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米有力ブロガーのRobert Scobleさんが、SuperTweetって呼び名で新しいTwitter広告の概念を提唱している。
It is a Tweet with a metadata payload.
Think about all the metadata that exist OUTSIDE of the Tweet. How about you mouse-over a Tweet to see a new slide-down UI that shows you all the metadata.
Scobleさんは、Twitterの画面にバナー広告を張るのでもなく、@やDMでスパムメッセージを送ってくるのでもない方法で、広告メッセージを表示させるってことが重要だと指摘。UI的にはTweetにマウスオーバーすると、ビロっとスライドダウンメニューが出てくる、という形を提案している。
そのスライドダウンメニューの中にいろいろなメタデータを表示させるわけだ。例えばこのTweetが何回Re-Tweetされたかであるとか、Tweetされた場所の地図であるとか、Replyのやりとりとか、そういう類のデータだ。
マウスオーバーで表示されるものはまだ見たことないけど、クリックすればポップアップウィンドーが表示されて、その中にいろいろな関連データが表示される、というUIを持つTwitterクライアントって既に幾つか存在する。Seesmicもアカウント名をクリックすれば、そのユーザーのプロフィールがポップアップウィンドーで表示される。これとまあ同じ考え方だ。
でもマウスオーバーっていいよね。ポップアップウィンドーを表示させるためのクリックって、心理的ハードルが確かに高いような気がする。
それでScobleさんは、このメタデータの1つとしてボットが収集してくる情報を表示してはどうか、と提案している。例えば映画の話のTweetであれば、マウスオーバーすれば映画のレビューサイト上のその映画のページのURLが表示されたり、というものだ。URLじゃなくて、映画の写真とランキングなんかのちょっとした表示であってもいいかもね。
そしてそうした映画関連の情報が表示されたスライドダウンメニューもしくはポップアップウインドーにコカコーラなんかの広告を表示してはどうだろうと、Scobleさんは提案している。
んーいいんじゃなかな。
僕だったら「あそこのレストランはおいしかった」とtweetすれば、botが情報を集めてきてくれて、そのtweetにマウスオーバーするとクーポンが表示されるようになれば、そのレストランに行ってみたいと思うようになると思う。「あそこのレストランはおいしかった」というTweetに「こちらのレストランはいかがですか」とReplyがつけば、ちょっとスパムっぽくていやだけど、マウスオーバーでいろいろな情報が表示される中にお得情報というタブがあって、それをクリックすればクーポンが表示されるって形なら、お得情報がほしい人にだけ表示されていいんじゃないか。
大事なのはメッセージの出し方なんだと思う。そこに頭を使わないと喜ばれる情報にならないんだ。
すべてのメディアはソーシャルになるっていい続けてきた。ソーシャルメディアをマネタイズできる仕組みが登場したときに、ウェブは検索全盛の時代からソーシャルメディア全盛の時代にシフトする、って主張し続けてきた。
このSuperTweeや、FourSquareの成功事例を見ていると、いよいよソーシャルメディアをマネタイズする仕組みって生まれつつあるんだなと思う。
すべてのメディアはソーシャルメディアになるって、話をすると、どうして儲けるんだって質問が必ずくる。人を集めることに成功しているソーシャルメディアの広告のクリック率の低さを引き合いに出して、ソーシャルメディアが答えだとは思わない、と反論する人がいる。
でもそうした人たちって、「広告はじゃまなもの」という考え方をしていることが多い。確かに「じゃまなもの」と想定すれば「みんなが共有するコミュニティにそんなものを持ち込むのはケシカラン!」という考えは正しい。
でも広告ってもともとじゃまなものである必要はまったくない。中には有用なものもいっぱいある。特にネットというコミュニケーションの道具が出てきたわけだから、コミュニケーションの過程で広告をもっともっと役に立つ情報にできる。そして、必ずそうなるんだと思う。
だれとも接することなく自給自足の生活をしているのなら、広告やマーケティングのメッセージなんて不要だけど、人が集まってくれば市場ができて商いが始まる。「いらっしゃーい、安いよ」という広告メッセージが発信される。これは当たり前のことだ。同様に人が多く集まるソーシャルメディアには、なんらかのトランスアクションが発生するだろうし、そのトランスアクションを引き起こすためのメッセージの発信が始まる。これも当たり前のことだと思う。
要は、どんな形を取れば人々に喜ばれるメッセージを発信するできるか、ということだと思う。今までのメディアなら一度しかチャンスがなかったので、相手の迷惑を省みず拡声器で近くの人全員にメッセージを叫ぶしかなかった。でも何度でもメッセージのやり取りができるメディアを手にしたのだから、まずは「こんにちは」から始めるべきだろう。そして相手がどのような情報を必要としているかを聞きだして、必要としている情報や関連情報を出す。それが喜ばれる広告だと思う。メディアビジネス、ネットビジネスに携わる者は、もっとこうしたことを考えるべきじゃないだろうか。
「広告はジャマなもの」「マーケティングは消費者を都合よくコントロールするもの」という発想のままでは、Twitterの未来もソーシャルメディアの未来も見通すことなど到底できないと思う。