文章のデータも集めるべし。数値データは何が起こっているのかを教えてくれる。文章データは、なぜ起こっているのかという理由を教えてくれる。
- 100ドルの予算があれば、10ドルでツールを購入し、90ドルで優秀なアナリストを雇用すべき。
【その他の気になるコメント】
- 大幅リユーアルするサイトがあるが、ウェブは革命的リニューアルすべきものではない。日々進化させるものだ。革命的リニューアルは、まず失敗する。
- ABテストも無料でできる。2種類のパターンを用意し、それぞれ何日か走らせてみる。
- グーグルはすべての答えを持っているわけではない。毎日40種類ものテストを実施し、ユーザーの反応を見ている。
- スパイウエア以外では、クッキーを使用するのが有効。alexaはツールバーでデータを収集。competeやhitwiseは、ISPからアクセスデータを購入している。