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AmazonのKindleオープン化はApple対抗というより生き残りに不可欠

 Amazonが開発者向けのソフトウエア開発キットをリリースすると発表した。英文の発表文はこちら

 また以下はCNETの記事から。

 Amazonは米国時間1月21日、「Kindle Development Kit」を公開し、ソフトウェア開発者がKindle向けのアプリケーションを構築できるように、彼らにツールとドキュメンテーション、プログラミングへのアクセスを提供する予定だと発表した。

 Amazonは、これによって登場しそうなアプリケーションについて、いくつかのアイデアを披露している。

* 天候に応じて、最適なアクティビティを提案する旅行ガイドブック
* パーティの規模に応じて内容が変わる料理本
* 言葉遊びやパズル

 Amazonの人気電子書籍Kindle上向けに各種アプリを開発してもらいたいということだ。Kindleがオープンなプラットフォームになるわけだ。
 来週にもAppleがタブレットPCを発表すると見られることから、「Apple対Amazon タブレット戦争」という構図で理解するニュースサイトやブログが多い。例えばこのHuffingtonPostの記事とか。Kindle vs. Apple Tablet: Will Kindle Apps Help Amazon Compete With Apple?

 だけど、僕はAppleに対抗することよりも何よりも、電子書籍リーダーが生き残るためにはオープン化が不可欠だと思う。


 それはAppleタブレットは「超読書」を作り出せるか=出版業界激変の夜明け前にも書いた通り、読書を超える新しいコンテンツ消費の形を作り出していくには、世界中の開発者の知恵を結集するしかないからだ。世界中の開発者の力を借りて、読書をもっともっと楽しいものにして、もっともっと便利なものにしていく必要があるし、そうなっていくだろう。なのでオープン化しない電子書籍リーダーは必ずだめになると思う。断言してもいい。
 では「Apple対Amazon タブレット戦争」という構図がないのか、というと一部に存在するかもしれない。でもAmazonは当面の間は、書籍オンライン販売の最大手として成長し続けると思う。パソコンで無料で辞書を利用できるのに電子辞書が売れているように、何でもできるデバイスはかえって使いづらいところがあるからだ。

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