サイトアイコン TechWave(テックウェーブ)

米Amazonが著者・出版社の取り分を7割に引き上げ

 えっ、7割もくれるんすか!僕も電子書籍書きたいです!

 普通著者印税って本の小売価格の1割が相場だと思う。それが7割ももらえるのなら電子書籍を書きたいという著者も増えるんじゃないかなあ。出版社を通さずにフリーの編集者に手伝ってもらって、編集者に2割払っても、小売価格の半分を手にすることができる。もちろん小売価格をどこよりも安くとか、いろいろ条件はあるんだけれど。

 米Amazonの発表によると、著者・出版社の取り分7割オプションを6月30日から始めるという。英文の発表文はこちら

 今までAmazonの取り分って幾らだったっけ。かなり高いという話は聞いていたけど。米paidContent.orgというサイトによると、Amazonの取り分は通常7割で、今回発表の新オプションでは逆に著者、出版社側が7割もらえるんだそうだ。
The new option completely reverses Amazon’s standard 70 percent take of the revenue split from Kindle e-books.

 発表文によると、USでは著者の印税は、紙の書籍の場合、小売価格の7%から15%が相場。電子書籍だと出版社の取り分の25%になるそうだ。Amazonの通常の分配ルールだと、出版社の取り分が30%だとすると、その25%だから、えーと、えーと、7.5%ってことになるのかな。

 それが電子書籍の小売価格からデータ通信コストを差し引いたものからの7割を、著者、出版社が受け取ることができる新オプションを追加するのだという。発表文によると通信コストは$0.15/MB。普通のボリュームの本のデータ量は368KBぐらいだそうで、そうすれば一冊当たり$0.06。例えば小売価格が$8.99の電子書籍の場合、これまでのスタンダードオプションなら著者の取り分は$3.15、新しい7割オプションだと$6.25になるのだという。

 そのための条件は以下の通り。

 価格を$9.99以下で、しかも紙の本の最安値より20%低く設定しないといけないであるとか、音声変換機能への対応を認めないといけないとか、競合他社の電子書籍販売価格と比較した最安値にしないといけないとか、いろいろ条件がある。著者と出版社は、スタンダードオプションか新しい7割オプションか、好きなほうを選択できるようになるのだという。

 ところで競合他社ってどこだよ。ひょっとしてAppleのApp Storeのことか?もしかして1月27日に発表されるとみられているAppleのタブレットへ対抗するために、このオプションを発表したのか?競合他社と比較した最安値を設定するために、自動価格設定するツールを提供してくれるみたい。クローラー(自動巡回プログラム)がネット上の書籍の最安値を探してきて、販売価格をそれに合わせるような仕組みなんだろう。

【関連記事】
Appleタブレットは「超読書」を作り出せるか=出版業界激変の夜明け前
タブレットが普及するのなら、こんな教科書作りたい」というビデオ
Appleタブレットで新聞、雑誌が生き返る?BusinessWeekの予測
Sports Illustratedのタブレット試作号のビデオ
電子ブック端末はおもてなしが勝負。って当たり前だけど
EeePCのAsutekも、Dellも、タブレットPCデビューか
アンドロイド搭載の電子書籍リーダー売り切れ
2010年は電子書籍リーダー大躍進の年。次の進化はアップルが担う

モバイルバージョンを終了